
ヨン・サンホ監督が本当に描きたかった衝撃作、映画『顔 -かおー』が2026年8月28日(金) 全国ロードショーとなる。
韓国で最も美しい“はんこ”を刻む生まれつき盲目の篆刻(てんこく)家のヨンギュ。 ヨンギュは“生きる奇跡”と呼ばれていた。 そんな父を敬い、支えて来たのは息子のドンファン。ある日、ドンファンのもとへ突然警察から連絡が入り、ドンファンが赤ちゃんの時に失踪したヨンギュの妻でありドンファンの母親であるヨンヒが40年を経て白骨死体となって発見されたことを聞かされる。 地中深くに埋められていたことから殺害され遺棄された可能性があると知り、真実を突き止めるためにドンファンは調査をはじめる。そんな中、行く先々で母・ヨンヒは心根はとても優しいが非常に“醜い顔”をしていたと聞かされ、ドンファンは大きく動揺する。さらに調査を進める中、想像もしなかった驚愕の真実を次々と知ることになる….。
本作のメガホンをとったのは、映画『新感染 ファイナル・エクスプレス』の世界的な成功によって一躍脚光を浴びたヨン・サンホ監督。今や韓国のコンテンツ産業を牽引するヒットメーカーのひとりとして、国内外から注目を集める存在だ。Netflixのオリジナル・シリーズ「地獄が呼んでいる」「寄生獣 -ザ・グレイ-」でも話題を呼ぶ一方、独立系のアート・アニメ作家としてキャリアをスタートさせたヨン・サンホ監督は、社会と人間の暗黒面を鋭くあぶり出す特異な作家性の持ち主でもある。そんな独自の世界観と作風で知られる鬼才が『新感染 ファイナル・エクスプレス』より以前から構想していた企画に挑んだ最新作『顔 -かお-』は、2018年に発表した自身初のグラフィックノベルを映画化したものだ。
本作では息子ドンファンと、父親ヨンギュの若かりし頃を一人二役にて韓国を代表する演技派俳優 パク・ジョンミンが見事に演じている。
また、父親・ヨンギュ役を韓国映画界の重鎮クォン・ヘヒョが、決して顔が画面には映らない母親・ヨンヒ役をシン・ヒョンビン が演じるなど、過去作品にてヨン・サンホ監督と一緒に仕事をした韓国トップクラスの俳優陣が集結した。
とにかく一瞬たりとも目が離せない展開を見せ、想像もできなかった事実が次々と明らかになる映画『顔 -かお-』。 最後の最後まで驚かされる。 時代や登場人物たちの状況と心情を表すような色彩とカメラワークがさらに強く人間の残酷な本質や生き様を感じさせる。本当の「美」そして「醜」とは何なのか….。
本作の公開に先駆け、ヨン・サンホ監督とパク・ジョンミンが来日! 2026年7月29日(水)、韓国文化院 ハンマダンホール(東京)にて行われた【映画『顔 -かお-』 特別試写会舞台挨拶】に登壇した。パク・ジョンミンは 映画作品での来日舞台挨拶は今回が初登壇となった。
駐日韓国文化院と映画配給会社ツインの共催による本イベント。司会進行役は韓流のスペシャリスト、古家正亨氏が務めた。
最初に古家氏からヨン・サンホ監督について、今や韓国のコンテンツ産業を牽引するヒットメーカーの一人として、国内外で注目を集めていること、配信が発表されるや大きな話題となったNetflixオリジナルドラマ「ガス人間」(現在大ヒット配信中)の脚本とエグゼクティブプロデューサーを担当していること、映画『顔 -かお-』はヨン・サンホ監督が世界的に脚光を浴びた作品である『新感染 ファイナル・エクスプレス』よりも前から構想、企画し挑んだ作品で、2018年に発表した自身初のグラフィックノベルを映画化した作品であることが紹介された。

