【オフィシャルインタビュー】~映画『ラブリセット 30日後、離婚します』 カン・ハヌル&チョン・ソミン~ 2023年韓国ラブコメ映画興収 NO.1!3月29日より待望の全国公開を前に主演2人のボリュームたっぷりなインタビューが到着!

©CINEMA WOOLLIM, TH STORY AND MINDMARK

2023年韓国ラブコメ映画興収 NO.1

世界を席巻するエンターテインメント大国の韓国で、2023年公開ラブコメ映画の興行収入No.1を記録した大ヒット映画『ラブリセット 30日後、離婚します』(原題:30일)が、いよいよ3月29日(金)より丸の内ピカデリーほかにて全国公開される。

映画みたいな恋をして結婚したにも関わらず、価値観の違いで離婚を30日後に控えた夫婦が、交通事故で二人が同時に記憶を失ったことで繰り広げられる、テンポよくお互いをディスり合う、最高に笑えるラブコメディー!

主演はドラマ「椿の花咲く頃」やNetflixのオリジナルドラマ「イカゲーム2」への出演決定などで注目を集め、本作でも「第10回韓国映画制作家協会賞」の主演男優賞を受賞するなど大人気の俳優カン・ハヌルと、映画「オオカミ狩り」、「還魂」などに出演、視聴者の心を掴んで離さない、繊細で安定感のある彼女の演技に日本でも多くのファンを持つ実力派俳優のチョン・ソミン

映画「二十歳」で共演した二人が8年ぶりに共演し、息の合った掛け合いを見せた本作は、昨年10月3日に公開され初日から22日間連続で興行収入1位を獲得、公開から35日で観客動員数が200万人を超える大ヒットを記録!!

日本のファンからも公開を待ち望まれた超話題作『ラブリセット 30日後、離婚します』の公開を前に主演のカン・ハヌル、チョン・ソミンの2人へのオフィシャルインタビューが到着。

作品について、この作品のテーマである「結婚」について、久しぶりの共演についてなど大変興味深い内容となっている。是非映画館に足を運ぶ前に、インタビューから主演2人の作品への思いを感じて欲しい。 尚、主演2人はもちろん全キャストの輝く演技で 抱腹絶倒の面白さ!『ラブリセット 30日後、離婚します』3月29日(金)より丸の内ピカデリーほかにて全国公開


【オフィシャルインタビュー】

カン・ハヌル

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  • 『ラブリセット 30日後、離婚します』への出演を決めた理由は?

作品を選ぶ時は、ただ台本だけを見ます。座ったその場所で最初から最後まで一気に読めたら、その作品を選ぶんです。今回、チョ・ミンスさんが、「作品を選ぶ時は、監督のことも調べて、以前の作品のスタイルや、一緒に仕事をするスタッフのこともきちんと調べておくと、自分の力をうまく発揮できる」と助言してくれました。100%そのとおりですし、いい言葉です。でも僕にとっては当てはまらないことです。僕は、まず台本だけを見るんです。ただ台本だけ。その監督の以前の作品などは気にしません。この脚本が面白ければ出演を決めるんです。それだけです。

  • 今回演じたジョンヨルという役柄を、どうやって作り上げていきましたか。

交通事故のシーンを撮影する時、事故の前までのつながりに空白ができたので、僕とソミンさんとで作りました。僕は友達といる時、よく互いの言葉をまねして言ったりしますが、それがこんなに憎たらしいと思いませんでしたよ。コメディーだからより難しいというわけではありません。僕の演技は、いつも難しいんです。コメディーの時は、監督と話すことが多いですね。コメディーはタイミングによって左右されることがあります。あと1秒長く見せるかどうかで笑えるかどうかが決まります。それは監督の判断です。だから監督のスタイルをキャッチして演じるんです。僕は『デッドプール』や『ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い』といったユーモアが好きなんですが、そういう部分が監督と合っていてよかったです。僕が関わる作品のほとんどが、現場で作り上げられていく場合が多いですね。台本に書かれているものも多くありますが、現場に行くといろいろ変わるんです。いくら考えてから行ったとしても、撮影現場に着いてみると動線が変わったり小道具が変わったりします。現場の状況によって変わるしかないんです。撮影現場に行く時は基本的な枠組みとセリフを考えて行き、そこから作り上げていくほうです。

  • 今回の作品で演じながら、結婚についての見方が変わりましたか?

