【オリジナルレポ】~MUSICAL『アンコール』~「音楽は俺の人生の全て、たった1つの大切な場所…」バンドを舞台に若者たちの苦悩・思いやり。命(ライブ)の先にあるものは何なのか…

2021年4月6日(火)、ついに 萬劇場にてMUSICAL 『アンコール』 がスタート。

初日公演前 ゲネプロが公開された。

(※本公演は 一部キャストがWキャストとなっており、Team Black、Team Whiteと 2チームに分かれている。 本記事は6日が初日となったTeam Black のゲネをレポ)

まずお伝えしたいのは今回の公演は徹底的な感染対策予防の上、開催されている。

入場時の手洗い(劇場前には手洗い場が設置されている)、アルコール消毒、客席各席の間にアクリル板、前方列はフェイスシールド着用、演者たちはマウスシールド着用…ほか、細かい部分まで配慮されていることからも、この公演を会場で是非見てもらいたいという強い思いを感じた。 観に来てくださるかたが心から公演を楽しめるように出来る限り配慮されている。

バンドが奏でる熱いサウンドからこの舞台は始まる。 リズムセクションからギター、キーボードも加わり音に厚みが増していく中

「音楽は俺の人生の全て、たった1つの大切な場所…」

そんな印象的な言葉からこの物語は始まる。

今回の公演では 主役の志音(しおん)を演じるRUI(ex CODE-V ,Niiisan’s)が音楽面でもプロデュースを担当し、楽曲も全て提供している。 オープニング曲はこれから繰り広げられる様々な苦悩とそれを振り払いたい気持ちを現したかのような躍動感ある楽曲になっている。

バンドとして早く成功したいと思うあまり焦りから起きる諍い(いさかい)。

なぜそんなに急いで成功したいのか?

後にその理由が明らかになる。

そして志音は感情の行き違いからこのバンドを抜けることになる。

志音が出会った新しいバンドのメンバーのひとり、ギタリストの結弦(ゆずる: 荒友哉)にも悩みがあった。 網膜色素変性症を患い、いずれ失明することをバンドのメンバーに告げられずにいた。

成功を夢見て練習を重ねる中、いいボーカリストを求めていたメンバーたちは 前のバンドから飛び出した志音と出会う。 同じ目標に向かってみんなで波に乗っていこうとする。

未来への希望をキャストたちはいきいきとした表情で演じている。

みんなが夢に向かって走り出す中、病を打ち明けられない結弦。

そのちょっと苦しい思いを伝える曲は結弦役を演じる荒友哉のやわらかい歌声にピッタリだった。

バンド内のやりとりでは元気印のようなメンバーの奏と、おだやかな結弦の正反対な感じがいい雰囲気を醸し出す。

どんどん良くなるチームワークの中、結弦の提案でバンド名が「BLACK OUT」と決定。

そしてついに結弦はメンバーに目の病について打ち明ける。

結弦の病があっても、これからも一緒に進んでいこうと結束を固める。

メンバーたちの温かい雰囲気のなか、最初強がっていた志音(RUI)も新しい仲間たちに少しずつ心を開いていく。 志音の心の変化をRUIは丁寧に上手に演じている。

最大のライバルとなるグループは、 新たなボーカルにMAKOTO(内海大輔)を迎えた、志音が元いたバンド「WHITE NOIZ」 だった。

MAKOTO役の内海大輔のカリスマ性ある雰囲気と歌声、そしてパワー溢れる楽曲で、劇場はさながらライブ会場のようになる。

そしてMAKOTOは実の弟の結弦が 志音とバンド活動を続け、目の治療に専念していないことを知り心配で心が乱れていく。

志音は自分が元いたバンド「WHITE NOIZ」のボーカルが 結弦の兄だと 結弦から聞かされる。

結弦はずっと一緒にやってきた兄のMAKOTOが結弦の目の治療をさせたくてバンド活動を辞めさせようとしている本心が理解できず、なぜ突然自分と一緒にバンドをやってくれなくなったのかわからず苦しんでいた。
志音はそんな結弦を優しく受け止めるのではなく、もっと強くなって兄MAKOTOを超えようと言う。

ちょっと不器用で優しさを素直に表現できない男・志音をRUIがしっかりと演じている。

そしてそのかくれた優しさを敏感に感じ取る事ができる結弦を荒友哉が好演している。

友情、家族の愛、思いやり、優しさ … 観る側も温かい気持ちになっていく。

そして志音の気持ちがどんどん変化していく。

自分が求めていたものが何だったのかようやく気づき始める。

その中で迫ってくる 結弦の光が失われる日。

そしていまだ明かされぬが何かを抱えている志音。

デビューをかけたコンテストで兄・弟のバンドが対決することとなる。

兄のMAKOTOは弟 結弦を守りたいがために きつい言葉を投げかける。 結弦を守りたいという同じ思いを持つ MAKOTOと 志音は 激しくぶつかり合っていく。

闘志に火がつき、対決の日を迎えた2つのバンドは熱いライブパフォーマンスを繰り広げる。

迫力あるシーンが続き、観る側も高揚感が増していく。

MAKOTOの心情を歌うシーンではせつなさに溢れていた。

志音が抱える秘密が明らかになり、ここからこの物語は急展開していく。

志音、結弦、MAKOTOの運命は…。

ラストシーン、驚くような結末の中、みんなの心が変化していく。

ラストシーンでのセリフの1つ1つは せつなさの中に ぬくもりを感じる。そしてこのシーンで歌われる楽曲がとても美しく心に染み入ってくる。

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バンドを舞台に若者たちの苦悩と思いやりを描いたこのMUSICAL『アンコール』。

