【韓ペンオリジナルインタビュー】~俳優 イ・ジフン ~ 映画『アンダー・ユア・ベッド』主演のイ・ジフンが映画について、撮影現場について、そして自身について大いに語る

世界的なエクストリームディレクター SABU監督の韓国でのデビュー作となる、韓国版 映画『アンダー・ユア・ベッド』が5月31日(金)に日本でついに公開される。

原作は、「呪怨」「殺⼈⻤を飼う⼥」など数々の名作を世に送り出した⼤⽯圭の⾓川ホラー⽂庫処⼥作「アンダー・ユア・ベッド」。 2019年には⾼良健吾主演で実写化され、今までにない役どころで大きな話題となった。

初恋の相手と再会したことで一線を越えてしまった男と、結婚によりどん底に突き落とされた女性を通して、暴力と欲望が蔓延している今の時代に、暴力性と愛の本質について問いかける、歪んだラブストーリー作品。

©2023, Mystery Pictures, ALL RIGHTS RESERVED

――――――  「あなたに最も近いところで、あなたのすべてを感じたかった」 ――――――――


学生時代から誰からも名前すら覚えてもらえなかった孤独な男・ジフン(イ・ジフン)にとって、初めて大学の講義中に名前を呼んでくれたイェウン(イ・ユヌ)の存在はずっと忘れられなかった。ジフンは彼女を探し出し、ついに念願の再会を果たすも、彼女の記憶にジフンは居なかった。 再び彼女に強烈に惹かれ、イェウンを24時間監視するようになったジフンはイェウンの夫 ヒョンオ(シン・スハン)がイェウンに対し激しいDVを行っていることを知る。 すべての面で妻に満足させるように強制する夫。 被虐待性愛者で自分にいたぶられ、支配されるのが好きだと思い込んで、その行為を楽しんでいる。 それに応えるように淫らな身体で喘ぐ妻イェウン。 彼⼥と全てを共にしたいジフンは、⼤胆にもベッドの下に潜り込み、⾄近距離でアザだらけの彼⼥を⾒つめる。 さらにジフンの自宅の多数のTV には彼⼥の家のリビングから寝室まで、彼⼥の⼀瞬⼀瞬を⾒逃さないように、さまざまな⾓度から監視出来る映像が映し出されていた。 こうして24時間 イェウンを監視するジフンが起こした行動は…

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ジフン、イェウン、ヒョンオ… 3人の人生は???

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今回、映画公開に先立ち、 ジフン役を務めた イ・ジフンさんにオンラインインタビューをさせていただいた。

前半は合同取材、後半は韓ペン単独でのインタビューとなっている。 かなり官能的 且つ 衝撃的な作品にイ・ジフンさんはどのように取り組んだのか、現場の様子は?? など、様々な質問を投げかけてみた。

作品内では根暗で寡黙な青年ジフンを演じていたが、実際のイ・ジフンさんはとても明るく1問1問丁寧に、正直に答えて下さった。  おだやかな口調からは誠実で温厚な人柄を感じた。

尚、公開初日となる 5月31日、シネマート新宿にて主演俳優イ・ジフンさんと SABU監督の舞台挨拶が急遽決定!! 舞台挨拶の他、サイン会+握手も行われる!!

映画鑑賞を楽しんだあとに、主演俳優と監督から直接作品について話を聞くことが出来る。 あまりにも 贅沢過ぎる本イベントのチケットは現在好評販売中!(※イベントの詳細は本記事下方に記載)

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映画『アンダー・ユア・ベッド』主演俳優 イ・ジフン さんへインタビュー

<合同取材>

■今回の出演オファーを受け、どのように感じましたか?映画出演を決めた理由を教えてください。(デビュー作の「学校2013」でもジフン、今回の映画でもジフンで本名と同じですが、名前なども関係しますか?)

