
※公演写真はすべてオフィシャル提供 (ジョン・キャメロン・ミッチェルの写真は前日7/19のものになります)

ブロードウェイミュージカル『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』の生みの親、ジョン・キャメロン・ミッチェルによる特別公演『JOHN CAMERON MITCHELL Midnight Radio – The History of Hedwig -』 が2025年7月19日(土)より21日(月・祝)まで渋谷・東急シアターオーブで開催されている。2017年10月に同会場にて行われた『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ SPECIAL SHOW』以来約8年ぶり、ファンにとって念願の 来日公演となった。
ミュージカル『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』は1988年オフ・ブロードウェイで上演が始まり、ロングランを記録。以降、ミッチェル自身が映画化し、数々の賞を受賞。2014年にはオンブロードウェイに進出し、トニー賞4部門獲得、翌2015年の公演ではミッチェル自身がトニー賞名誉賞も受賞するなど輝かしい軌跡を描いて来た。
日本においても2004年日本語版初演より現在まで、三上博史、山本耕史、森山未來、浦井健治、丸山隆平など錚々たるキャストにて繰り返し上演されるほど愛され続けている。
今回の特別公演は25年以上愛され続ける伝説のミュージカル『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』の誕生秘話やビハインドストーリーをミッチェル自身が語ると共に、各回ヘドウィグに縁の深いゲストを迎え、珠玉の名曲をフルに堪能できるヘドウィグファンにはたまらない極上の時間となっている。
7月20日と21日には 韓国の俳優ペ・ナラがスペシャルゲストとして登場。
ペ・ナラは韓国軍内部をリアルに描いたNetflixの人気シリーズ「D.P. ー脱走兵追跡官ー」シーズン2の(以下表記、D.P.2)第3話「カーテンコール」にてセクシュアル・マイノリティの兵士チャン・ソンミン(ニーナ)役を演じ、ドラマ内でヘドウィグの名曲「Wig In a Box」と「Midnight Radio」を感情豊かに歌い上げた。作品を観たジョン・キャメロン・ミッチェルを驚嘆させ、SNSに「是非ヘドウィグを演じてほしい」と書き込むほど称賛した。
ペ・ナラにとって「D.P.2」は初の映像出演だったが、ソウル総合芸術実用学校・ミュージカル演技科出身でミュージカル俳優としては10年以上のキャリアを持っている。涼やかな目元の端正な顔立ち、185cmのスラリとした抜群のスタイル、そして歌やダンス、演技における秀逸な表現で、アンサンブル時代より早くも注目を集めていた。
今回の公演で初タッグを組むジョン・キャメロン・ミッチェルとペ・ナラ。 二人は果たしてどのようなケミを生み、どのようなステージで魅了してくれるのか?また、ミュージカル『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』の上演が始まった当時はまだ理解が浅く繊細なテーマだったセクシュアル・マイノリティーだが、LGBTQがオープンに語られる現代、ミッチェルは何を語るのか?
本記事では7月20日15時公演をレポートする。
ヘドウィグを模したヘアメイクやファッションの人たちも多数見られる客席は開演前から熱気を帯びていた。


黒い顔をかたどった奇抜な衣装に身を包んだミッチェルがステージに登場すると、ギッシリと埋まった客席からは大きな歓声が沸き起こった。


『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』そしてミッチェル自身が一番伝えたいことが込められた「The Origin of Love」から公演をスタートさせた。魂のこもった歌声に観客は釘付けとなったと共に、あのミッチェルに、あのヘドウィグに会えたことを実感させた。
今回の公演ではミッチェル自身の人生を振り返りながら、ヘドウィグの誕生、そしてヘドウィグの中にどのような想いや考えが込められているのか、どのような思想を基盤に作り上げられたのかをストーリー仕立てにして順を追って伝えていった。大きな画面にはステージ横に控えるクリエイターがOHPフィルムを駆使し、画像や写真を置きながらその場でサインペンで書き加えていく映像が映し出され、とてもわかりやすく耳も目も楽しめる工夫がなされていた。
アメリカ軍の将校の息子として生まれ、少年時代は東ドイツで過ごした時の経験、ヘドウィグのモデルとなったトレーラーハウスで客をとるドイツ軍事の妻ヘルガとの出会い、当時クィアたちにとって聖地と言われたN.Yのライブハウズ「スクイーズボックス」に出演したことで自分の中にそれまでもありながらも認めることを恐れていた「女」の部分を受け入れたことなどを赤裸々に語った。 ヘドウィグを作る過程で自分の片割れを見つけたと述べた。
当時、異端児と言われ一部からは否定的な言葉を投げられていたグラムロックミュージシャンたちに傾倒したミッチェルだが、反対にグラムアートロックのデヴイッド・ボウイは『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』に共感し出資してくれたと語った。ヘドウィグが、そしてクィアやLGBTQが徐々に認められるようになっていった過程を話した。