ジョンヨルを演じて、結婚について特に別の見方をするようになったとか、あるいは深く考えるようになったとか、そういうことはありません。ただ僕の周りの結婚した友達のさまざまな姿を思い浮かべました。僕の周りにいる友達は、大部分が結婚しているんですが、変わらず仲よく幸せに暮らしている人もいれば、反対に夫婦ゲンカについて僕に相談する友達もいます。今回の作品で演じながら思ったことは、「出会うべき人は、何があっても出会うものだ」ということです。でも僕だったら、別れた恋人と再び交際することはできないと思います。もし2人とも記憶喪失になっていたらできるかもしれませんけどね。(笑)

  • コメディーは初挑戦だったと思いますが、プレッシャーはありましたか?

他のジャンルよりも、特にコメディーに力を入れるわけではありません。ただ負担になるほどハンサムな役ではなかったし、顔の筋肉もうまく使えて口も大きいのはメリットだと思います。(韓国では)「笑った顔には唾を吐けない」ということわざがありますが、それを信じていますので、ふだんからよく笑ってますし、撮影現場でもいつも楽しい雰囲気を作ろうとしています。

  • 結婚の経験がないのに、離婚を目前にした状況を演じることは難しくありませんでしたか?

もう少し若かったら、夫婦役を演じるのは、もっと難しかったと思います。今は結婚した友達が周りにも多いし、仲よく楽しく暮らしている友達も、毎日ケンカして僕に相談する友達もいるし……。結婚というものが、ある程度、僕の生活に近くなった気がしています。聞こうとしなくても聞こえてくる話がたくさんあるので、結婚生活について特に聞かなくても分かりました。

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  • チョン・ソミンさんと2回目の共演ですが、感慨深かったのでは?

イ・ビョンホン監督の映画『二十歳(ハタチ)』のあと、2回目の共演です。今回会った時、以前とは違って、チョン・ソミンさんから経験による余裕を感じることができました。僕は「どたばた」という感じがあるんですが、チョン・ソミンさんは落ち着いてるんです。演技をする時も、ふだんも、落ち着きから来る安定感がありました。見ている人を不安にさせないところがステキだと思います。

  • 周りの人を思いやることで有名なため、「美談製造機」というニックネームがありますね。そのニックネームについてどう思いますか?

いつもそんなに「いい人」というわけではありません。ただインタビューであれ撮影であれ、せっかく時間を割いて会う場ですから、しかめっ面をすることなく、笑顔で過ごして別れるほうがいいと思うんです。誰かにとって「一緒にいたい人」になりたいと思ってます。

自分ではそんなに「いい人」だとは思ってません。(笑)ただ現場に行く時の目標は1つです。みんなが時間を割いて会うわけですから、それが笑顔の時間だったらいいじゃないですか。そんな気持ちで生きています。そういう姿を人々が気軽に「いい人」と言ってくださるのだと思いますが、僕は「いい人」というよりも一緒にいると楽しい人でありたいと思ってます。また他にもみんなが誤解しているのは、よく「我慢すると病気になる」と言われるんです。僕は我慢してるわけじゃないのに、誤解している人が多いんですよ。僕はただ、あまり感情が揺れないほうなんです。想定外のことが起こると、むしろ楽しいと思えるし、「こうなるのか」という面白みがあると思います。完璧主義者じゃないというだけですよ。「いちいちうるさくない子」というだけですね。多くの方が僕のそんな部分を好意的に見てくださるのだと思います。

  • 結婚生活をしたことがないのに、離婚する夫婦を演じましたね。難しくありませんでしたか。

若かったら、どうしていいか分からなかったでしょう。今は周りにも結婚した人が大勢います。仲よく暮らしている友達もいれば、しょっちゅうケンカして僕に相談する友達もいるので、ある程度、結婚というものが、僕の生活に近くなっています。結婚生活についてとてもたくさんの話を聞いたので、改めて聞かなくても分かりました。1人で暮らしている期間がとても長いせいか、特に恋愛が必要だとは思っていません。自分だけのルーチンができてしまったんです。もちろん運命の人が現れたら変わるかもしれませんけど。

  • 2015年に公開された『二十歳(ハタチ)』以来、チョン・ソミンさんと再会して、さらに強力な相性、ケミストリーを披露しましたが、再会した感想は?

『二十歳(ハタチ)』の時よりも『ラブリセット』で感じたことは、ソミンさんが現場で余裕と年輪を重ねたということです。僕もそう思われるかなと、ソミンさんを見ながら思いました。僕が「どたばた」とした感じなら、ソミンさんには落ち着きから来る安定感がありステキだと思います。『二十歳(ハタチ)』の時より確実に仲よくなった気がします。あの時は、どうしてもメインとなる内容にキム・ウビンさんとジュノさんのシーンが多かったので、そこまで親しくはなれなかったんです。今回の作品では、互いのスタイルもよく分かりました。最近MBTIがはやってますが、ソミンさんはMBTIの天才なんです。そんな話をしながら親しくなりました。

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  • 映画が公開された感想は?

