【韓ペンオリジナルレポ】~映画『ペナルティループ』完成披露上映会~ 3月22日全国公開! 主演の若葉竜也、俳優復帰作となった伊勢谷友介 、山下リオ、ジン・デヨン、荒木伸二監督の5名が登壇!作品について大いに語る!東欧15ケ国での上映も決定!

史上最悪のループを描いた 【映画『ペナルティループ』完成披露上映会】が2024年2月19日 新宿武蔵野館 にて行われ、 主演の若葉竜也、 共演の伊勢谷友介、山下リオ、ジン・デヨン、そして荒木伸二監督の5名が登壇した。 (※本記事下方に 動画あり)

岩森淳(若葉竜也)は最愛の恋人・砂原唯(山下リオ)を溝口登(伊勢谷友介)によって殺害される。強い憎しみから岩森は溝口を殺そうと計画し、復讐を果たす。翌日、目を覚ますが、何故か日付は昨日のまま。そして殺したはずの溝口が生きている。再び殺すが、翌朝目をさますと、またもや昨日のまま。そんな殺人ループの中、少しずつ変化が起こっていく….。

従来のタイムループ作品とは全く異なる、独特で不気味なループ。 そのループのキーパーソンとなる謎の男を韓国人俳優 ジン・デヨンが演じている。

拍手に迎えられ5人は壇上に並び、まず挨拶を行った。

若葉竜也:はじめまして。今日は観に来て下さりありがとうございます。短い時間ですが、よろしくお願いします。

伊勢谷友介:大変御無沙汰しております。今日は皆さんとお会い出来て、嬉しく思っております。よろしくお願いします。

山下リオ:今日は皆さん、ありがとうございます!楽しみます。よろしくお願いします。

ジン・デヨン:はじめまして。今日は参加させていただきありがとうございます。よろしくお願いします。

荒木伸二監督:脚本・監督を務めさせていただいた荒木伸二と申します。今日は人生初の生の舞台挨拶となりました。よろしくお願いします。

( 荒木伸二監督は、長編映画デビュー作品となった前作『人数の町(20 / 主演:中村倫也)の際はコロナ禍での公開となり、リモートで完成披露を行ったので、今回、観客やマスコミが集結した客席を見て「この景色を写真に撮りたい」と、感慨深げだった。)

荒木伸二監督

■主人公・岩森は恋人を殺した犯人に対して復讐を繰り返しながらも微妙に変わっていく難しい役どころですが、オファーを受けてどう思いましたか?

若葉:オファーを受けた時、丁度コロナや世界情勢など、色々なものが飛び込んで来ている時期で、自分の中でフツフツとした怒りみたいなものや、破壊衝動みたいなものがどんどん溜まっていた時期で….メディアを見ても上げ足をとられて炎上していたり….。この世界がどんどん保守的になっていってる感があり、自分の中でモヤモヤとしたものが溜まっている時期でした。 そんな時、この台本をマネージャーが持って来てくれて、「こんなにめちゃくちゃな映画を一緒に作りませんか?」って言われた気がしたと言うか、同志がいてくれたと言うか、手を差し伸べられた気持ちになりましたね。

若葉竜也

■荒木監督オリジナルの、かなり意欲的な作品ですが、脚本を読んだ時はどんな印象を受けましたか?その後、脚本開発にも参加なさったそうですが?

若葉:最初、この本は何を書いているのかよくわからなくて(笑) 今まで触ったことのない手触りの脚本だったので、まずこれを書いた人に会いたいという興味がわきましたね。実際、監督に会ったらすごく知的で。 東大出てるし。だから、かしこすぎて狂っちゃったのかな?って(笑) 不思議に思いましたね(笑)

■岩森の仇、溝口を演じられた伊勢谷さんは久しぶりの映画ですが、決まった時はいかがでしたか?