いよいよ ヨン・サンホ監督とパク・ジョンミンがステージに登場すると、歓喜の声と歓迎の大きな拍手が沸き起こった。
ヨン・サンホ監督 「こんばんは。私は韓国映画督ヨン・サンホです。よろしくお願いします」
と、日本語で挨拶。上手な日本語を古家氏から褒められると「これだけ練習しました」と、ちょっと照れながら答えた。

パク・ジョンミン 「こんばんは。(←日本語) 韓国の俳優、映画『顔 -かお-』においてドンファンとヨンギュの二役を演じたパク・ジョンミンと申します。今日、日本には非常に悲しいニュースが流れていると聞きました。皆さん、喪失感がすごく大きいと思いますが、ぜひ力を出していただきたいと思います。僕たちもずっと声援を送り続けたいと思います」
と、前日に熊本および近県に大きな被害をもたらした地震災害への心配と労いの言葉を語った。

本作の原作である、かつて発表したグラフィックノベルを映画化しようと思った理由
ヨン・サンホ監督 「元々は漫画という形態で発表した作品ですが、当時僕は大きな規模の映画作品を撮っていたため、なかなかまた規模の大きな映画を作ると言い出せませんでした。その時丁度「ガス人間」の片山慎三監督と出会い、監督の以前の作品などを拝見したところ本当に低予算にもかかわらず立派なものを作っていらっしゃるのを見て、僕も低予算で映画を作ってみようと思いました。それでパク・ジョンミンさんに『一緒にやりませんか?』と声をかけたところ、快く応じてくださいました」
と、映画『顔 -かお-』が制作に至った経緯を述べた。

息子ドンファン役と、父親のヨンギュの若かりし頃の二役を演じるにあたり苦労した点
パク・ジョンミン 「どの作品でもそうですが、俳優は自分が演じるキャラクターをうまく表現するために常に悩みを抱えていると思います。この映画で特に大変だったことは無かったですが、あえて言うならば低予算、そして短い時間の中で2人の人物を行ったり来たりして演じなければいけないというところです。それにもかかわらず、お金を一銭ももらわなかったというのは…あ、大丈夫です(笑)。 でも、韓国でこの映画が大きな成功をおさめたので、その補填はしていただきました(笑)」
と、笑いながらノーギャラ出演だったことを明かし、古家氏もその事実を以前知った時はとても驚いたことを伝えた。会場からは大きな拍手が送られた。

本作においてヨンジュの職を “篆刻職人”にした理由
ヨン・サンホ監督 「ヨンジュは視覚障害者ですが有名な視覚デザイナーです。見えないにもかかわらず「美しさ」 そして「醜さ」を区分するということから、この職業を選びました」
ハンコ作りシーンの撮影に向け準備したこと
パク・ジョンミン 「撮影は本当に時間がタイトで準備時間はあまり多くはとれなかったのですが、そんな中、ハンコを作る技術を学ぶため3日間、習いに行きました。そこで習得した技術を使って監督さんにハンコを彫って差し上げました。ですが… 彫る時に間違えてしまい…💦 本来「ヨン サン ホ」と彫らなくてはいけないのに、「ヨン ホ サン」と彫ってしまいました(;・∀・)」
ヨン・サンホ監督 「ありがとうございます(笑) そのハンコは一番やりたくない嫌な契約を結ぶ時に使いたいと思います(笑) 」
と、ブラックジョークで返しながらも、自分の名前を一生懸命彫ってくれたパク・ジョンミンに感謝している表情を浮かべていた。
この言葉を聞き
パク・ジョンミン 「おそらく、後々、僕と契約する時に使うんじゃないかな?(笑)」
と、パク・ジョンミンもブラックジョークで返し、爆笑となった。

来場者から事前に集めた質問に答えた。
◆(パク・ジョンミン へ)役者に興味を持ったきっかけ、 (ヨン・サンホ監督 へ)映画監督を目指した理由
パク・ジョンミン 「高校生の時から映画監督になるのが夢で、大学の映画科に進学しました。でもたくさんの才能に恵まれた人たちに囲まれ、自分には才能がないことがわかったんです。ならば少しでも早く自分が得意なものをやろうと考えたのですがなかなか見つからず、それなら面白いと思うことをやりたいと思い、大学の演技科に転科しました。その大学の歴史上、僕が転科の第一号でした(笑)。 でも皮肉なことに僕の代表作は僕が演技を学んだ後の作品ではなく、映画科在籍時に短編映画に出演したのを見て監督さんがキャスティングをしてくださり、転科は全く意味がなかったことになりました(笑)」