まず、この作品のシナリオを読んでみて、 素材自体とても特異な内容だと感じました。 そのあと原作を読んだのですが、この特別な題材を僕の好きなSABU監督が 演出なさると聞き、是非出演したい、監督から色々なことを学びたいという気持ちになりました。 この役名の「ジフン」は偶然だったんです。 最初にSABU監督とミーティングした時も役名の話になり、 「これは本当に運命なんじゃないか?」と話していました(笑) 僕の名前はイ・ジフンで、今回の役名は キム・ジフン、そして この作品にはもう一人ユ・ジフンという人物も登場します。 脚本家のかた曰く、 「ジフン」という名前が 韓国の典型的なよくある名前なのでこの名前を使ったとおっしゃっていました。

■原作は小説ですが、日本でも映画化されています。参考に日本版は観ましたか? 今回の韓国版で個性や違いを出すためにこだわった部分は?

日本語の原作小説は読んでいませんが、 日本で映画化されたこの作品は観ました。 日本版・韓国版で違いを出すのはとても難しいですが、なるべく原作にマイナスにならないよう、迷惑をかけないように頑張りました。監督を信じて進めていきました。

■出来上がった作品を観たときの感想をお願いします。 まわりの反応はいかがでしたか?

完成した作品を最初に試写会で観た時は恥ずかしくてよく観れなかったです(笑) ベッドシーンや暴力性の高いシーンも多かったのでちょっと心配していたんですが、映画を観た母からは「もっと果敢に露出すればよかったのに。」と言われました(笑) でも、暴力性の高いシーンも多いので、観るのがつらいと思うかたもいらっしゃると思います。その点についてはちょっと心配でした。

■SABU監督から、「最大限カッコよくならないように」とディレクションされたそうですが、役作りはどのようにしていきましたか? 演じる上で気を付けたところといえば?

最初、ジフンという人物はどんな風に生きて来たのかということを考えながら役作りをしました。 でも現場に行った時、僕が作りこんでいると監督が感じたのか、「何もせず、ただ感じるままに演じてほしい」とアドバイスを受けました。 僕が集中出来るような環境を監督が作って下さったので、それに従って演技していきました。 

■SABU監督と作業してみて、いかがでしたか? 役作りや演技、演出に関して相談されましたか?

SABU監督はお父さんのような方です。 とてもプロフェッショナルな方ですが、カメラの前以外の時間はお父さんとか親戚のおじさんみたいな存在で、監督から学んだこともとても多かったです。 監督ならではの世界観、日本と韓国の文化の違いから来るものなど、沢山学ぶことが出来ました。 そして僕が何か相談をしたり心配なことについて話をすると、必ず笑顔を見せてくださり、肩をポンポンと叩いて励ましてくれたりしたのがとてもありがたかったです。

■かなり壮絶な内容ですが、撮影の合間など、現場の雰囲気はどうでしたか?

現場の雰囲気はとても良かったです。 作品は暗い部分が多いですが、現場はみんな笑って楽しく撮影出来ました。 撮影は全て京畿道 広州というところで行われました。 撮影の合間に特殊メイクをして遊んでみたり(※と言いながらスマホに収められたその時撮った写真を楽しそうに見せてくれた)とても楽しい雰囲気でした。 雪が降ることもあり、すごく寒い時期に撮影が行われたんですが、みんなで外に集まって食事をした楽しい思い出もあります。

■撮影時のエピソードを聞かせて下さい。( NGや大変だったことなど)

 ジフンがベッドの下に隠れて二人(イェウンと ヒョンオ)のベッドシーンを見るというシーンがあるのですが、夫・ヒョンオ役のスハンさんがあまりの熱演にベッドが壊れて崩れてしまい、下に居た僕の上に落ちて来たっていう面白いハプニングがありました(笑) 大変だったのは最後の格闘シーンです。 リハーサルを何度も行いましたが、とても狭い空間だったので、うまくタイミングを合わせるのが難しかったですね。 あとは…ジフンがイェウンを探して100メートルくらい走って行かなければいけないシーンがあったのですが、地面が凍っていてすべりやすい状態だったんです。 感情が高まっているシーンだったので、走りながら転ぶのも表現上ありだったのかもですが、その状態で転んだら大けがをするんじゃないかという心配があって、とても気を使ったシーンでした。

■今後、新たに挑戦してみたい作品、ジャンルや役柄などは?