今回の公演では『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』の中で残念ながらカットされてしまったが、ヘドウィグの恋人トミーが湖畔で歌うはずだった楽曲「Milford Lake」も特別にミッチェルの歌声で披露された。
公演後半、スペシャルゲストとして韓国の俳優ペ・ナラが登場すると、会場はさらに盛り上がりを見せた。

NetFlixドラマ「D.P.2」3話の中でペ・ナラが演じた セクシュアル・マイノリティが原因でいじめられ脱走した兵士チャン・ソンミン(ニーナ)が歌った「Wig In a Box」を歌った。 ドラマ内では、脱走兵という身の上を隠し、ミュージカルスターを夢見て前向きに生きようとしながらも、昼は工場で、夜はナイトクラブで歌手として働き、栄養不足や心身の疲労で弱っている悲しくせつない心情部分を強く歌で表現していた。今回のステージでは前向きな気持ちの部分を全面に表現した。 ミッチェルは自分のかぶっていたウィッグを脱ぎ、以前「D.P.2」を観た際に抱いた「ヘドウィグを演じてほしい」という想いを込めて、ペ・ナラにウィッグをかぶせた。 曲の途中、ペ・ナラが「みんな一緒に歌いましょう!」と言うとスクリーンに日本語の歌詞が映し出され、観客も一緒に合唱した。 歌い終わるとミッチェルは「ペ・ナラ!新しいヘドウィグ!」と紹介し、観客からも賛同の大きな拍手が送られた。





ペ・ナラはウィッグを脱ぎ、マイクスタンドにかけると愛をこめてウィッグを撫でた。
ミッチェルは、共にヘドウィグを作りあげたスティーヴンとの死別について語ったあと、「Midnight Radio」を歌った。曲の途中からはペ・ナラやコーラスのCHICAも加わり、グラムロックサウンドとDURANが奏でるギターの音色に乗せ、歌詞に描かれた深い想いを伝えた。 観客は手を高くあげ大きく左右に揺らした。 ステージにはアメリカ人のミッチェル、韓国人のペ・ナラ、日本人のCHICAやバンドメンバーという3つの国のアーティストが並び、互いを認め合い尊敬する、まさしくヘドウィグが理想とする世界を感じさせた。大きな感動に客席からはしばらく拍手や歓声が鳴りやまなかった。 なお、「D.P.2」のエンドロールではペ・ナラの「Midnight Radio」をフルに聴くことができる。是非、次話にスキップせずじっくりと味わってほしい。

「Tear Me Down」では素晴らしい歌声にギターのアーミングやドラムリズムがさらに高揚感を煽り、会場は大盛り上がりとなった。歌いながらステージを左右に動くペ・ナラの姿を、本当に愛おしいという表情を浮かべながら目で追うミッチェル。
続いてペ・ナラが「The Origin of Love」アコースティックバージョンを披露した。


ラストナンバーは『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』というタイトルが名づけられた意味や理由が歌詞に描かれた パンクロック「Angry Inch」! 1階席はみな立ち上がり、歌声とサウンドに酔いしれた。ミッチェルは客席を練り歩き、ペ・ナラが韓国語で「叫べ~!!」と言うと、韓国語がわからなくともみんなが一斉に大きな叫び声をあげた。音楽は言葉の壁も崩すことが伝わって来た。曲の最後にはペ・ナラが高音でシャウトを聴かせ、最高の盛り上がりとなった。