公開へのプレッシャーよりも、早く両親に見せたいという思いが強かったですね。作品を少しずつ重ねていくほど、その作品が成功したかどうかを見るよりも、ずっと純粋になっていくようです。

  • 夫婦の話なので、ご両親に見せたいという思いも大きかったのでしょうか?

まだ結婚したいという思いが強くないので、そんなことよりも、ソミンさんと楽しく愉快に撮影をしたので見せかったんだと思います。

  • 今は未婚ですが、『ラブリセット』に共感する部分がありましたか?

一緒に暮らせば、こういう問題があるんだろうなと思いました。僕は1人暮らしが長いので、やはり1人の時間が楽なんです。この作品で演じながら、誰かと一緒にいたら、続けて気を配らなければならない部分があるんだなと思いました。

  • 結婚に対する夢が壊れたのでは?

すべての夫婦がそうだというわけじゃありませんからね(笑)。幸せに楽しく暮らしてる夫婦もたくさんいます。

  • ハヌルさんのご家族も和やかですか?

母と父を見て思ったのは、2人はそれぞれの時間を尊重していたのだろうということです。結婚したことはありませんが、恋愛をするとそれが一番難しいんです。両親の暮らしを見て、僕もああいうふうに暮らせたらいいなと思ったことがあります。

  • 結婚に対する思いが、そんなに強くない理由は?

野望があるからというわけではなく、運命の人に出会っていないという理由が大きいでしょうね。もっと仕事をしたいというよりも…。生きていれば結婚したいと思う相手が現れると言いますが、まだ現れていないようです。

  • 出演する作品を選ぶ基準があれば教えてください。

作品を選ぶ基準は1つです。座った所で一気に読み終えたら出演します。ジンクスといえば、ジンクスなんでしょうね。何と表現すべきか分からないんですが、一気に読んだ台本には出演しています。だから運命だと思うんです。『ラブリセット』も、そうやって出会った作品でした。台本はある程度の骨格だと思いますが、それが面白くまとまっているので、「この作品は撮影でいろいろなアイデアが加われば、もっと面白そう」と思って出演を決めました。僕はただ台本に忠実に演じることだけが、俳優のすべきことだと思うんです。それが俳優の仕事だと思います。前作ではこういう姿を見せたから、今度はこうしなきゃとか、そういう作戦を立てられる頭がないんですよ(笑)。前の役と重なって見えるかもしれないけれど、別のストーリーを伝えるのが優先ではないかと思ってます。そして出演が決まったらそれを忠実にこなす。この作品が伝えたいことをどうやったらうまく生かせるかを考えるんです。それが俳優のすべき仕事ではないかと思います。

  • 2007年にデビューして以来、ドラマやスクリーン、演劇まで、ジャンルを超えて走り続けてきましたね。俳優としての欲よりも「ただ役柄として見られたい」と語るハヌルさんにとって、休む間もないほどの時間を支えてきた原動力があるとすれば何ですか?

特に原動力はありません。ただ僕にも休暇は必要です。あるかもしれない休暇のために働いているようなものです(笑)。演技することがとても好きだから作品を続けていると思われる方もいらっしゃるでしょうが、それよりも僕は本当に運がよかったケースだと思うんです。謙遜して言っているわけじゃなく、本当です。運がよくて、こうやって途切れることなく作品を続けているんだな、僕には運があるんだなと思っています。

  • グローバルヒット作となったNetflixシリーズ『イカゲーム』のシーズン2に出演することになった感想は?

感謝していますし、楽しくなりそうです。僕にとって『イカゲーム』が『ラブリセット』より重要というわけではありません。どの作品も同じように意味のある作品です。


チョン・ソミン

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  • 映画について記憶に残っている反応は?

「最近見た映画の中で、一番たくさん笑いながら見た」という話をたくさん聞きました。

  • 大胆なコメディーは久しぶりでは?

コメディ自体は、まったく初めてというわけではありません。『サウンド・オブ・ハート』もコメディーでしたし、今までの作品の中にもコメディーはありましたが、完全にコメディーをメインにした作品は久しぶりでした。

  • コミカルな演技について、どれくらい満足していますか?

