劇団BQMAPの主宰として、すべての本公演の演出を手掛けるほか、 ゴールデンボンバー、喜屋武豊主演「ふしぎ遊戯」(演出)、集英社りぼん 60 周年記念公演「こどものおもちゃ」(演出協力・美術)など外 部公演も多く手掛ける奥村直義が、新たに脚本・演出を手掛ける 音楽劇「さよならヨールプッキ」が 9 月 6 日~9 月 10 日までシアターサンモールにて上演された。
本作品は2015年12月、BQMAPで上演した作品で、今回はキャストも新たに再上演された。

“クリスマスムードに包まれた とある街に 突然、サンタクロース集団が現れる、彼らの目的は何? サンタクロース集団の秘密を偶然知ってしまった少年カインは、弟の アベルを巻き込み、サンタクロース集団から街を救おうと試みるが…。 ”

出演は、侍戦隊シンケンジャーで人気を博した相馬圭祐。今年の 4 月にアイドルグループSKE48を卒業した酒井萌衣、子供番組で人気を博した空閑琴美、映画、舞台と幅広い活動をしている藤重政孝。
そして、この音楽劇に、 MYNAME チェジン、そしてカラムが日本の舞台で初共演した。 チェジンは本作品が 初舞台となった。

この音楽劇「さよならヨールプッキ」の題名にある、ヨールプッキとは?? 初めて見た時、おそらくほとんどの人がそう思ったのではないだろうか? ヨールプッキは、フィンランドでのサンタクロースの呼び名。しかしフィンランドのサンタ、ヨールプッキは 良い子にはプレゼントを、悪い子には罰を与える “なまはげ”のような存在だそうだ。 欧米の“プレゼントをくれる優しいサンタさん”のイメージとは異なる、優しくも恐ろしくもある存在らしい。 本作品では 謎のサンタクロース集団が登場することから話が進んでいくが、クリスマスの単純なハッピー感とは異なる、ちょっとダークな面を感じる作品となっている。 もちろん クリスマスと言えばつきものの トナカイのルドルフも登場し、大きな役割を果たす。 そして何より興味深いのは 相馬圭祐とMYNAME・チェジンの 2人が カインとアベルという兄弟,  そして カラムと 空閑琴美が アトムとウランという兄妹を演じることだ。 カインとアベル、アトムとウラン…。 この有名な兄弟妹たちが、この作品ではどのようなキャラクターで演じられているのかにも注目が集まった。

公演初日前にゲネプロが行われ、演者たちの熱演ぶりが一足早く披露された。

兄 カイン役の 相馬圭祐は高身長を活かして、ダイナミックな演技がとても印象に残った。 迫真の演技を見せてくれた。 様々なことに苦しみ、葛藤する兄カインを見事に演じ、ストーリー展開をぐいぐい引っ張っていった。

弟 アベル役のMYNAMEのチェジンは、今回が初舞台。 初日を迎えるにあたり大きな期待とともにかなりの緊張感を持っていたようだ。 しかし、初舞台とは思えないほど堂々とした演技を見せ、新たな一面を感じることができた。 アベルという弟キャラクターは MYNAMEの末っ子チェジンにはピッタリだった。 甘えっ子で かわいくもあり、しっかりしている面もあり…。 初舞台にもかかわらず、ものすごい量のセリフを覚えるためには相当の努力を重ねたであろう。

アトムを演じる カラムは、オール韓国人キャストによる全編日本語上演で話題になった5月上演 『あなたもきっと経験する恋の話』 7月上演『いつだって最高の友達』に続き、今年に入って3本目の舞台出演。 毎回、全く異なるキャラクターを演じ、今回はついに人間以外のキャラクター・ロボットのアトムを演じた。 日本人以上に日本語のセリフを理解し、見事にキャラクターになりきって演じている。 今回のアトムでも新境地を開いた。

『さよならヨールプッキ』は現代が抱えている様々な問題要素も取り入れられ、とても考えされられると同時に 大きな感動を与えてくれた。 笑えるシーンも盛り込まれ、いろんな感情に浸ることができた。

