【韓ペンオリジナルレポ】~映画『対外秘』ジャパンプレミアイベント~ 11月15日の公開目前!チョ・ジヌン、キム・ムヨル、イ・ウォンテ監督が登壇!作品や日本への思いを語る!

©2024 TIFF ©Kanpen

2024年10月28日(月)~11月6日(水)まで開催中の 「第37回東京国際映画祭(TIFF)」 内 イベントとして 2024年11月15日(金)全国公開となる <映画『対外秘』ジャパンプレミアイベント>が11月3日・角川シネマ有楽町にて開催され、作品の日本最速上映そして映画イベントとしては初来日となるチョ・ジヌン、キム・ムヨル、イ・ウォンテ監督の3人が登壇し作品についての思いを語った。

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本作品は 『悪人伝』で世界中の人々に衝撃を与えたイ・ウォンテ監督が贈る 絶対予測不能サスペンス。

韓国公開時には世界的大ヒット作 『THE FIRST SLAM DUNK』を抑え初登場No.1を記録したほか、各国の映画祭に出品され大絶賛を浴びるなど、ストーリー展開、秀逸な演出、名優たちの熱い演技、時代背景を見事にまで再現した映像などあらゆる面で高く評価されている。

舞台は1992年の韓国・釜山。

 国会議員選挙に出馬するため、裏の実力者 スンテ(イ・ソンミン)の公認をとりつけた ヘウン(チョ・ジヌン)。 しかし、ある日 スンテはヘウンを裏切り、自分のいいなりになるパク・ヨンシクを公認に据える。 ヘウンはまさかの出来事にうろたえるも、絶対に自分がその選挙区から当選してみせると無所属での出馬を決意する。 準備としてまず、地元の土地開発計画の極秘情報を友人から入手することに成功する。 選挙に当選するには大金が必要と、ヘウンは地元のギャングピルド(キム・ムヨル)にその情報と引き換えに借金を依頼する。 話に乗ったピルドは、地元の開発会社のチョン社長(ウォン・ヒョンジュン)に「事前に土地を購入しておけば一攫千金につながる」と仲間に引き入れ、ヘウン、ピルド、チョン社長の3人のタッグで選挙戦に臨み スンテに対抗することとなった。 地元での人気も高くヘウンの当選は間違いないと思われたが、裏の実力者と言われるスンテはさらなる工作を図り、結果ヘウンはあらゆるものを失うこととなる。 ヘウンの起死回生は果たして成功するのか・・・ ヘウンたちの運命は・・・??

緊迫シーン連続の本作は日本でも公開前より大きな話題となり、今回のジャパンプレミアイベントチケットは販売からわずか10分で完売! イベント当日、観客たちは はやる気持ちを抑えられない様子で、早くから会場を訪れ入場を待ちわびる人たちがたくさんいた。

そんな期待と熱意に包まれた会場でいよいよジャパンプレミアイベントがスタート! 大きな拍手と歓声に迎えられた3名は満面の笑顔で登場した。

選挙を題材とした映画ということで、なんと それぞれの名前が記された“たすき”をかけ、選挙運動のような姿で登壇し、これから鑑賞する映画へさらなる期待感を感じさせた。

イ・ウォンテ監督は 「こんばんは。 僕はイ・ウォンテ監督です」と、まず日本語で語りだし、その可愛らしい口調に観客たちは思わずにっこり。 「みなさんとお会いできて嬉しいです。 連休中にもかかわらず私たちの作品を観に来て下さりありがとうございます。今日は楽しんでご覧いただけたら嬉しいです」

チョ・ジヌン 「お会いできて嬉しいです。チョ・ジヌンです。 今日は本当にとても嬉しい日です。 みなさんは日本で初めて舞台挨拶をする俳優チョ・ジヌンをご覧になる初めての方たちですね(笑)  映画祭にご招待いただきありがとうございます。 みなさんにとって楽しい時間になれば嬉しいです」

