【韓ペンオリジナルインタビュー】 ~ホ・ジノ監督~ ハン・ジミン×パク・ヒョンシクが夢の共演!『二つの光』世界初劇場公開記念!撮影エピソード、この作品で伝えたかったこと、主演2人の魅力について…

©Ho Film Co.,Ltd

2017 年、WEB 配信にて公開された短編映画『二つの光』。

この作品は『八月のクリスマス』』『四月の雪』など、大人の恋愛をテーマにした感性豊かなストーリーと繊細な演出で評価が高い韓国恋愛映画の名匠ホ・ジノ監督が手掛けた短編映画。
「愛する人を初めて見る瞬間」を、美しいピアノの旋律に乗せて描いた温かなラブストーリー。サムスン電子の視覚障害者支援 VR アプリを題材にした作品ということでも大きな話題となった。

韓国ドラマ界を代表するふたりの俳優、ハン・ジミン(「まぶしくて-私たちの輝く時間-」」「知ってるワイフ」)、そしてパク・ヒョンシク(「力の強い女ト・ボンスン」「花郎<ファラン>」)が夢の共演を果たし、ひたむきに生きる視覚障害者たちの人生と純愛を見事な演技で魅せている。

そんな美しい作品が、2022 年 5 月、日本で世界初の劇場公開されることが決定した。 5 月 13 日(金) シネマート新宿・ヒューマントラストシネマ有楽町・ヒューマントラストシネマ渋谷・シネマート心斎橋 を皮切りに全国の映画館で順次公開される。

公開に先立ち、韓ペン、および 韓流 Mpost の2社合同にて、光栄にも 名匠ホ・ジノ監督にインタビューさせていただくことが出来た。 作品について、主演二人の名優についてなど様々なお話を伺わせていただいた。 是非、ご高覧いただき、本作品に込めた監督の思い、作品の魅力を感じ、劇場でそれを確かめてほしい。

ホ・ジノ監督インタビュー

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◆映画『二つの光』では、ハン・ジミンさん、パク・ヒョンシクさんの とても感性あふれる、透明感あふれる演技が素晴らしかったのですが、この二人をこの作品にキャスティングした決め手を教えてください。

まず ハン・ジミンさんですが、いつか是非一緒に作品を撮ってみたいと思っていた俳優でした。 とてもいい感性を持っていて、多才な魅力がある俳優だと思っていたんです。 この作品では主人公の明るい面と、内面に悲しみを抱えているような面と両方を演技しなければいけなかったのですが、それがハン・ジミンさんに合っている、きっとうまく演じてくれると思い、出演をお願いしました。 パク・ヒョンシクさんはそれまでテレビドラマでは拝見していたんですが、実際に会ってみたら本当に清らかと言うか爽やかと言いますか…。 実は、実際に会うまでは、 もしかしたら ちょっと とげとげしていると言うか、ぎすぎすしたところがあるのかなぁとも思っていたのですが、全くそうではなく、本当にパワーを持っている俳優さんで、そういうところがすごくいいなと思って出演をお願いしました。

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◆視覚障害を題材にした映画を 30 分という短編映画にした理由はありますか?

最初にこの作品の依頼を受けた時、先方から短編作品にしてほしいという依頼がもともとありました。私のほうも丁度当時、短編を撮ってみたいなと思っていた矢先でしたので、本当に楽しく作業をすることが出来ました。

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◆心温まるほっこりする映画ですが、監督の一番お気に入りのシーンがあったら教えてください。

最後のほうのシーンで、パク・ヒョンシクさん演じるインスがハン・ジミンさん演じるスヨンに「見える?」って聞くと「見える。全部見える。」と答える….あのシーンが気に入っています。

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◆撮影で、印象に残っているエピソードなどがあったら教えてください。

視覚障害者のかたは目の焦点が合わないので、片側の目が片方に寄ってしまう傾向があるんですね。
ハン・ジミンさんはそれを準備して来て、片方の目だけが寄り目になるような感じで、撮影初日、現場に現れたんです。 もちろんそれ以前に私のほうからも「視覚障害者のかたは、こういう目の傾向があると思うけれど出来るかなぁ?」と話したことがあったのですが、片方だけが寄っているため片方の目だけを動かすことになるので、きっと大変だろうと思っていましたし、準備の期間も短かったので 仮にそういう演技が出来るにしても、今回の撮影に間に合わせるのは難しいのではないかと思っていたんです。 でも、本当に彼女はそれをしっかり準備して現場に来てくれました。 ただ、そうは言ったものの、この目の演技で撮影をしてしまっていいものか、私も実は悩んでしまったんですが、本人が「この演技でやりたい。」と言ってくれましたので、この演技を劇中で披露してもらいました。 そのおかげでとてもリアルな感じが出せたと思います。

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エンディングの曲は、主演のパク・ヒョンシクさんが甘美な声で歌っていて、歌詞も心に響き、とてもしっくりしていて印象的でした。 エンディング曲にもヒョンシクさんを抜擢した理由はありますか?