ゲネプロが終了すると ステージに出演者全員が勢揃いした。 皆、一様に 清々しい表情を浮かべていた。

相馬「練習は いろいろ大変でしたが、スタッフさんに助けられて ここまで来ました。 僕には すごくいい経験ができた時間だったと思います。 」

チェジン「僕は初めての舞台で緊張しました。 (MYNEMEの)コンサートとかがあったりの日々…でしたが、頑張りました!(笑)」
と、ホッとした笑顔を浮かべた。

その後、記者会見も開催され カイン役の相馬圭祐・アベル役のMYNAME チェジン・アトム役のカラムの3人が出席した。

◆3人の役どころを教えてください。

カラム「アトムを演じたカラムです。 アトムは希望的な存在ですが、いろいろな姿もお見せします。見所もある役だし 素晴らしい役を演じることができてすごく嬉しいです。」

相馬「アベルの兄がこの役の根幹となっていますが、アベルをどう楽しくさせるか、アベルを兄としてどう引っ張っていけるかを、この役を演じるにあたっていろいろ考えました。 チェジンくん自身、アベルのような性格で 僕をすごく頼りにしてくれていて…。  アベルありきの カインだと思っています。 」

チェジン「僕は カインの弟で、わがままで子供で…。 最初はカインお兄さんが僕をイヤだなって思っていることを感じているんですが、一緒に歩いていきながら 少しずつ カインお兄さんを好きになっていく…そんな役ですね。」

◆今回はタイトルがクリスマスなのに比べ、テーマが「核」など重いですよね? そのギャップが大きくて観客の皆さんが驚くのではないでしょうか?

相馬「僕はクリスマスにあまりいい思い出がないんですよね。 小さい頃、プレゼントはサンタさんからの手紙だったし(笑) あ、“今年は行けません”って手紙も受け取りましたよ(笑) “来てるじゃないか”って思いましたけどね(笑) だから僕の中では クリスマス=華やか っていうイメージは無いんです。 なので僕はそんなにミスマッチな感じは受けませんでしたね。 でもサンタと一緒に騒ぐ明るいシーンと重いテーマの対比が面白いので 、ミスマッチ感という感じは受けないですね。」

◆カラムさんはアトムという役を演じるのはどうでしたか?

カラム「人生初の人間ではない役を演じることができて(笑) 楽しみもあるし、どうやって演じていけばいいかの悩みもありましたね。 今回の舞台って出演者の人数がすごく多くて。 そしてみんなすごい経験者のかたばかりで…。圭祐さんは本当にすごい演技力で、今回とても助けていただいたので、自分のこれからの人生に今回の舞台は成長のきっかけになるとてもプラスになった作品になりました。」

◆チェジンさんは初舞台ですよね?

チェジン「最初に台本をもらった時は、大きな役を貰って できるかなぁってちょっと不安や心配もありました。 稽古では先輩たちにいろいろ教えてもらって、いい経験ができたと思っているし、本当に舞台って楽しいなって思いました。」

相馬「そう言って貰えて嬉しいですね。」

チェジン「経験したことのないようなシーンを演じたりします。 僕は初舞台ですし、今まで演技の勉強をしたこともないので 稽古で先輩たちがいろいろ教えてくれて…。どうやって演じたら、ファンの皆さんが感動するかなと考えました。」

相馬「チェジンくんはすごくピュアですね。 日本人ではできないような表現をしたり…。日本人ではないから日本語を完璧には使いこなせないかもしれないけれど、チェジンもカラムも 二人とも、その中から精一杯出していくじゃないですか。 そういう言葉って嘘じゃないから、すごくお客さんに感動を与えると思うんです。このアベルやアトムはこの二人じゃなきゃできないなと思いました。 僕はこの二人と一緒にできるありがたいポジションをいただき本当に感謝しています。」

◆この作品の見所を教えてください。

カラム「まず見た目的にも見所はたくさんあるし、 家族の大事さを感じられる作品。 そしてみなさんが持っているアトムのイメージを ある意味変えさせますよ!(笑)」

相馬「世界観が独特で、普通の舞台にはない流れというか。急に一人語りを始めるシーンがあったり。 いきなり “このシーン、どう繋がっているの?”って考えさせられたり…。 お客様をぐーっと引き付けて、のめり込ませるような世界観のある作品を すごく新鮮なキャスト二人や、演技の世界のベテラン、そして中堅どころなどが集まり、この3つのパワーがギュっとひとつになった時、すごいモノになると思うんです。 今日のゲネプロを迎えるまではすごく不安だったんです。 でも今日やってみて、いつもは違う分野で活躍している者同士だけれど, 二人からすごいパワーを貰って いい初日を迎えられると楽しみになったし、千秋楽までもっともっとレベルアップしていけると思うので、見に来てくださるかたは楽しみにしていてください。」