伊勢谷:ここでも俺、罰せられるんだなって。だから10回殺されるのは仕方ないなって…(笑)でも、途中でやっぱり、ちょっと嫌になりましたね….。

若葉:なんかあったんですか~???なんかあったんですか???(笑)

伊勢谷:僕が….なんかあったか???(笑)

(と、久しぶりとなった期間について、ナーバスにならず、あえて自虐ネタで笑わせる伊勢谷に、登壇者たちも客席も心から大笑い。こういう潔いところが伊勢谷の人間味なのだと感じさせた。)

伊勢谷友介

■若葉さんと初共演だそうですが、撮影はいかがでしたか?

伊勢谷:役者って自分の仕事は自分で責任をもって、特に相手に相談することは無いんです。でも1つのモノを作る時、役者同志の共同作品なのに相談しないということが、マイナスになることもあるんです。若葉くんは何も気にせず「コレ、どうやればいいと思います??」って普通に聞いてくるんです。プライドが邪魔したり、今までこうしてたとか、仕組みがこうだから….と、やらないことで逆にネガティブに運んでいる事が、日本社会にはかなり多いと思うんです。なので若葉くんがそういう風に言ってくれるのがすごく嬉しかったし、僕が言ったことをそのままやりおったんです!(笑) 「なんて柔軟な役者なんだろう」って思ったし、僕もこうありたいと思いました。尊敬しながらお芝居出来たし、打ち解けることも出来て、楽しく信頼を持ちながら仕事出来たというのが若葉くんの印象ですね。

若葉:僕は無自覚だったかも(笑) そっちの方がいいと意識してやったというのではなく、「これがモノを作るということでしょ」 という意識だけなんです。 各スタッフに聞くこともありますし、どうしてこれをやったかって美術スタッフに聞くこともあります。それが、モノを作る責任でもあると思うんです。

(若葉は役者として内面にしっかりと持っているプロ意識の強さを感じさせた。)

伊勢谷友介

■岩森の恋人・唯を演じるにあたり山下さんが心がけたことや、意識したことは?

山下:事前にいただいた唯のプロフィールを見ると秘密が多い役なので、それを表情に出し過ぎない、絶妙な感じを表情だけで察して欲しいです。

山下リオ

荒木監督:他のキャストにも唯のプロフィールを渡してあります。みんな読んだかわからないけど(笑)

若葉:いや、読んで覚えてますよ!

伊勢谷:僕も覚えてますよ~。

若葉:いや、伊勢谷さんは覚えてない!(笑) だって、伊勢谷さん、僕の名前も今日、ずっと間違えて、若林竜也 (わかばやしたつや)って言うんです!

伊勢谷:いや、わざとだよ(笑)

若葉:わざとじゃないですよ!!ナチュラルにやってますからね(笑)

伊勢谷:でも….若葉….なんて名前の人、居なくない???(笑) あと、竜也(りゅうや)って書いたら、普通「たつや」って読むよねぇ。 俺は悪くないよ(笑)  今日から君は若葉竜也じゃなく、 『若林竜也(わかばやし たつや)』だよ!(笑)

(言葉のキャッチボールをしながら、じゃれ合う二人は本当に楽しそう。タイプは違う二人だが、ケミがとても合っている様子だった。)

■ループの鍵を握る謎の男という難しい役どころのジン・デヨンさんですが、現場でも日本語でコミュニケーションをとられていたのですか?

ジン・デヨン:はい。私の日本語はまだまだですが、すごく優しく説明していただいたので、現場では全然問題ありませんでした。

ジン・デヨン

■監督からデヨンさんにも役の説明をなさったのですか?

荒木監督:日本語のセリフの指導など、仲良く進めさせていただきました。

■ジン・デヨンさんとの共演はいかがでしたか?

若葉:パッと見、僕に似てません?? 劇中の僕にそっくりで(笑)ひげ生えた僕にそっくりで、「あれ?キャラ被ってるんじゃない?」ってずっと思ってました。(笑)

ジン・デヨン:いやぁ、褒められました。ありがとうございますっ!