ヒョンシクさんの抜擢は音楽監督のアイディアだったんです。 私の作品では『八月のクリスマス』でハン・ソッキュさんが歌い、『春の日は過ぎゆく』では映画内では出てこなかったのですが、OSTにはユ・ジテさんの歌も入っているんです。 パク・ヒョンシクさんの場合は歌手ですので、エンディングの曲を頼んだらどうかと音楽監督が提案してくれて、パク・ヒョンシクさんも「いいですね!」と言ってくれました。「ハン・ソッキュさんも、ユ・ジテさんも歌っていらしたので、僕も歌います!」と、歌ってくれました。

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◆ハン・ジミンさん演じる視覚障害をもつスヨンの姿は 本当に障害があるようにしか思えず、さすがの演技でしたが、監督からは今回の撮影前にどのような助言をなさったのでしょうか?

今回は短編映画ということもあり、準備期間がとても短かったんです。 この作品は想像だけでは演技出来るものではないと思いましたので、私が事前にインタビューを通してお目にかかった視覚障害者のご夫婦に撮影前、連絡をして、私を交えて ハン・ジミンさん、パク・ヒョンシクさんと一緒にご夫婦にお会いして沢山のお話を伺いました。 その時、私は用事があり途中で中座したのですが、ハン・ジミンさん、パク・ヒョンシクさんはその日その場に残り、ご夫婦はどうやって知り合ったのか、そしてお互いがどんな恋愛感情を持っていたのか…そんなお話やエピソードを沢山伺ったそうです。 それがおそらく 演技をする上での助けになったのではないかと思います。

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◆ヒョンシクさんは 繊細なまなざしの演技がいつもとてもすてきですが、 この作品では 視力が悪くなっていくにしたがって インスの瞳の方向が微妙にかわっていったように見えました。今回撮影していく中で監督が感じた俳優 ヒョンシクさんの魅力はどのようなところでしょう?

パク・ヒョンシクさんはとても賢明な俳優だと思いました。彼はこの作品に出るまで、映画の経験は少なかったのですが、これまで映画に出演し主人公を演じて来た他の俳優さんたちと全く変わらない姿勢でこの作品に取り組んでくれましたし、本当に才能豊かな俳優だと思いました。 見ているだけでも気分が良くなって、こちらまで清らかな気持ちにさせてくれる俳優だと感じました。 彼がカメラの前に立つと、男性スタッフも含め 全ての人たちの心が洗われるような….本当にいいエネルギーを持った俳優ですね。

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◆この映画の中で視覚障害のかたたちが写真を撮る活動をおこなうシーンがあり、ちょっとびっくりしました。 また、アロマセラピストやピアノの調律など 視覚障害があるからこそ 研ぎ澄まされた感覚が活かされる姿を描いていてとてもすてきでした。 反対に、すれちがった老婆がスヨンを優しさからあわれむことで スヨンが戸惑うシーンをみて、障害を持つかたをこちらが へんに意識するのではなく自然に普通に接するのが一番なのだと改めて感じました。 この作品では障害を抱える人たちが自分の人生を、すごく生き生きと前向きに過ごす様子が描かれていましたが、監督がこの作品を通し一番伝えたかったメッセージはどんなことでしょう?

私が以前 視覚障害者のかたがたにインタビューをして感じたのは、皆さん冗談もよく言うし、とにかく明るいんですね。 そういう姿を知り、それが映画の中にも描写されたらいいなと思っていました。 視覚障害者のかたたちは、障害を抱えてはいるけれど、とても明るくてポジティブな気持ちを持って生活している…そんな物語を作りたいと思いました。

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◆韓国でオンラインにて公開され、愛された映画が、日本で世界初のスクリーン上映になる感想をお聞かせください。

日本で劇場公開していただけると聞いた時は、「世の中にはこんなこともあるんだなぁ」と思って、本当に嬉しかったです。 そしてパク・ヒョンシクさんにも電話をして伝えたところ「いやぁ、こんなこともあるんですねぇ」と、彼もとても喜んでくれました。 そしてハン・ジミンさんにはメールを通してメッセージを伝えたのですが、やはりとても嬉しいと喜んでいました。 韓国では叶わなかった劇場公開ですが、今回日本で出来ることになり、僕も本当に嬉しく思っています。

◆日本でこれから この映画を観るかたへメッセージがあればお願いします。

この『二つの光』という作品は視覚障害者のかたたちの人生が描かれているのですが、障害者というと とかく暗いだろうとか非常につらい人生を送っていると思われがちです。でも、この映画ではとても明るく、ポジティブな姿を描いています。 今現在はコロナ禍で 誰もが非常に憂鬱になってしまう状況の中に置かれていると思いますが、この作品を観て、日本の皆さんにとって少しでも癒しになってくれたら嬉しいです。 本当にありがとうございます。

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◆次回作の計画はありますか?