ヨン・サンホ監督 「僕は漫画が大好きでアニメ監督になるのが夢だったんです。それで好きなものをやろうと最初はアニメの短編作品を約10年ほど作り続けていましたが、周りの方から実写映画を作ってみないかと言われ撮ってみたところ、それがうまくいって今もずっとやっています」

本作で描いた篆刻職人について
ヨン・サンホ監督 「僕はこの映画『顔 -かお-』を手掛けるまでハンコは全部機械で作るものだと思っていました。この映画の中に作業室が出て来ますが、あれはハンコを作ってくださる先生の本当の作業室なんです。韓国にはあのようなハンコを作るお店ばかりが集まっているところがあるんです。そこに行くと皆さん手作業でハンコを作っています。それを見ていたら本当に不思議だと思いました。あっという間に、本当に小さなところに綺麗な文字を刻んでくださるんですね。見ていてすごく不思議だと思いました。僕はボールペンで書いても字が汚いのに、あっという間にあんなに綺麗に描けるのは本当にすごいと思いました。先ほどパク・ジョンミンさんが3日間ハンコ作りを習いに行ったとおっしゃっていましたが、撮影の休憩時間、みんなにハンコを作ってあげていたんです。でも他の人に作ったものはちゃんと間違っていなかったんです(笑) 僕の名前だけ間違っていたんですね(笑) なので、おそらく僕のものは練習用で作ったのではないかなと思います(笑)」
と、やっぱり自分の正しい名前が入ったハンコが欲しい様子。

日本でもハンコ職人に作ってもらった印鑑や実印を持つ人は、今でも多くいる。 この日、60年のキャリアを持つ日本を代表する女性印章彫刻師・伊藤睦子氏が会場を訪れ、ヨン・サンホ監督およびパク・ジョンミンに、似顔絵と名前が入った印鑑を贈呈するサプライズが行われた。 スクリーンに映し出された押印した図は、とてもよく似た似顔絵とカタカナで「サンホ」「ジョンミン」と可愛らしく描かれた本当に素敵なものだった。自分の顔が刻まれた印鑑に二人はビックリ。「一生持ち続けます!!」と大喜びだった。

日本の国を代表する桜の木に彫られた印鑑をじっくり見つめながら
パク・ジョンミン 「もし僕が結婚して子供が生まれたら代々の家宝にします!」
ヨン・サンホ監督 「僕はプレゼントをもらってもそんなに喜んだりしないのですが、このプレゼントは本当に嬉しいです!!今後、作品の契約にはこのハンコを使いたいと思います」
と、二人とも本当に嬉しい贈り物だったようだ。印鑑の作成は映画『顔 -かお-』にちなみ、写真を基に似顔絵を描く工程を経てから、1日かけて彫ったそうだ。

ヨン・サンホ監督「印鑑登録にもこれを使いたいですね。今日は本当に来て良かったです!こんなことだとわかっていたら、韓国の公開の時に招待したかったです」
と本当に気に入った様子。
パク・ジョンミンもケースに書かれたお店の住所を見ながら「お店に遊びに行きます!」と、二人とも心から満足と感謝の気持ちを伝えた。

この日の二人へのサプライズはまだまだ続く。
映画『街の上で』や 映画『Never After Dark ネバーアフターダーク』他多数作品に出演したほか、ディズニープラスにて配信中の世界的大ヒットドラマ「SHOGUN 将軍」(シーズン1)にて 宇佐見藤 役を演じ、見事クリティクス・チョイス・アワード(米放送映画批評家賞)/テレビ部門にて助演女優賞を受賞した穂志もえか が 綺麗な大きな花束を持って会場に駆けつけた。