(ジン・デヨンは流暢な日本語で質問に的確に答えていた。 控え目で思慮深い姿と温かい笑顔で、会場を和ませた。)

若葉竜也

■監督にとって『人数の町』に続いて2作目のオリジナル作品ですが、脚本の執筆や撮影で特にこだわった所は?

荒木監督:絶対に面白くするぞっていうことのため、1つ1つ積み重ねていくっていうことなんですが、なるべく新しいことにチャレンジしています。御覧になった方ならおわかりいただけると思うのですが、同じことをもう1回する人生なんてつまらないので、なるべく新しいことをやってみました。 キャストもスタッフもほぼ新しくなっていて、新しい作品がお見せ出来ると思うので期待していただいて大丈夫です。

荒木伸二監督

■同じことを何度も繰り返すのはつまらないとおっしゃりながら、『ループジャンル』には興味があったんですね。

監督:(大爆笑)そう!カンペキでしょ?今の(笑)ループジャンル、すごく興味があったし、ループジャンルの中で何か1つ超えてやりたいなというのがあって。凄いもの、見たこと無いものを作ってやるぞってなると、枠まで外れてしまって、額縁から出た絵みたいになってしまうので、逆に額縁をガチっとはめて、ループだぞってした中でどれだけ新しいことが出来るかって言うことにチャレンジしてみました。

■ほとんどの皆さんが初共演だそうですが、キャスト同志で印象的だったことは?

ジン・デヨン:緊張し過ぎていて何も思い出せません(笑)

若葉:クランクインしたばかりの時、伊勢谷さん、週刊誌に撮られてました。「伊勢谷友介、俳優復帰か?」って(笑)

伊勢谷:ホテルからすごい寝ぐせで出て来た姿を撮られて~。悪意を感じましたよ~(笑)

(伊勢谷は かなりラフなスタイルの時に撮られてしまったことが俳優として悔しかった様子だった。)

山下リオ

山下:若葉さんは元々知り合いだったので、役の様子で「へぇ~、恋人に対して普段こんななんだな~」って思ったり(笑)

若葉:なんで重ねるのよ??(笑)

山下:(笑)。 イメージと一番違ったのは伊勢谷さんですね。でも、二人ともちょっとガキんちょ気質というか、楽しそうだな~って(笑)

伊勢谷:俺が楽しいと思うか?(笑)

山下:伊勢谷さん、初日にスケボーで登場して顔に傷も作ったりして(笑)

伊勢谷:今後のオファーに響くって!(笑) 

山下:伊勢谷さんは映画好きの少年っていう感じでしたね~。

(キャスト同志の弾む会話から現場が相当熱い空気で撮影していたことが伝わって来た。)

■デヨンさんはキャストのかたたちとお話して印象に残っていることは?

ジン・デヨン:若葉さんと伊勢谷さん、お二人すごくお茶目というか、無邪気というか….天然な感じで(笑) 山下さんは共演シーンが無かったので現場で会えなかったですが、このお二人は現場でずっと見学させていただきました。おかげさまですごくリラックス出来て、今でもすごく感謝しております。

伊勢谷:そんなデヨンさんに、僕たちも癒されてますから。その笑顔に。

ジン・デヨン

■監督がキャストの皆さんの印象に残っていることは?

荒木監督:今ここにいる人たちは全員自分に自信を持って生きてる。今、どんな発言をしようが自分でその責任はなんとかしなくてはいけない。かなりハリウッド化してるなって感があるんで、皆さん、この風景を覚えていて下さいね。 5年経ったらどんどんこうなっていくと思うんで。僕はめちゃくちゃキャスト運が良くて。 自分で決めて、オファーして、丁度この4人が揃ったんですが、このメンツが揃ったのは僕にとってとてもやりやすい環境でした。

(※そう話す監督や客席を自分のカメラで撮影する自由な伊勢谷友介。この自由さ、自分の行動への自己責任が、まさに監督の言うハリウッド化して来た状況なのだろう)