いつまでも鳴りやまない歓声と拍手にミッチェルは「もう1曲」と言い、突然アカペラで「赤い靴~履いてた~女の子~」と日本の童謡を歌い、「We love you! Good Night!」という言葉を残し、ステージをあとにした。

尚、ペ・ナラは明日 7月21日(月・祝)13時開演の公演にもスペシャルゲストとして登場する!20日の公演ではその高い実力と容姿端麗な姿で観客に強い印象を残した。
是非劇場にてジョン・キャメロン・ミッチェル&ペ・ナラの情熱と魂を感じる歌声に耳を傾けて欲しい。
text : Chizuru Otsuka
photo :オフィシャル提供 (ジョン・キャメロン・ミッチェルの写真は前日7月19日公演になります)
<当日券について>
本公演の当日券販売は開演の60分前より、当日券売場(劇場入口前)にて販売を予定しています。
販売席種はS席、A席を予定していますが、在庫状況により取り扱い席種は変更になる場合もございます。
決済方法:現金、クレジットカード、交通系IC、iD、Pay Pay、d払い
「Wig In a Box」

Courtesy of Netflix

Courtesy of Netflix
<ペ・ナラ コメント>
こんにちは、ペ・ナラです。 7⽉20⽇・21⽇に東急シアターオーブで開催される「JOHN CAMERON MITCHELL Midnight Radio -The History of Hedwig-」(ジョン・キャメロン・ミッチェル ミッドナイト・レディオ -ザ・ヒストリー・オブ・ヘドウィグ-)にスペシャルゲストとして出演させていただきます。 「ヘドウィグ」は、私がミュージカル俳優としてとても好きな作品で、尊敬するアーティストによる特別な公演です。 また、Netflixシリーズ「D.P.ー脱⾛兵追跡官ー」シーズン2の劇中でヘドウィグの楽曲を歌ったこともあり、私にとって⾮常に深い意味を持つステージとなります。 ぜひ皆さんもジョンさんのこの公演にお越しいただき、素晴らしいステージを⼀緒に楽しんでいただけたら嬉しいです。 私も皆さんに素敵なパフォーマンスをお届けできるよう、しっかりと準備をして臨みます。 それでは、東急シアターオーブでお会いできるのを楽しみにしています。
<プロフィール>
ペ・ナラ (Bae Na-ra / 배나라)

2013年、ミュージカル「Promise」にてデビュー。以降、「フランケンシュタイン」「レベッカ」「キンキーブーツ」「グリース」「ウエスト・サイド・ストーリー」「イーヴル・デッド」など、数々の話題の舞台に出演し、確かな歌唱力と演技力で注目を集める。 音楽活動も並行して行い、番組出演やアルバムのリリースを通じて、表現の幅を広げてきた。 2023年にはNetflixシリーズ「D.P. ―脱走兵追跡官―」シーズン2の第3話「カーテンコール」で、セクシュアル・マイノリティの兵士チャン・ソンミン/ニーナ役を演じ、映像初出演ながらその繊細な演技が絶賛され、大きな注目を集める。 2025年には同じくNetflixで配信中の「弱いヒーロー Class2」で主人公と対立するナ・ベクジン役を演じ、圧倒的な存在感で強烈な印象を残した。今後も複数の話題作への出演が予定されており、舞台・映像・音楽すべてにおいて活躍の場を広げ続けている注目の俳優である。
<「JOHN CAMERON MITCHELL Midnight Radio -The History of Hedwig-」とは>
ミュージカル「ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ」は、1998年からオフ・ブロードウェイで上演され、ロングランを記録。2001年にはミッチェル自身が映画化し、サンダンス映画祭観客賞、監督賞など数々の賞を受賞するなど、舞台・映画共に世界中に一大ブームが巻き起こりました。更に、2014年にはリバイバル作品としてブロードウェイに進出し、トニー賞4部門という快挙を達成。2015年の公演ではミッチェルがトニー賞名誉賞も受賞しました。 日本でも、2004年の日本語版初演から現在まで、様々なキャストで多数公演を繰り返している人気作品です。 今回開催されるスペシャルショー「JOHN CAMERON MITCHELL Midnight Radio -The History of Hedwig-」では、ジョン自身がヘドウィグの誕生秘話やビハインドストーリーを語りながら、ヘドウィグの楽曲を通して誕生から25年以上愛される伝説のミュージカルの軌跡を振り返ります。そしてヘドウィグに縁の深いゲストを迎え、珠玉の名曲を堪能できる特別な公演となっています。
東京公演には 7 月 19 日(土)13:00 公演に中村中、7 月 19 日(土)18:00 公演に浦井健治、7月20日(日)15:00公演と7月21日(月・祝)13:00 公演にはペ・ナラ、大阪公演 7 月 23 日(水)13:00/18:00 公演に山本耕史がスペシャルゲストとして登場、さらには稲葉浩志(B’z)、スガシカオ、藤井 風、Vaundy、 EXILE ATSUSHI などの一流アーティストたちが厚い信頼を寄せるギタリスト DURAN が全公演に出演することが発表になっています。
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ジョン・キャメロン・ミッチェル (John Cameron Mitchell)