今現在、映画を準備しています。 ふたりの兄弟が登場する“家族・家庭を描いた物語”になります。今年中には撮影に入る予定です。

◆監督は中国でも映画を撮られていますが、日本で撮るとしたら、どのような作品をどのようなキャストで撮ってみたいですか?

実は以前から日本で何か作品を撮ってみたいなと考えていました。 日本には素晴らしい小説や原作が沢山あると聞いていますので、そのような作品を題材として何か映画を撮れたらいいなと思います。日本にはいい俳優さんたちが沢山いるので、一緒に作品を撮ってみたいと思うかたが本当に多いです。

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◆監督が 映画の世界に夢中になり、かかわっていきたいと考えたのは いつ、どんなきっかけですか?

私は、“韓国映画アカデミー”というところで、初めて映画を学んだのですが、そこで卒業作品を作った際、もともと怠け者の性格だった私が その時はすごく真面目にマメな人間になれたんです(笑) それで、これだったら自分の仕事にしてもいいのではないかと考えたんです。

◆韓国映画アカデミーには、どうして入ろうと考えたのですか?

漠然と映像に関する仕事に就きたいと考えていたんです。 映画監督という仕事はその時の自分にとってはかなり遠い存在、遠い話だと思っていましたので、とにかく何か映像に関わる仕事がしたいと考え、アカデミーに入りました。 なので最初から映画監督になろうと思って入ったわけではないんです。

◆毎回 作品を撮る時、監督が一番 こだわる部分は どんなところでしょう?

自分が今撮ろうとしている物語が現実に基づいているか、リアルさがあるのか、蓋然性があるのか…そういったことをいつも考えながら作っています。

◆作品を撮影する過程では 思うようにうまく進まないこともあるかと思います。 そんな時は どのようにして気分を変えて撮影に臨みますか?

たしかに撮影現場ってつらい状況も多いんです。 例えば寒かったり、なかなか眠ることが出来ないとか、様々な状況もあるのですが、そういう時には「この現場が一番幸せなんだ」と思うようにしています。 もちろん早く休みたいなと思うこともあるのですが、あとで振り返ってみたら そういう気持ちよりも やはり撮影していた時が一番幸せなんだと思うので、そんな風に気持ちを切り替えてつらい状況でも乗り越えるようにしています。

◆恋愛映画の名手と言われる監督ですが、ご自身の過去の恋愛経験を活かすこともあるのでしょうか?

作品を作る時はいつもなのですが、シナリオを書きながら、一緒に作業してくれるシナリオ作家のかたや助監督とかと話し合いを重ねて作っていくんです。 そんな中で、それぞれの経験談などを聞いてエピソードとして入れることがあります。

◆今後 描いてみたい愛のカタチは??

まだ具体的に決めてはいないのですが、恋愛映画が持っている面白さってあると思うんです。今回『二つの光』を撮った時にも本当に楽しく撮れましたので、僕の心の中で温めている“明るくて楽しい恋愛映画”を撮ってみたいなと思います。

◆監督の作品には今回の『二つの光』そして『八月のクリスマス』『四月の雪』『五感度』『20 のアイデンティティ』など タイトルに数字がついたものが多いですが、監督ご自身、好きな数字はありますか?その理由も教えてください。

そうですね。僕は「8」が好きです。 僕の誕生日が 8 月 8 日ということもあって 「8」が好きです。はちはちです(笑)

◆最後に、現在 映画をはじめドラマ、K-POP など、韓国の芸術文化が日本や世界各国で注目を浴びていますが、このような状況について、監督はどのように感じていますか?