穂志もえか 「今日はとても光栄です。私にとって韓国映画は本当に特別なもので、何度も衝撃を受け、こういう作品に出てみたいと思いながら俳優を続けてきたところがあります。この映画を観終わったあと、ちょっと動けない時間がありました。ヨン・サンホ監督の作品は、認めること自体難しい、貧困とか差別とか格差をちゃんと事実として認め、描き抜く力があると思い圧倒されています。そしてどんな悪そうなキャラクターも愛情をもって描かれているからこそ、すべてのキャラクターの立場を想像することができました」

ヨン・サンホ監督 「僕はここに来て圧倒されっぱなしです。印鑑をいただいたり、とても大きな花束をいただいて。その上、作品の感想にも2倍圧倒されました。映画をよく観てくださり感謝いたします。これからも一生懸命頑張っていい映画を作っていきたいと思います」
と述べた。

韓国映画、そしてヨン・サンホ監督作品に非常に興味を持つ様子の穂志もえかを見て
パク・ジョンミン 「もしかしてヨン・サンホ監督の作品に出演したいですか??」
穂志もえか 「もちろんです!」
パク・ジョンミン 「私を通していただければ手数料をちょっとだけ頂いて…仲介しますよ(笑)」
穂志もえか 「あ!ノーギャラじゃなくていいんですね?(笑)」
と、パク・ジョンミンのジョークに対し、先ほどの二人のトークを聞いていた穂志もえかが即答し、会場は大笑いとなった。

そんな穂志もえかが同じ俳優であるパク・ジョンミンに、韓国の俳優たちはみんな演技のトレーニングをずっと続けているのかを尋ねると
パク・ジョンミン 「人によって違うと思います。俳優にとって重要なことは感情の幅を広く使うことができるよう、ざまざまな感情を身に着けておくことだと思っています。生きている上で感じることができる感情には限界があると思うんです。なぜかというと繰り返しの人生だから。なのでいろいろな映画を観たり本を読んだりして、様々な人の視点からいろんなものごとを見るようにしています。韓国には本当に一生懸命努力をする俳優さんがたくさんいらしゃるので、今、この質問を受けて、僕自身 恥ずかしくなりました。明日からもっと練習します!」

このあとフォトセッションを挟み、作品が上映された。 ヨン・サンホ監督とパク・ジョンミンは当初の予定には無かった上映終了後にも再度登壇し、観客の反応や感想に直接耳を傾けた。
text & photo(イベント) : Chizuru Otsuka

■タイトル:『顔 -かお-』
■公開表記:8月28日(金) 新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国公開
■配給:ツイン
■コピーライト:ⓒ 2025 WOWPOINT, ALL RIGHTS RESERVED.
〈STORY〉

生まれつき目が見えないハンデを克服し、韓国随一の篆刻家として名を馳せたイム・ヨンギュ(クォン・ヘヒョ)。息子のドンファン(パク・ジョンミン)は“生きる奇跡”と呼ばれる偉大な父を敬い、彼の事業を陰ながら支えていた。そんなドンファンのもとに警察から思わぬ知らせが届く。40年前に消息不明になった母親、チョン・ヨンヒの遺体が発見されたというのだ。しかも地中深くに埋められていたヨンヒは、何者かに殺された可能性があるという。ドキュメンタリー番組のプロデューサーの提案で調査を開始したドンファンは、行く先々でヨンヒが“醜い顔”をしていたとの証言を聞き、ショックに打ちひしがれる。やがてドンファンがたどり着いたヨンヒの死をめぐる想像を絶する真実とは……。




脚本/監督:ヨン・サンホ『新感染 ファイナル・エクスプレス』
出演:パク・ジョンミン『密輸1970』クォン・ヘヒョ『新感染半島 ファイナル・ステージ』
シン・ヒョンビン「賢い医師生活」イム・ソンジェ『非常宣言』ハン・ジヒョン『啓示』
2025年/韓国/韓国語/103分/シネスコ/5.1ch/原題:얼굴/字幕翻訳:朴澤蓉子/提供:ツイン、Hulu/配給:ツイン
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