韓国を代表する俳優ハン・ソヒ&チョン・ジョンソがW主演を務めるクライムサスペンス映画『PROJECT Y』が 1月23日(金)よりT O H Oシネマズ 日比谷ほか 全国公開となる。(配給:日活/KDDI)
第50回トロント国際映画祭、第30回釜山国際映画祭でのプレミア上映で話題を呼んだ映画『PROJECT Y』は、欲望渦巻くソウルのとある街を舞台に、幼い頃からそこで暮らす中、生きぬくために強くなるしかなかったミソン(ハン・ソヒ)とドギョン(チョン・ジョンソ)という二人の女が今の生活から抜け出すため命がけで大金を盗み出そうと危険極まりない大勝負に乗り出すストーリー。
W主演を務めるのは、ドラマ「夫婦の世界」(20)でブレイクを果たし、「わかっていても」(21)、「マイ・ネーム:偽りと復讐」(21)と話題作に立て続けに出演し、アクションからロマンス、時代劇までジャンルを問わない演技力で確固たるキャリアを築いてきたハン・ソヒ。 そして、イ・チャンドン監督作『バーニング 劇場版』(18)で鮮烈なデビューを飾り、圧倒的な演技力と存在感で観客の心を虜にするチョン・ジョンソ。
メガホンをとったのは大胆な題材とインパクトのある演出で韓国映画界に新風を吹き込むイ・ファン。これまでに、韓国社会で生きる若者が直面する問題を掘り下げた作品を発表し、その社会意識の高さが評価されてきた。
長編3作目となる本作の日本全国公開に先駆け、イ・ファン監督が緊急来日! 非常にタイトなスケジュールの中、光栄にも イ・ファン監督に単独インタビューさせていただくことができた。
準備した質問を全部は伺うことができなかったほど、1つ1つの質問にとても熱く丁寧に語ってくださった。 是非、最後までご高覧いただき、イ・ファン監督が本作にどれ程の情熱を注いだのかを感じ取ってほしい。