キム・ムヨル 「こんばんは~。私は映画『対外秘』でピルド役を演じるキム・ムヨルです。 よろしくお願いします」と、ムヨルも日本語で挨拶し大きな拍手が起こった。「日本へは以前、ミュージカルの公演で来たことがあります。 そして何度も日本へ旅行で来るほど日本に対し関心も高く、とても好きな国です。 そのような日本でこの映画を公開していただき、みなさんにご挨拶できてとても嬉しく思います。 連休中の貴重な時間をさいてご一緒していただき、本当にありがとうございます」と、3人ともとても丁寧に感謝の意を表した。

開演直前に “たすき”をスタッフから渡されたそうで イ・ウォンテ監督は「ちょっと動きにくくぎこちなくなりますね(笑)」と、自分自身が演出されることには不慣れでかなり照れくさい様子。  映画の中で選挙活動を行っていたチョ・ジヌンは意気揚々と「私は映画の中でたくさんつけていましたので、とても気持ちがラクです(笑) みなさん、選挙の時には“1番”ですよ。覚えていてくださいね(笑)」 とジョークを飛ばす余裕を見せ、キム・ムヨルも「私も映画の中で選挙運動をたくさん手伝ったので、もう慣れています(笑)」とたたみかけた。

90年初頭の釜山を表現するための工夫を尋ねられたイ・ウォンテ監督は 「今の釜山はとても発展していて1990年代の姿とは全く違い、あの頃を再現できる場所がほとんどありませんでした。 なので韓国全土のあらゆる海辺の町を探し回り、ロケハンをしてやっと撮影できる場所を見つけました。 釜山で撮影したのは映画全体の30%くらいになります。 それ以外、90年代を表す小道具なども準備しました。 映画内に流れる音楽も当時有名だった大衆歌謡を使っています」 と、再現にはかなり細かく気を使ったことを打ち明けた。 実際、スンテが メモする ごくごく短いシーンに使用されるサインペン1つにまでこだわり、1991年製のものをアメリカの中古市場で発掘して来たほどのチカラの入れようだったそうだ。

善と悪を超越した政治家を演じたチョ・ジヌンだが、演じた際の葛藤や面白かったことを聞かれ「人間の内面には常に善と悪が共存していると思います。 その人物がどのような状況に置かれているかによって、出る面が変わると思います。でも、私が演じたヘウンはそれとは少し異なり、まるでゲーテの『ファウスト』のように悪魔と取引をするようなところがありました。 いつでもそのような状況はあり得ると思います、みなさんにも….。 そういう状況下となり、それを選択せざるを得ないことになった時には自分自身の新たな面を発見することになると思います。 この映画は、映画内で描かれている状況を観ることで自分自身を少し遠くから見つめなおすことができる作品だと考えています。私は決して悪い人ではないと思っていますが、自分自身を振り返ってみようという気持ちで演じていました」と答えた。 

裏の実力者スンテを演じた名優 イ・ソンミンとは何度も共演歴があるチョ・ジヌンは今回の共演について、街頭演説のように少し声をはりながら 「イ・ソンミンさんは最高です!」と笑顔で言い、そのお茶目な様子に客席からは笑い声があちこちから聞こえて来た。 「私はイ・ソンミンさんと何度も共演した経験がありますが、本当に兄のような存在です。 韓国では言わずと知れた俳優さんなのですが後輩に対してとても優しい方なんです。演技力はもう言うまでもないですよね。 とにかく最高です!」 と、映画の中ではイ・ソンミン演じるスンテに裏切られボロボロになるヘウン(チョ・ジヌン)だが、ひとたび演技を離れると本当に大切な存在として尊敬し、親しく過ごしていることがとてもよく伝わってきた。