元々はサイコパスや悪役をやってみたいと思っていましたが、最近はロマンスをやってみたいという気持ちが強くなっています。 最近、自分自身 感情がソフトになったようで、ロマンスとかを観ると感情移入して泣いてしまうことが増えたんです(笑) ちょっと感性が高まっている状況なので、ロマンスものを演じてみる時が来たと自分では思っています。 僕自身、演技に対する欲はとても大きいので、それ以外にもこれまでやったことのない役柄に全て挑戦していきたいです。

■映画を観る方たちにメッセージをお願いします。今回の作品で、ジフンさんが一番観て欲しいところ、この作品から一番伝えたいことを教えて下さい。

この映画が日本で公開されることになりすごく嬉しいですし、ありがたく思っています。 映画館でこの映画を観ていただく時に登場人物それぞれが置かれた環境や状況、感情について注意しながら観ていただければと思います。それぞれがどうしてこんな風にならざるをえなかったのかという理由を探し、見つけながら観ていくと、より一層この映画が楽しめると思いますし、観たあとにも色々な考えに思いふけることが出来ると思います。 お友達、恋人、家族、皆さんで一緒に観ていただけたらと思います。 正しい恋人の在り方について一緒に考えていただけたらと思います。

<個別取材>

【韓ペンオリジナルインタビュー】

■ジフンは一見、気力も感情も個性も皆無のように見えて、実はとても熱い感情と行動力を持つ男ですが、ジフンさんは、この「ジフン」はどんな男性だと感じましたか?

すごく寂しさを感じながら、その寂しさを失くそうと努力している人物だと感じました。 自分が行動する上で、心のよりどころのような場所が無くてとまどっている、夢のようなものを持てずに生きている人物だと思いました。 演じながら僕自身と似ている部分があると感じたんです。 僕自身もかつて色んなオーディションを受けて、戸惑ったり、うまくいかず寂しい思いをしたことが多かったんです。 僕を俳優として認めてくれる人、わかってくれる人が本当に居るのだろうか?と悩んだ時期も多く、とてもつらかったです。 でも僕のことを認め、理解してくれる監督に出会えたことで、生きる気力、やる気が芽生えて来ました。

■今回、日本人のSABU監督とのタッグですが、これまで韓国人監督の元で演技をして来て、一番違うと感じたのはどんなところですか?

一番大きな違いを感じたのは韓国の監督は「このように演じて」など演技指導や行動指示が多く、監督側での決まりごとも多いのですが、SABU監督は「感じたように演じればいい」という、俳優側に任せて下さるという部分です。 僕が今まで一緒に仕事をした韓国の監督とはこの部分が大きく違いました。 最初はつかみどころがなくてとても不安だったのですが、あえて指示をせず僕に任せてくださったのがとてもいい勉強になりました。

■映画の冒頭に、「自分と違う本当の自分が別世界にあって…」というセリフがありましたが、もしもう一人の自分がいるとしたら、どこで どんな人生を過ごしていたいですか?

そうですねぇ(笑) サッカー選手になっていたと思います。 実は元々はサッカー選手になるのが夢だったんです。 大学も体育学科に進んだぐらい、スポーツがとても好きです。 でも、IMF(1997年の韓国の通貨危機)があったり、他にも色々な理由があったりでサッカ―選手になる夢は諦めたのですが、もし別の人生を送っているならその人生ではサッカー選手になっていたと思います。 あ!!でももう今頃は、きっと引退してますね(笑)

■今回の作品ではかなり重い空気の場面も多かったと思います。 通常の撮影より精神面でのストレスもあったのではないかと思いますが、ジフンさんのストレス解消法は?

ストレスを感じた時は、弟分のようなマネージャーとたくさんおしゃべりをして気分を変えるようにしています。 なのでマネージャーは僕の話をいつもいっぱい聞かされてます(笑) あと、ストレスを感じるとすごく食欲が増し、間食というより食事の回数が増えてしまいます。 プデチゲやハンバーガーやサムギョプサルとかをよく食べています。 日本のような牛カツの美味しい店が韓国にもあれば、牛カツを食べまくりたいんですが(笑)残念なことに、韓国には無いんですよ(笑)

――――――  その割に太っていらっしゃらないですね!

