【韓ペンオリジナルレポ】~舞台「Home」~ 改めて家族の大切さを感じる作品。

【韓ペンオリジナルレポ】 ※写真はすべてオフィシャル提供。

※ご注意: 一部ネタバレあり

浅草花劇場で3月17日から上演されている舞台『Home』。

この舞台は、2008年 木山裕策氏がリリースした楽曲「home」を元に作られたオリジナルストーリー。

木山氏が妻子と暮らす中、自身がガンに侵されたことにより改めて感じた家族や様々なものの大切さを描いた楽曲「home」の歌詞をベースに、家族の存在がどれほど大切なものかを丁寧に伝えてくれる作品になっている。

RUI演じる 長男・祐一と 猪爪尚紀演じる 足に障害を持つ三男・蒼太の二人はストリートミュージシャン「山郷兄弟」として活動し、デビューを夢見ている。

反対に 秋沢健太朗演じる 銀行員である次男・健次は 生真面目で、いまだにアルバイト生活をしながら夢を追う長男にイラつき強い言葉を発することもあるが、家の生計の一部を負担したり、実は家族をとても愛している。 その 内面に秘める気持ちを 母や弟をとてもやさしい表情で見つめることで秋沢は丁寧に表現している。

川上麻衣子は 病死した夫のかわりに働きながら3人の男の子を育てる かあちゃんを演じているが、大変な生活を感じさせない 温かさ、おおらかさを感じさせる。 とにかく人に対する愛情がとても深くて大きい。 そしていつも元気で茶目っ気のあるかわいいパワフルかあちゃんには 、見ている側もチカラをもらえる。

長男・祐一の婚約者ナミ役を逢澤みちるが演じるが、ナミも とても温かくて賢く、大きな心をもった女性。 おそらく 祐一は かあちゃんが理想の女性なのでは…と思えるほど、同じような温かな女性を選んでいる。 自分よりも相手の幸せを願うステキな女性を逢澤が細やかな演技で魅せてくれる。

RUI演じる 長男・祐一は 三男の蒼太と事務所のオーディションを受けに行くが、事務所が弟の足の障害を売りにしようとしていると知り、激しく抗議する。 しかし、のちに弟の夢を自分がこわしたことを後悔し、恥じることなく自らをかなぐり捨てて、事務所に三男・蒼太の採用を懇願しにいく。 このRUIの迫真の演技には強く胸を打たれる。 凄い…としか言いようのない演技だった。 優しくておだやかで温かいけれど、強い信念をしっかり持っている… 祐一はRUI自身とすごく似ている部分があるのではないだろうか? 今までRUIが過去に演じて来た役の中で、今回の祐一が一番RUI本人に近いように感じた。

三男・蒼太を演じた 猪爪尚紀は公演直前、急遽代役としてこの舞台出演が決定したそうだが、そんなことは全く感じさせず、身体の障害を苦にするのではなく自分の出来ることを常に前向きにやろうとする蒼太を見事に演じている。 出来上がりつつあったカンパニーに途中参入だったが、すでにムードメーカーなのではないかと思うほど馴染み、とてもいい味を見せていた。

長男・祐一の婚約者ナミが妊娠したことを機に 音楽の道をあきらめる祐一を受け入れ、三男・蒼太はひとり路上でチラシを配り、夢を叶えるため努力する。 そんな場所にかけつけた長男・祐一と 次男の健次。 大事な弟・蒼太のためにひとりでも多くの人たちに足を止めてもらおうと声をはりあげ必死にPRする長男と次男。 この胸アツになるシーンは必見!!

誰にだって悩みや苦しみがある。 どんな家族でも時にはトラブルも起こるし、感情の行き違いもあるだろう。 しかし家族だから、お互いがそれを理解し、許しあうことも分かち合うことも助け合うことも出来る。

後半に行われる 祐一とナミの披露宴シーンは本当にこの山郷家の挙式に招かれたような気持ちになる。自分もこの山郷家の親族や友人になったように感じ、大きな愛に包まれ幸せな気持ちになれるだろう。

この舞台「Home」は 改めて家族の大切さに気付くことが出来る貴重な作品。家族に今すぐ会いたくなる。

舞台後の挨拶でRUIが 「(コロナウィルスの影響で)2年間 韓国に帰れていないけれど、この舞台に出演して 家族のあたたかさを感じられたので 今は帰らなくても大丈夫かな(笑)」と言うほど、出演者たちは 強い絆で結ばれ愛溢れる本当の家族になっているようだ。

この日(3月19日 ②部公演)は木山氏も登壇し、名曲「home」を聴かせてくれた。 相変わらずの優しく温かい美声で家族のすばらしさを伝えてくれた。 木山氏自身、初日公演を観劇した際には感動で大泣きして顔もノドもやられてしまい、終演後の歌唱に影響しそうになったエピソードなども聞かせてくれた。

3月21日(日)大千穐楽の公演でも終演後 、『home』の生歌を聴くことが出来る。

忙しい日常に希薄になりつつある家族との関係を、この舞台や楽曲で再び思い出してほしい。

★当日券あり!

text : Chizuru Otsuka

photo : オフィシャル提供


タイトル 舞台「Home」

会場 浅草花劇場 東京都台東区浅草2-28-1 花やしき内

日程 2022年3月17日(木)〜3月21日(祝・月)

3/17(木) 【1部】開場 18:15 / 開演 19:00

3/18(金) 
【1部】14:15開場 / 15:00開演   【2部】18:15開場 / 19:00開演

3/19(土)・3/20(日) 
【1部】13:15開場 / 14:00開演   【2部】17:15開場 / 18:00開演

3/21(月・祝) 
【1部】12:15開場 / 13:00開演   【2部】16:15開場 / 17:00開演

出演

【長男:山郷 裕一 役】RUI(ルイ) 
【次男:山郷 健次役】秋沢健太朗 
【三男:山郷 蒼太役】猪爪尚紀 
【母:山郷 充子役】川上麻衣子 
【ナミ 】逢澤みちる 
【渡辺役】水村拓未 
【中島役】小木宏誌 
【アンサンブル】大屋剛司 
【アンサンブル】松本清 

チケット:指定席 8,800円 (税込み) 
バルコニーサイド席 6,800円 (税込み) 全席ドリンク代別途(¥500) 

★当日券あり!(千秋楽も若干枚数用意あり)

※ 4歳以上有料、3歳以下入場不可

主催:舞台『Home』製作委員会

制作:ライズコミュニケーション

脚本・演出:安藤亮司(劇団ウルトラマンション)

協力アイエス・フィールド / アトリエレオパード / 木山裕策音楽事務所 / ステージUPスタジオ / ネクシード /フィット/ P.P.Production( 五十音順)

★オフィシャルHP http://r-t.jp/home2022

★お問い合わせ  ライズコミュニケーション  stage@risecom.jp