私自身が 1998 年頃に 『八月のクリスマス』を作り、日本に初めて来たのですが、その当時の韓国映画や音楽に寄せられる関心に比べると今はさらに沢山の関心を寄せてもらっていると思います。その理由は、ハッキリはわからないですが、韓国の芸術文化の“新しさもありながら普遍性も兼ね備えた面白さ”から来るものなのかなと思っています。 そういったところに皆さんが関心を持ってくださっているのではないかと思っています。

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ホ・ジノ監督は一流俳優たちと数々の大ヒット作品を撮って来た韓国映画界の名匠のひとりにもかかわらず、とても気さくに丁寧に質問に答えてくれた。 柔らかな口調で、言葉の1つ 1 つを大事にしながら語る様子は、ホ・ジノ監督作品に相通じるものがある。
韓国で配信にて上映されたこの作品が、5 年という時を経て、思ってもいなかった海外・日本で世界初の劇場公開になることを本当に心から喜んでいた。 『八月のクリスマス』『四月の雪』をはじめ、多くの人たちの心に深い印象と感動を残すホ・ジノ監督の数々の長編作品とは また ひと味違った味わいを楽しむことが出来る短編映画『二つの光』。 30 分という短い尺ではあるが、作品に関わる全ての人の“熱い思い”と、“伝えたいこと”がぎゅっと詰め込まれている。 この映画の中には ”人間の優しさ、そして苦境にも決して負けない心の強さ”が 描かれている。 健常者であろうと障害を抱える人であろうと、どんな困難も 前向きに明るく受け止めることで、それを楽しむことも出来る。 強く生きることが出来る。
また、この作品ではハン・ジミン演じるスヨンと パク・ヒョンシク演じるインスが、お互いに恋心を抱き、少しずつふたりの距離が近くなっていく様子がとても可愛らしく描かれている。 初々しさ、清らかさにキュンキュンさせられるはずだ。
『二つの光』は、ハン・ジミン、パク・ヒョンシク、そして周りを固める俳優たちの見事な演技で視覚障害者のかたたちがどのように考え、どのように過ごしているのかを知ることが出来る。 とにかく美しく、とにかく温かい 『二つの光』を劇場の大きなスクリーンで観て、その世界に浸ってほしい。役者たちの素晴らしい目の演技を大きなスクリーンで確認してほしい。
映画のエンドロールではパク・ヒョンシクの透き通るような歌声がさらに感動を深めてくれる。 この映画はエンドロールが終わるまで絶対に席を立たないでほしい。 最後の最後に何か起こるかも!

Text : Chizuru Otsuka

photo : 全て配給会社より提供(©Ho Film Co.,Ltd)


映画『二つの光』日本版予告編解禁☆世界初の感動の<スクリーン上映>決定!

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ハン・ジミンによる日本公開への喜びのコメント動画

【作品概要】

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短編映画『二つの光』

✴2022 年 世界初の感動のスクリーン上映決定!!
✴『八月のクリスマス』『四月の雪』の韓国恋愛映画の名匠ホ・ジノ監督最新作
✴「まぶしくて」「知ってるワイフ」韓国ドラマ界のラブコメ女王、ハン・ジミン
✴「花郎<ファラン>」「力の強い女ト・ボンスン」韓流のプリンス、パク・ヒョンシク
✴”何度も繰り返し観たくなる”温かな珠玉のラブストーリー。

<ストーリー>

この恋、見えますか?
消えゆく世界で君に恋をした。
見えない二人の不器用な恋が始まる

「愛する人を初めて見る瞬間」を美しいピアノの旋律に乗せて描いた温かなラブストーリー。
徐々に視力を失っていくピアノ調律師インス(パク・ヒョンシク)は、視覚障害を持つアロマセラピストのスヨン(ハン・ジミン)と、写真同好会で出会う。 何事にも前向なスヨンと悲観的なインスだったが、次第に二人は惹かれあっていく。 気持ちを率直に伝えるスヨンに対して、背を向けてしまう孤独なインス。やがて、些細な言葉がすれ違いを生んでしまい・・・

監督:ホ・ジノ『八月のクリスマス』『四月の雪』

出演:ハン・ジミン 「まぶしくて-私たちの輝く時間-」「知ってるワイフ」
パク・ヒョンシク 「力の強い女ト・ボンスン」「花郎<ファラン>」

2017 年韓国/韓国語/30 分/カラー/5.1ch

原題:두개의 빛:릴루미노 / 英題:two lights:relumino
字幕翻訳:石井絹香
配給協力:ブリッジヘッド/ 配給・提供・宣伝:ハルシネマ
©HoFilm Co.,Ltd

◆公式サイト: https://two-lights.themedia.jp
◆ハルシネマ 公式 Twitter @harucine1015

<公開劇場情報>

✴5 月 13 日(金)より公開
東京:シネマート新宿
東京:ヒューマントラストシネマ有楽町
東京:ヒューマントラストシネマ渋谷
大阪:シネマート心斎橋

✴6 月 10 日(金)より公開
名古屋:センチュリーシネマ
札幌:サツゲキ

✴6 月 17 日(金)より公開
福岡:KBC シネマ

✴公開決定!
仙台:フォーラム仙台
山形:フォーラム山形

詳細はコチラ⇒ ◆公式サイト: https://two-lights.themedia.jp