いつだって自分がしたすべてのことに、満足することはありません。(自分の演技に対する)反応を自分から探して読むわけではありませんが、ファンサイトにはよく行くので、そこの書き込みを見ました。

  • 出演のオファーを受けた時、どんな気持ちでそれを受けましたか?

いつも作品を選ぶ時に最も重要視していることは、台本がスッと読めるかどうかです。『ラブリセット』は、テンポが速く楽しく読むことができました。楽しくできそうだと思える作品だったんです。「このセリフをこうやって言ってみたい」と考えたりしました。台本を読みながらそれが思い描けるので、出演するしかありませんでした。

  • もともとコメディーは好きですか。なかなか挑戦しにくいジャンルでは?

実は見るとしたらジャンルを問わず何でも好きです。演じるのも台本が面白ければ迷うことはありません。

  • それでも不安だったシーンはありませんか?

撮影現場で驚いたのは、ジョンヨルとのバーでのラブシーンです。演じながら、こんなに強烈だったかと戸惑いもしました。台本には簡単に「激しく」と書いてあるだけだったんですが、現場に行ってみるとジョンヨルは平然と激しくしていて、だからより強烈だと思った気がします。

  • 『二十歳(ハタチ)』以降、カン・ハヌルさんと8年ぶりの再会でしたね。

前は「20歳」で、今回は「30日」とは、数字的にも世界観がつながっているような気がしました。それに実際に当時は2人とも20代で、今は30代になって会ったわけですから、さらに不思議でした。

  • 同じ俳優と再び共演することのメリットは?

前作と同じように見えてしまうのではないかと心配したことはありませんでした。その時も現場の雰囲気はとてもよかったんです。実際に同年代の仲間たちでしたし、あの時は若者たちが集まって楽しく撮影した感じだったとしたら、今は互いに余裕もできて経験も積んだので、別の意味でもっと楽にできた気がします。話せることの幅も広かったし…。撮影時に相手役に会うと、互いに慣れる時間や会話をする時間が必要なんですが、そんな過程が省略できたことが仕事をするうえでは効率的でした。

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  • なりふり構わずコミカルな演技をしたにもかかわらず、今回の作品では特にきれいになったという反応が多いですね。

周りから「監督に感謝しないといけない」と言われましたよ。どのシーンのことだろうと思っていましたが、実際に見て分かりました。監督が俳優1人1人を愛情たっぷり撮影してくださったこともありますが、編集の時も愛情を込めてくださったんだと思います。ありがとうございます。

  • 結婚について扱った『ラブリセット』ですが、撮影後に変わったことはありますか?

この作品の撮影前は、「結婚することになればするし、しないこともある」と、そんなふうにオープンな気持ちで考えていたんです。実際に演じてみて、異なった2人が出会い、互いを認めて受け入れ合うという関係は、やはり簡単ではないと思いました。それをしている人がすごいと思います。

  • 結婚したいと思ったシーンはありませんでしたか?

2人の仲がいい時は、一緒に夜食の出前を取って食べたり、おしゃべりをしたり、こういうことが楽しいかもしれないと思いました。

  • 『ラブリセット』は、チョン・ソミンさんとカン・ハヌルさん以外にも、魅力的なポイントがたくさんある映画です。親友役で出たソン・ヘナさんやオム・ジユンさんとの友達としての相性はどうでしたか。

最初の撮影が、ヘナさんとジユンさんとの撮影でした。お二人も現場に慣れていなかったはずなのに、全然、それを感じさせないほどで、映画も初めてなのに慣れた感じでやってくださり驚きましたし、とても感謝してます。私もお二人のファンなんです。ギョンホさんも上手で、すごいと思います。登場するだけで笑えるんです。感心しながら見ていました。

  • カン・ハヌルさんと2つの作品で共演して、関係において変化した部分はありますか?

撮る前とあとで変わりました。『二十歳(ハタチ)』が終わったあとは、親しいけれど妙な距離感があったんです。互いを尊重し、ほのぼのとした関係で終わりました。「元気だった?」と言いながら互いに配慮しながら接する感じでした。でもこの映画を撮影したあとは、本当に同性の友達のような感じになりました。気楽さがあるんです。高校の時から親しかったかのような感じとでも言いますか。互いに悪口も言えるくらい親しくなったところがあります。私はからかわれることには慣れてるけど、自分がからかうのには慣れてないんですが、ハヌルさんは「からかいがい」があります。からかい合うのが楽しいと思いながら過ごせる間柄です。

  • ナム・デジュン監督とは『色男ホ・セク』以来、2回目の作品ですね。

信頼があったからこそできたことだと思います。監督に感謝していることの1つは、現場の雰囲気をとてもよくしてくださるという部分です。『色男ホ・セク』の時も現場に行くのが楽しかったんです。それは監督が雰囲気をコントロールしてくださらなければできないことですし、基本的に人に対して温かい心を持っていらっしゃる方なんです。その力が1日1日と積み重なることで、どれほど大きくなるかを知っているので、今回の作品でも、すごく励みになりました。

  • 『二十歳(ハタチ)』のイ・ビョンホン監督、『ラブリセット』のナム・デジュン監督は、コメディーに取り組むうえでどんな違いがありますか?