ストレスを感じると、カロリーが消費されるので食べても太らないみたいですね(笑)

■ジフンさんは、いつ頃、どんなことがきっかけで演技に興味を持ち、俳優を目指そうと思ったのですか?

体育大学に進学しましたが、その先何がしたいかを見出せずにいた時、兵役に就きました。 そのまま職業軍人になろうと思っていたんですが、たまたま TVでイ・ビョンホン先輩が出演なさった『IRIS(アイリス)』(2009年KBS)を観ました。 そしてその頃、イ・スンシン将軍を題材にしたミュージカルも観たんです。 出演者たちの姿がとても幸せに見えて、演技をするというのはすごく幸せな仕事だと感じ、軍隊にいる間に演技の本を買い演技の勉強を始めました。

――――――― 子供の頃や学生時代、お遊戯会や文化祭などで演技をした経験は?

いや、無いですね。  子供の頃はすごく恥ずかしがりやで、先生から「前に出て発表しなさい」と言われると顔が真っ赤になってしまうくらいでした(笑)

■ご自身がよくご覧になるジャンルは何ですか?

最近の作品ではないのですが、パク・シニャンさんが出演なさった 『パリの恋人』(2004年 SBS)が好きです。 あとは最近また『天国の階段』(2003年SBS)を 観たらすごく良くて泣いてしまいました。 近頃、韓国の作品はノワール系・ハード系のものが多いですが、昔のドラマを改めて観てみると、今 観てもセリフや演出が素晴らしくて感動しました。

■最後に、日本のファンの方たちに会える機会は、近々ありますか? 皆さんとても待っていると思います。

是非是非会いに行きたいです!!  良い機会を作り、日本のファンの皆さんにご挨拶に行きたいと思っていますので、その時を待っていて下さい。  出来るだけ早く行けるようにと思っています!!!

text : Chizuru Otsuka

photo :

イ・ジフンさん撮りおろし3枚 ➡オフィシャル提供

映画場面写真➡ ©2023, Mystery Pictures, ALL RIGHTS RESERVED

映画『アンダー・ユア・ベッド』

©2023, Mystery Pictures, ALL RIGHTS RESERVED

【ストーリー】

学生時代から誰からも名前すら覚えてもらえなかった孤独な男・ジフン(イ・ジフン)には忘れられない女性がいた。 それは、初めて大学の講義中に名前を呼んでくれたイェウン(イ・ユヌ)だった。 数年経っても忘れられないジフンは彼女を探し出 し再会を果たすも、彼女は覚えていなかった。 再び彼女に強烈に惹かれてイェウンを24時間監視するようになったジフンは彼女が夫であるヒョンオ(シン・スハン)から激しいDVを受けていることを知ってしまうがー。

【クレジット】
タイトル表記:『アンダー・ユア・ベッド』
公開表記:5月31日(金)全国ロードショー
出演:イ・ジフン、イ・ユヌ、シン・スハン
監督・脚本:SABU 
原作:大石圭『アンダー・ユア・ベッド』(角川ホラー文庫/KADOKAWA刊)
配給:KADOKAWA
映倫区分:R18+
画像クレジット:©2023, Mystery Pictures, ALL RIGHTS RESERVED
2023年/韓国/韓国語/99分/カラー/スタンダード/5.1ch/原題:언더 유어 베드/字幕:北村裕美


主演 イ・ジフン & SABU監督 登壇の舞台挨拶決定!

2024年5月31日(金)

シネマート新宿 (〒160-0022 東京都新宿区新宿3丁目13−3 新宿文化ビル 6階~7階)

18:25の回(上映終了後舞台挨拶)

★舞台挨拶+サイン会+握手

■チケット発売開始!!➡ https://cinemart-ticket.jp/shinjuku/schedule/indexPre.php?dsType=pre

■イベント詳細➡ https://underyourbed-news.tumblr.com/


■公式HP➡ https://movies.kadokawa.co.jp/underyourbed/

■KADOKAWA (洋画公式) X➡ (@KADOKAWA_pic) https://twitter.com/KADOKAWA_pic