この映画に出演するため監督から体重についてコントロールするよう命じられた キム・ムヨルは 「そうなんです。 イ・ウォンテ監督作品への出演は今回で2回目ですが、2回とも体重に関し指示がありました。 監督とは先ほどホテルでお目にかかったんですが、私の姿を見て『え? なんでそんなに痩せているの?』と聞かれました(笑) でも私としてはこの姿が普通なんです(笑) 10㎏ぐらい体重差があるので監督の驚く気持ちがよくわかります(笑) 俳優は作品ごとに新しい顔・姿を見せなくてはいけないので、1つの作品と向き合う時、常に新しい自分の姿を探すようにしています。 そういう意味でもルックスの変化は観て下さるかたにとって一番わかりやすく、大切なポイントだと考えているので、体重コントロールはいい条件となりました。 ルックスが変わればおのずと内面も変わるので、スムーズに演技できました。増量するためには3ケ月くらいかかりました。 でも撮影終了後には次の作品があったので1ケ月以内に減量して体重を戻さなくてはいけませんでした」 と通常では考えられないペースで体重の増減を行っている、俳優としての意識の高さを感じさせた。

この言葉を聞き「私の場合は2週間あれば大丈夫です!(笑)」と、体重を増加させることは任せておけとばかりににっこりするチョ・ジヌンに会場は大笑いとなった。 キム・ムヨルに体重の増加を依頼したイ・ウォンテ監督は「どうしてかわからないのですが(笑) とにかく増やしてほしいと言いました(笑)」 とかぶせ、さらに笑いを誘った。

本作は 韓国・釜山を舞台としているが、釜山には独特の方言がある。その違いは、 日本においての東京と大阪のような違いだと例えられることも多い。 釜山弁習得についてキム・ムヨルは 「釜山は韓国の 慶尚道(キョンサンド)というところにある大きな都市ですが、イ・ウォンテ監督、チョ・ジヌンさん、今日は来ることができなかったイ・ソンミンさん、そして他の俳優さんやスタッフさんにも慶尚道出身のかたがたくさんいらっしゃったので助けていただきました。たくさん練習して現場に行くのですが、いきなりセリフが変更されることもあり(笑) そのたび大変な思いをしました(笑) でも、そんな時、チョ・ジヌンさんがそっと近づき、そのセリフを言って教えてくださったり、周りの俳優さんにも聞いたり、みなさんに助けられてなんとかうまくいくことができました」と撮影時のエピソードを語った。

そんなキム・ムヨルの釜山弁についてチョ・ジヌンが 「本当に上手でした。体重も増やさなくちゃいけないし、釜山の方言も覚えなくてはいけないし、ムヨルさんは2つの大きな苦労をしていました」と、その努力を労うと キム・ムヨルは日本語で「ヤバイ!(笑)」と一言で苦労を表現。 これにイ・ウォンテ監督も日本語で「すみません~」と返し、大爆笑となった。

今回の作品タイトル『対外秘』にちなみ、自身が今まで秘密にしていたことを必ず1つ披露してほしいと、MCからのかなりの無茶ぶりに、まずチョ・ジヌンは「私はあまり秘密が無い方ですが…。一本の映画を撮り終えたあとは決して後ろを振り返らないですね。 毎回、役にのめりこんで撮影していますが、 すぐに次の作品準備をしなくてはいけないので、頭を切り替えるためにそうしていたんです。でも、『対外秘』は撮影が終わっても心の中にずっと長く残っている作品です。 今回政治家の役を演じましたが、政治家の持つ “明と暗”を知り、本当に苦労されている方たちなんだと感じました。 私は一度死んで生まれ変わったとしても決して政治家にはなりません(笑) 私は俳優がいいです(笑)ありがとうございます!」と演じながら、政治家の苦労を味わい閉口したようだった。

キム・ムヨルは「少し前に息子が生まれました。 顔は公開していないのですが、幸いなことに息子は妻に似ています(笑)」とにっこり。 ムヨルに似ても間違いなくイケメンなはずだが、妻であり女優の ユン・スンアへの深い愛情、そして家庭がとても温かいことを感じさせた。 秋にユン・スンアがグラビア撮影時に語った息子の命名についてのエピソードでも夫婦仲の良さを感じるエピソードを語っていた。