◆『PROJECT Y』を観ていて、途中からドキドキが止まらなくなりました。 あれだけのスピード感やエネルギーを感じる作品はどのような発想から生まれたのでしょうか?
このストーリーは、それ以前にあった家族史から始まっています。 僕が最初に思いついたのは、母親から捨てられてしまったドギョンという人物です。ドギョンの母親・ガヨンはまるで飼い犬のようにドギョンを扱います。 必要な時にはドギョンを連れてくるし、必要じゃない時はどこかに預け、また必要な時には連れてくる… そんなことを繰り返していたんです。ドギョンはそのような生活の中で出会い友となったミソンと共に、生き残るため必死にいろいろな行動をすることになりますが、母親にミソンを紹介すると、母はミソンのことまでも飼い犬のように扱います。 こうやって血は繋がっていませんが、母親のガヨン、娘のドギョン、友人のミソンの3人が1つの家族になっていきます。そんな荒んだ子供時代を過ごしたドギョンは、やがて成人すると母親の元を離れます。ところが非常に困難且つ極限の状況に置かれたことにより、母親の存在を探したいという気持ちからというわけではなく、その状況から脱出するための突破口として母親に会いに行きます。 僕が思い描いたガヨンという母親像は、母性愛が強いがゆえにあのように娘たちに接したのではなく、ドギョンとミソンに対して母としてかっこいい姿を見せたいと考えていました。 だから二人から頼まれたことに対し、「こんな風にあなたたちのためにやってあげるのだから、これまでのことはこれで精算して」と考えている。そんな感じの母親の設定から始まり、ストーリーを展開していきました。
◆今回の『PROJECT Y』、そして 『大人たちには分からない』を拝見した時にも思いましたが、監督の作品はどのカットを切り取っても1枚の絵になると感じています。 監督は撮影をする時、いつもどのようなことを意識なさっていますか?
『PROJECT Y』に関しては、また少し違ったやり方だったのですが、いつもまずコンテを作って、どんな絵を撮ったらいいか悩み、考えながら映画作りをしています。 『パク・ファヨン』の時も 『大人たちには分からない』の時も、最初にコンテを作り、それに沿って俳優さんたちに自由に動いてもらうワークショップを行いました。俳優さんたちの演技や動きを実際に見て、少しコンテを変えてみたりします。 というのは、できるだけ俳優さんたちが自由に動き回り、自由奔放な演技ができるようにしたいからです。一番演技しやすい状況にすることで、俳優さんたちが持っている感情や情緒を引き出したいと考えています。 そのやり方が作品作りの助けになることもありますが、全く違ったアプローチをしてみることもあります。 例えば、光とか美術にこだわって、ある時にはすごく華やかに、ある時には暗く撮ってみたり、またある時には本当に光をかなり落とす感じで撮ってみたり。そのようにいろいろ工夫をしながら撮っています。
◆イ・ファン監督作品の映像は どれも色彩にとてもセンスを感じます。 世の中の問題、社会問題などを描いた作品はハッキリした色合いのものが多いように思うのですが、監督の作品は色調が「セピアカラー」 だったり「ペールトーン」 に感じるのですが、何か意識なさっていますか?
『PROJECT Y』において、色遣い、色彩は特に大事だと考えました。この作品の中で、どのように色を活用したら二人が引き立つかいろいろ悩み考えました。その色が画面に見えた時、それが二人の動きの助けになったり支えになったりするように、その空間にありそうな自然な色をまず考えました。そして二人がダサく見えないようにするにはどうしたらいいか考えながら撮っていました。 そしてさらに欲を出し、その色と相まってチョン・ジョンソさんが演じるドギョン、ハン・ソヒさん演じるミソンが動く時、二人がかっこよく見えてほしい、みなさんにかっこいいと感じてほしいと思いながら色遣いを決めていったので、おっしゃる通りセピアトーンに近づいていきました。 少し色が濃いと思われるかもしれませんが、そういった色合いを使うことによって、世の中の暗い面を表すことができると思いました。 また、色をちょっと滲ませることでその場に染み込んでいくような雰囲気を出したいと思いました。暗い世界だからといって完全に黒にはできないので、そのような工夫をしてみました。それを土台として他の色を加えてみたり、加えたその色をまた省いてみたり、あるいは他の色に変えたり、その場面に合うような滲んだ色合いにしてみたり…試行錯誤しながら進めていきました。 ミソンとドギョンだけではなく、他の人物が登場する時もやはり色は意識しました。衣装の色にもこだわりましたし、衣装によって周りの看板の色を工夫するとか…。美術的にも色合いについてはこだわり、様々な努力をしました。
◆今回の『PROJECT Y』の撮影で何かご苦心なさったことはありますか?
いつもどんな瞬間であれ、撮影現場では俳優さんもスタッフも苦労の連続です。でも、その苦労は楽しさを伴う苦労だと思っています。ご覧いただくとわかるのですが、ほとんど夜のシーンばかりで、昼はあまり登場しません。実際、夜に撮影を行いました。2024年の真冬の極寒の時期、しかも昼と夜が逆転している中での撮影だったのですが、厳しい寒さに耐えながら決められた時間の中で撮影をしなければいけないのが一番苦労した点です。でも、そのような環境下でも俳優さんたちは、そのシーンの感情をしっかりと演じて魅せてくれました。あのような状況の中、感情表現するのは本当に大変だったと思います。もちろん、もっとこうしたら良かったかなという思いが無いわけではないのですが、あの瞬間、私たちにできるベストを尽くしたと思っています。あの状況の中、俳優さんたちは最高の演技を見せてくれましたし、私もベストだと感じOKを出しました。これが正解だというものは無いのかもしれませんが、私たちなりの答えを映画の中で提示しています。完成した作品をご覧になったみなさんが何らかの感情を感じてくださったらいいなと思っています。その部分に関しては、もう観客のみなさんの役割だと思っています。これは決して無責任な意味で言っているのではなく、自分たちがこのようにして完成させた作品を是非みなさんにご覧いただきたいですし、作品について意見を交わしたり、共感してほしいという想いを抱きながら撮影しました。公開後、ご覧になったみなさんの感想が聞けることを楽しみにしています。ご覧いただければおわかりいただけるかと思うのですが、この映画の中で、とある得体の知れないものを巡って死闘が繰り広げられます。そのシーンも大変厳しい寒さに耐えながら撮影をしていました。置かれた空間とその環境の中で俳優さんたちは本当に頑張って演技をしてくれたことがとても記憶に残っていますし、非常に大変だっただろうと思っています。