チェジン「本当に緊張しています。 普段のライブでは緊張しないんですけどね(笑) 台本をもらった時すごくいいなって思って、稽古もみんなすごく頑張ったし、ファンの皆さんには感動を与えることができると思います。 本当はクリスマスがテーマだから、12月にやりたかったんですけど、できなくてごめんなさい。」

◆このシーンは注目して見てほしいと思うところを教えてください。

チェジン「カインと一緒に歌うシーンがあるんです。 そのシーンの前に カインとケンカしてしまい、その歌のシーンで再び兄弟愛を深めるので、そこが好きです。そこが大事なシーンだとも思っています。

相馬「言われちゃったよ~(笑) 僕もそこがすごく好きなんですよね(笑) 歌いながら照れたりする顔がお芝居なのに、素で照れてたり(笑) 稽古場でやってる時、本当に素の反応がもう可愛くって(笑) もうね、キュンキュンしちゃうんです!(笑) ほんとはね、初演時はここは無かったシーンで今回の再演の舞台で足されたシーンなんです。 でもここがすごく好きですね。」

カラム「僕も実はここがすごく好きなんですよ~!(笑) なんか芝居ではない感じというか、現実というか カインとアベルというより圭祐さんとチェジン・・・って感じがかえってすごくよくて、見ていると自分の表情が温かくなってるというか。 」

◆ご自身のセリフで一番好きなセリフを教えてください。

チェジン「3つ言ってもいいですか?(笑) まず、“この卑怯者っ!”、 ラストのほうの重要な場面で言う”チカラが入らない“、あとは ”カインは僕がいなくなればいいって思ってるでしょ?“って言葉ですね。」

相馬「ケンカする流れのやりとりのシーンでのセリフは全部好きなんですが、“アベル、鬱陶しいと思ったことはあっても、いなくなればいいなんて思ったことはない”ってセリフがあるんですね。 僕は実際に兄がいて、僕はワリと出来る弟だったので(笑) 兄も僕のことをそう思った時もあったんだろうな~って思いましたね。 あ、チェジンのことは鬱陶しいと思ったことはないよ(笑)」

チェジン「(ニッコリ笑って)そう??」

相馬「うん(笑) 。 なので、このセリフを言うときはちょっと兄を思い出しながら、毎回言っていますね。」

カラム「僕は 普段のアトムとちょっとギャップのあるシーンで言うセリフが全部気に入っていますね。舞台でそのセリフを聞くのを楽しみにしていてください。」

3人のこの舞台に対する熱い思いを感じながら記者会見は終了した。 舞台は10日に千秋楽を迎え すでに再演を望む声が多数上がっている。 チェジン、カラムの二人が普段とは異なる環境に飛び込み そこで学び 得てきたことは 今後の活動に大きなプラスとなるだろう。

text & photo: C.Otsuka

 


HYBRID PROJECT Vol.16 【さよならヨールプッキ】

どこかの国、どこかの時代、
クリスマスムードに包まれるとある街に突然、
サンタクロース集団が現れる、
彼らの目的は何?

サンタクロース集団の秘密を偶然知ってしまった少年カインは
弟のアベルを巻き込み、
サンタクロース集団から街を救おうと試みるが…。

出演者:相馬圭祐
チェジン(MYNAME)  カラム
酒井萌衣 植野堀誠 空閑琴美 ペクジョンソ 尾花貴絵
李賢宇 上野健 本間健太 美萌 東祐 神坂奈美
藤重政孝

公演詳細
日時
9月6日(水)~9月10日(日)
9月6日(水) ①開演19:00
9月7日(木) ①開演13:00 ②開演19:00
9月8日(金) ①開演19:00
9月9日(土)  ①開演13:00 ②開演17:00
9月10日(日)  ①開演13:00 ②開演17:00

※開場は開演の30分前。
会場
シアターサンモール
席種/料金
全席指定 ※前売/当日同額
S席 6,800円(税込)
A席 5,000円(税込)
年齢制限
※未就学児童入場不可。
備考
脚本・演出:奥村直義(BQMAP)
オフィシャルHP
http://www.tuffweb.jp/info/joulupukki.html
お問い合わせ
<公演に関して> TUFF STUFF tuff0809@yahoo.co.jp
<チケットに関して> オデッセー 03-5444-6966(平日11:00~18:00)