今回登壇した3名は舞台挨拶での来日は初だが、プライベートなどでは何度も来日している。 日本の好きな場所や食べ物を聞かれ キム・ムヨルは即答で 「生ビール。ラーメン!そして東京もいいですが、沖縄もとてもよかった記憶があります」 

チョ・ジヌンは「福岡!豚骨ラーメン。 モツ鍋(笑)」  

イ・ウォンテ監督は「私は頻繁に日本に来ていますが、東京に来るのは10年ぶりです。これまで大阪、福岡などにも行きました。 いろいろ行った中で一番良かったのが冬の札幌でした」と、3名ともかなりの日本通な様子。 日本をとても愛してくれているのが伝わって来た。

最後にこの作品を観るかたたちへのメッセージとして

キム・ムヨル「この『対外秘』の撮影は本当にいい記憶として残っています。私の好きな場所で公開していただき、多くのみなさんにお目にかかれるのは本当に嬉しいです。みなさんの記憶に長く残る映画になれば嬉しいです」

チョ・ジヌン「日本の観客のみなさんの前でご挨拶するのは初めてです。この『対外秘』を携え、“東京国際映画祭”でみなさんとお目にかかることができたのは本当に嬉しいです。この作品を作ったのは私たちですが、ここから先はみなさんのものです。思いきり楽しんでください」

イ・ウォンテ監督「『対外秘』は重みもありシリアスな作品ですが、とても楽しめる作品だと期待しています。楽しんでご覧ください。そしてまた次の作品でもご挨拶できることを願っています」

と再び感謝を言葉にした。 イベント終了時にはイ・ウォンテ監督は客席を幸せそうに見つめ、キム・ムヨルは何度も手を振っていた。 チョ・ジヌンは最後まで舞台に残り、来場と作品を愛してくれることに深々と頭を下げていた。

映画では裏切りや不信、暴力場面も見られるが、撮影現場はこの日の舞台挨拶の様子からもわかるように とても和やかで、俳優陣・スタッフ陣がチカラを合わせ、愛を注いでこの作品を作り上げたようだ。 話題作『対外秘』は11月15日、シネマート新宿、ヒューマントラストシネマ渋谷ほかにて 全国公開される。 男たちの人生を懸けた勝負を、俳優たちの名演技や素晴らしい場面演出とともに劇場で存分に味わってほしい。

text & photo : Chizuru Otsuka


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【Story】

1992年、釜山。党の公認候補を約束されたヘウンは、国会議員選挙への出馬を決意する。ところが、陰で国をも動かす黒幕のスンテが、公認候補を自分の言いなりになる男に変える。激怒したヘウンは、スンテが富と権力を意のままにするために作成した〈極秘文書〉を手に入れ、チームを組んだギャングのピルドから選挙資金を得て無所属で出馬する。地元の人々からの絶大な人気を誇るヘウンは圧倒的有利に見えたが、スンテが戦慄の逆襲を仕掛ける。だが、この選挙は、国を揺るがす壮絶な権力闘争の始まりに過ぎなかった──。

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【監督】 イ・ウォンテ 『悪人伝』

【出演】 チョ・ジヌン 『工作 黒金星と呼ばれた男』『警官の血』 イ・ソンミン 『KCIA 南山の部長たち』『復讐の記憶』 キム・ムヨル 『悪人伝』『犯罪都市 PUNISHMENT』

2023 |韓国|韓国語|116分|カラー|スコープ|原題:대외비(英題:THE DEVIL’S DEAL)|5.1ch|字幕翻訳:鷹野文子| 映倫区分:G

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公式サイト:http://taigaihi.jp

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東京国際映画祭

名称:第 37 回東京国際映画祭
開催期間:2024 年 10 月 28 日(月)~11 月 6 日(水)
会場:日比谷・有楽町・丸の内・銀座地区
公式サイト:https://www.tiff-jp.net
コピーライト:©2024 TIFF

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