◆今回の作品はどのくらいの期間、構想を練り、撮影にはどのぐらいの時間を費やしましたか?
そもそもの構想を立ち上げたのはかなり前の話になります。実は、当初はノワール映画ではなく、男女が主人公のメロドラマというかラブストーリー作品にしようと企画を立て、それに沿ってシナリオを書いては書き直すという作業を繰り返していました。でも、一旦その計画が保留になってしまったんです。それでその間に私は『パク・ファヨン』と『大人たちには分からない』の2作品を先に撮りました。そしてその後またこの作品に戻ったのですが、その際、以前の構想とはちょっと変えてクライムサスペンス映画にして、主人公も女性二人のバディものにしようと考えました。そこからシナリオを改めて書き始め、2年以上書いていました。撮影期間に関しては 50回撮影をしたことになるので、日数で言うと 3ヶ月ぐらいに渡って撮りました。
◆イ・ファン監督が『PROJECT Y』を通して一番伝えたかったことは?
『PROJECT Y』が何よりもまず、二人の女性ミソンとドギョンの生存に関する物語だということです。 壮絶な死闘を繰り広げてまで生き残りたいと考える二人の強い意志を伝えたかったのです。そしてそんな中、ドギョンの母親・ガヨンが出てきたことによる母と娘の関係性を示すようなストーリーも見てほしいと思いましたし、他のキャラクターたちが登場した時に醸し出される緊張感も感じてほしいと思いました。さらにジャンル映画としての楽しみも感じてほしくて、あのようなテンポの速い編集を行い、音楽監督 (※プロデューサーやラッパーとしても活動しているGRAYが本作音楽監督を務めた)と相談しながら様々な音楽を取り入れるなどさまざまな映画的楽しみを詰め込んだので、それを感じていただければと思います。
◆実生活でも親友の ハン・ソヒ さんと、チョン・ジョンソ さんですが、監督はこの二人の関係を知っていた上でのあえてのキャスティングだったのでしょうか? 二人をキャスティングなさった理由は?
二人の仲がいいことは知っていました。でも実際に会ってみたら思っていた以上の親しさで驚きました。 お二人の姿を見ていたら、本当に仲がよく、それがとても新鮮に感じられました。こんなに仲がいいのなら二人のおもしろい化学反応がきっと見られるだろうと感じ、二人の素の部分や本来の姿も映画の中で引き出したいと思いました。当の本人たちも今のこの年齢、この時の自分たちの姿を映画の中で見せたいという気持ちが強かったので、意気投合し出演が決まりました。
◆最後に本作品の公開を楽しみにしているみなさんにメッセージをお願いします
この映画はジャンル映画を撮りたいという気持ちからスタートしましたが、その過程において、観てくださるみなさんが現実味を感じるような何かを訴える力のある映画を撮りたいと考えるようになりました。主演の二人をはじめ俳優たちも力を合わせ、頑張って撮影に臨んでくれました。テンポの速い編集を心がけましたので、スピード感のある、まったく退屈な部分が無い映画だと感じていただけると思います。
ご覧いただく際には、映画がスタートしたらまず流れてくるいい音楽を聴きながらこの『PROJECT Y』という映画に搭乗していただき、俳優たちが見せてくれる感情や、登場人物の置かれている状況に身を委ねて一緒に経験をしながら、みなさんそれぞれの視点でこの映画を完成させていただければ、気づいた頃にはもうエンディングクレジットが流れていると思います。是非とも多くの方にご覧いただきたいですし、みなさんに支えていただければと思っています。ご覧になりましたら、たくさんの口コミや書き込みで広めていただければ幸いです。どうぞよろしくお願いします。
text & photo : Chizuru Otsuka

本予告映像YouTubeリンク:https://youtu.be/dMp7UqWvL6w

【STORY】
欲望渦巻く眠らない街・ソウルの繁華街で、ミソン(ハン・ソヒ)とドギョン(チョン・ジョンソ)は日々生き延びるために必死に金を工面していた。「昼は働き夜は眠る」── そんな普通の生活を夢見る二人は、その第一歩として、勤め先のフラワーショップの事業を継ぐという目標を達成する日も目前に迫っていた。しかし、夢が叶おうとしたまさにその時、ある人物から騙されていたことがわかり、すべてが粉々に砕け散る。追い詰められていく二人は、街を牛耳るト社長(キム・ソンチョル)がソウル近郊のどこかに大金を隠しているという情報をつかむ。一攫千金の大チャンスを目の前にした二人は、人生を懸けた危険極まりない大勝負に乗り出した──!







本予告映像YouTubeリンク:https://youtu.be/dMp7UqWvL6w
【STORY】
欲望渦巻く眠らない街・ソウルの繁華街で、ミソン(ハン・ソヒ)とドギョン(チョン・ジョンソ)は日々生き延びるために必死に金を工面していた。「昼は働き夜は眠る」── そんな普通の生活を夢見る二人は、その第一歩として、勤め先のフラワーショップの事業を継ぐという目標を達成する日も目前に迫っていた。しかし、夢が叶おうとしたまさにその時、ある人物から騙されていたことがわかり、すべてが粉々に砕け散る。追い詰められていく二人は、クラブを経営するト社長(キム・ソンチョル)がソウル近郊のどこかに大金を隠しているという情報をつかむ。一攫千金の大チャンスを目の前にした二人は、人生を懸けた危険極まりない大勝負に乗り出した──!
■出演:ハン・ソヒ、チョン・ジョンソ、キム・シンロク、チョン・ヨンジュ、イ・ギェジュン、ユア(OH MY GIRL)、キム・ソンチョル
■監督:イ・ファン『大人たちには分からない』
■音楽:GRAY『バレリーナ』
■提供:KDDI
■配給:日活/KDDI
<権利表記>
◆監督:イ・ファン
◆出演:ハン・ソヒ、チョン・ジョンソ、キム・シンロク、チョン・ヨンジュ、イ・ジェギュン、ユア、キム・ソンチョル
■タイトル:PROJECT Y (読み:プロジェクトワイ)
■提供:KDDI
■配給:日活/KDDI
■公開表記:2026年1月23日(金)よりTOHOシネマズ 日比谷ほか全国公開
■コピーライト:ⓒ 2026PLUS M ENTERTAINMENT, CLIMAX STUDIO AND WOWPOINT ALL RIGHTS RESERVED.
■公式X:@projecty_jp(https://x.com/projecty_jp)
■公式Instagram:@projecty_jp( https://www.instagram.com/projecty_jp/ )
#映画projecty
2026 年 1 月 23 日(金)より TOHO シネマズ 日比谷ほか全国公開