華やかなライトや歓声を浴びるバンドの裏にある悲哀、苦悩。

人への思いやり、家族や友達の大切さ…。

キャストたちはその思いを伝えたいと自分に与えられた役をしっかり理解し、演じている。

カンパニーの結束力も強く、関係がとても良好なのも、お互いを信頼し安心して演じている姿から強く伝わって来る。

公演ラストのシーンで、志音を演じるRUIと、MAKOTO役の内海大輔のふたりの目には涙が滲んでいた。 結弦を思う気持ちをどこにぶつけたらいいのかわからない、そんな志音・MAKOTOとしてふたりはその場に立っていた。

場面に合った楽曲は “様々なジャンル ”をベースにしているのも楽しめる。

初日前におこなったインタビューで RUIが 「台本をもらい、内容を知った上で場面に合うよう考えながら1つ1つの曲を作った」と 語っていたが、どの楽曲もその時の心情にピッタリと合い、観る側の舞台への共感を増してくれた。

数あるミュージカルの中でもバンドを舞台にしたものは希少で新しい。

楽曲もあえてミュージカルテイストを薄めてある。 新型コロナウィルスの蔓延により、かつて行われていたライブがなかなか開催されない状況下、少しでもライブ会場の臨場感を感じて楽しんでほしいと願うRUIをはじめとするカンパニーの思いがこめられている。

劇場では声を出しての声援などはできないが、是非久しぶりの“会場へ足を運ぶという感覚”、“ライブで得られる絶頂感”を蘇らせると同時に大きな感動に浸ってほしい。

なお、大好評の本公演、多くの “アンコール”の声に応え、プレミアムアフターLIVEの開催が決定!!(※詳細 本記事下方にあり)

志音や結弦、MAKOTOたちにまた会える!!

text & photo : Chizuru Otsuka


★MUSICAL『アンコール』公式

・HP⇒ https://musical-encore2021.amebaownd.com/

・Twitter⇒ https://twitter.com/bigupstage?s=11

★RUI公式Twitter⇒ https://twitter.com/mcreator_?s=11

韓ペンオリジナルインタビュー RUI(ex CODE-V & Niiisan’s)&内海大輔


MUSICAL『アンコール』

◆STORY ◆

不幸な境遇で育ちビッグになることを夢見るボーカル「志音」

網膜色素変性症を抱えるギタリスト「結弦」

そしてふたりに共感し共に音楽を追求するメンバーやスタッフ達が織りなす奇跡の物語

彼らの追求する命(ライブ)の先にあるものは何なのか…

◆2021年4月6日(火)~4月11日(日)

◆会場:萬劇場 (東京都豊島区北大塚2-32-22)※JR大塚駅北口より徒歩4分

◆キャスト スタッフ◆

キャスト

・志音 役

RUI (ex CODE-V & Niiisan’s)

・結弦 役

荒友哉 (スクランブルガム)

・MAKOTO 役

内海大輔

【ダブルキャスト】

陽音 役>横山瑠世(THE SIXTH LIE):Team Black

陽音 役>NARUYA:Team White

奏 役>高尾美有:Team Black

奏 役>石井日菜:Team White

黒澤 強志 役>布施紀行 :Team Black

黒澤 強志 役>田淵晃基:Team White

【シングルキャスト】

響希 役>刀根直仁(Dr)

初音 律子 役>寺田真珠

TAKUYA 役>理太

SYU 役>櫻井佑樹

REN 役>崎濱秀哉

HILOMU 役>宮城光輝(Candy Boy)

DJ AYANO>中島舞香

謎の影>阿部学(Gt)

STAFF

【音楽プロデュース】

  RUI(ex CODE-V & Niiisan’s)

【原作・演出】中野 智行(PaniCrew)

【脚本】平野 建(アフリカ座)

【脚色】DrG.YOU

【演出補】田淵晃基

【舞台監督】山田 剛史

【照明】松本 昭宏(BE NATURAL)・坂井 清美(BE NATURAL)

【音響】小幡 純樹

【衣装協力】ASIANZ

【キャスティングプロデューサー】川上 ともこ

【デスク】吉田 ゆうき

【制作】桑原 舞衣子

【協力】

株式会社エムドーン

株式会社グッドチョイスエンタテインメント

株式会社サンミュージックプロダクション

株式会社テレビ朝日ミュージック

株式会社ドリームライン

劇団ひまわり砂岡事務所

合同会社ミッシングピース

PaniCrew

 (50音順)

【主催・企画・製作】

BIG UP

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4月24日 (土)

ミュージカル『アンコール』 プレミアムアフターLIVE開催決定!

会場先行チケットは劇場で大好評発売中。

各公演販売枚数限定!

お早めに劇場物販コーナーへ

出演:

RUI

荒友哉(スクランブルガム)

内海大輔

and more

日程: 4/24(土)

場所: OMOTESANDO GROUND

時間: 15時開始 / 18時30分開始

金額: 7000円