脚本家、映画監督、俳優としてマルチに活躍。1963年米国テキサス州生まれ。1991年ブロードウェイの舞台『シークレット・ガーデン』でドラマ・デスク賞にノミネート。93年、エイズをテーマにした作品『The Destiny of Me』でオビー賞を受賞。同作ではドラマ・デスク賞にもノミネートされる。翌年にも『Hello Again』でドラマ・デスク賞にノミネート。98年『ジェーン・ストリート・シアター』で上演した『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』では、オビー賞、ニューヨーク・マガジン賞、ドラマ・リーグ賞、アウタークリティックス・サークル賞などを総ナメにした。その後、ミッチェル自身が主演・脚本・監督を務めた映画版も制作され、世界中で人気を博した。他の主な舞台作品に『Six Degrees of Separationあなたまでの6人』、ハックルベリー・フィンを演じた『ビッグ・リバー』がある。映画出演は『マイアミ5』(86)、『ブック・オブ・ラブ あの日の恋』、(90)など。映画監督として第二作目となる『ショートバス』(06)でも、独自の視点から愛と孤独を描き、またピューリッツァー賞に輝いたデヴィッド・リンゼイ=アベアーの戯曲を映画化した第3作目『ラビット・ホール』(10)ではニコール・キッドマン製作・主演で幼い息子を失った夫婦の再生を描き、好評を得ている。2017年には第4作目の『パーティで女の子に話しかけるには』(17) も公開された。
<公演概要>

タイトル:JOHN CAMERON MITCHELL Midnight Radio -The History of Hedwig-
ジョン・キャメロン・ミッチェル ミッドナイト・レディオ –ザ・ヒストリー・オブ・ヘドウィグ-
※生演奏、英語上演、日本語字幕あり
出演:ジョン・キャメロン・ミッチェル
CHORUS:Chica
THE ANGRY INCH(バンドメンバー):
DURAN(GUITAR) Makara Dolsuklert (GUITAR) シンサカイノ(BASS)
松下マサナオ(DRUMS) ハタヤテツヤ(KEYBOARD)
日程・会場・スペシャルゲスト
【東京公演】
日程:2025年7月19日(土)~7月21日(月・祝)
7月19日(土) 13:00 スペシャルゲスト:中村 中
18:00 スペシャルゲスト:浦井健治
7月20日(日) 15:00 スペシャルゲスト:ぺ・ナラ
7月21日(月・祝) 13:00 スペシャルゲスト:ぺ・ナラ
会場:東急シアターオーブ
料金:S席¥12,000 A席¥9,000(全席指定・税込)
お問い合わせ:サンライズプロモーション東京 0570-00-3337(平日12:00~15:00)
【大阪公演】
日程:2025年7月23日(水)13:00/18:00 スペシャルゲスト:山本耕史
会場:NHK大阪ホール
料金:S席¥12,000 A席¥9,000 B席¥6,000(全席指定・税込)
お問い合わせ:キョードーインフォメーション 0570-200-888(12:00~17:00、土日祝休業)
チケット:好評発売中!!
公式サイト:https://www.midnightradio.jp/
主催・製作:Midnight Radio製作委員会
宣伝:キョードーメディアス
公式HP: https://midnightradio.jp/
公式X:@MidnightHedwig