伊勢谷友介

ここで、MCより アルメニア、アゼルバイジャン、エストリア、ベラルーシなどの東欧地域、15ケ国での公開が決定したことが伝えられると、会場から大きな拍手が登壇者たちに贈られた。

若葉:この台本を着手した時から、日本という国はもちろん見据えながら、ワールドワイドに展開していくことは監督ともプロデューサーとも密に話していて。なので、セリフの量を極限まで少なくしようとか。最初は一行も無かったんです。そこからスタートしたので。とりあえず15ケ国達成かなと思っています。

若葉竜也

■最後にメッセージをお願いします。

荒木監督:99分の乗り物を作ったと思っています。 皆さん、お気をたしかに、しっかり自分のアームレストを握って99分の旅を楽しんでいただければと思います。気に入ったら、もう1回でも2回でも是非乗っていただきたいと思います。よろしくお願いします。

ジン・デヨン:お忙しい中、ここにお越しいただいただけでも感謝の気持ちです。私にとってすごく大事な経験で、大事な作品だと思うので、皆さんにも大事にしていただけたら嬉しいなと思います。是非これから観る『ペナルティループ』を楽しみにしていてください。

山下:荒木さんはじめ、キャスト陣をご覧にいたければおわかりいただけると思いますが、これが正解っていうものは無くて、皆さんが答えを作っていく作品になっていくんじゃないかと思います。皆さんの反応も楽しみにしています。ありがとうございます。

伊勢谷:皆さんの中に暗い部分って無いわけないと思うんです。自分との共通項を見つけられるような条件が、必ずこのキャストの誰かの中に居ると思います。誰か一人かもしれないし、二人かも、もしかしたら制裁する方とされる方の両方かもしれない。その中に自分を見つけて、見つめ直して、反省して下さい。 あ、それは俺か???(笑)色んな見方が出来ると思います。是非自分を探しながら、明日の自分を見つけてくれたらなと思います。

若葉:これだけ娯楽が溢れかえった2024年という時代で、まだ、「俺は何を観たんだろう」と思わせることが出来る作品を作れたと思っています。 そういう経験がしたい方は是非観て欲しいです。 この嘘みたいな時代….ちょっとでも悪いことをしてしまったら、殺してもいいという変な時代、何を書いたっていいという変な時代。ほとんど魔女狩りだと僕は思っていて….。 その心のままでは僕は日本としてもダメだと思います。再起をかけて、人生かけてやっている方々もいらっしゃいます。 これが伊勢谷さんの復帰作になります!

このあとマスコミ向けフォトセッションのあと、特別に来場者のフォトタイムも設けられた。

Text & Photo : Chizuru Otsuka

映画『ペナルティループ』

© 2023『ペナルティループ』FILM PARTNERS
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映画『ペナルティループ』は 3 年 22 日(金)より新宿武蔵野館、池袋シネマ・ロサほか全国公開。


<ストーリー>「おはようございます。6 月 6 日、月曜日。晴れ。今日の花はアイリス。花言葉は” 希望”です」——岩森淳が朝 6 時に目覚めると、時計からいつもの声が聞こえてくる。岩森は身支度をして家を出て、最愛の恋人・砂原唯を殺めた溝口登を殺害し、疲労困憊で眠りにつく。
翌朝目覚めると周囲の様子は昨日のままで、溝口もなぜか生きている。そしてまた今日も、岩森は復讐を繰り返していく。

脚本・監督:荒木伸二
出演:若葉竜也、伊勢谷友介、山下リオ、ジン・デヨン
配給:キノフィルムズ 製作:木下グループ 映倫:PG12 上映時間:99分
公式サイト:https://penalty-loop.jp   

公式Twitter(@PenaltyLoopfilm):https://twitter.com/PenaltyLoopfilm
© 2023『ペナルティループ』FILM PARTNERS

3 月 22 日(金)、新宿武蔵野館、池袋シネマ・ロサほか全国公開