実際にお二人は親しいそうです。ふだんから共通点が多いですね。二人とも笑うのが好きで、人を笑わせることが好きな方たちです。だからコメディーを書くのでしょう。ナム・デジュン監督は、コメディーに対して本当に本気です。

  • 上半期(訳注2023年上半期)には、演劇『恋におちたシェイクスピア』の公演もありました。俳優人生において特別な経験になったことでしょう。

演劇公演は、学校での公演以外では初めてでした。演技面で助けになったこともありますが、私の人生に大きな幸せをもたらしてくれたと思います。公演をしていて、改めて「演技をしていてよかった」と思える瞬間がありました。ステキな人たちから受けるエネルギーは、これほど大きいのだと感じました。舞台でしか感じられない喜びと幸せとはこういうものなんだなと思います。終始、すべての瞬間が幸せで、また舞台に立ちたいと思うほどでした。試写会にも公演をした仲間の俳優たちが20人も来てくれたんです。実家の家族が来てくれた感じで、感動しました。作品が終わったら、誰かの別の作品を見に来るということはなかなか難しいことなので、とてもありがたかったです。みんな忙しい中で来てくださって、ソンチョルさんは見に来る予定でしたが来られなかったので、打ち上げに来てくださいました。1人だけ映画の内容も分からないのに来てくださったことに、とても感謝しています。ユジョンさんも撮影のために来られないところでしたが、キャンセルされるとすぐに来てくださったんです。

  • 『ラブリセット』以降、コメディーのイメージが固まってしまわないかという不安はありませんか?

そういう不安はありませんね。どんなジャンルをしても、イメージが固まるという心配は、まだしたことがありません。その時その時、選択をして、そこに最善を尽くして、また次に来る作品も同じようにするわけですし、だからそういう不安はありません。

  • 『ラブリセット』ならではの魅力は何ですか?

何も考えず、すべてを捨ててリラックスして見ることができる映画というのが最大のメリットだと思います。私たちの人生の中で、たとえ2時間でもリラックスして笑える日はそう多くないと思いますから、そういう意味では、最大の強みではないかなと思います。

  • 『ラブリセット』の役ナラのどんな点に惹かれますか?

大抵の場合、私が惹かれる役柄は能動的で主体的な人物です。ナラはそういう部分が極めて大きい役柄のため楽しかったです。そういう人物を演じる時、特に面白さを感じるし、実際にも、そういう人に惹かれることもあります。

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  • 演技のため、どのようにして役柄の分析をしましたか?

役柄を作り上げていくために、勝手にMBTI(性格診断テスト)を当てはめてみたりしました。私がナラに当てはめたMBTIのタイプはESTP型で、実際の私とは正反対です。ジョンヨルはISFJ型です。ジョンヨルはきちんとしていて自己管理するタイプです。行動パターンを見ても「明日はこういう予定があるから、今はこれをして寝よう」というスタイルなんです。ナラは家の中を散らかしていることだけでも分かるように、決して計画的ではないと思いました。即興的、衝動的だと思いました(笑)。

  • コミカルな演技がプレッシャーではありませんでしたか?

自分を崩す演技をするという概念そのものを考えたことがありません。自分が考えるナラのキャラクターがあり、そのキャラクターがある状況に遭遇した時、それらしく見えるかどうかだけを考えました。監督がひと言でまとめてくれましたよ。私たちの映画は、「ラブコメディー」と呼ぶには無理があるって。「コメディー・ラブストーリー」という定義をしてくれたんです。コメディー要素がずっと大きいということを明確に認識して現実的な部分に焦点を当てたので、ファンタジーっぽくロマンチックな雰囲気よりも、現実的でおかしくも悲しい状況が多かったです。

  • 今回の映画でカン・ハヌルさんとの共演はいかがでしたか?

互いにコミュニケーションを取る方法をつかむまでの時間を省略することができたので、あうんの呼吸だったと言えると思います。それがより大胆に気楽に演じられた秘訣です。(大胆なラブシーンは)互いに恥ずかしくないふりをしてやっていました。『二十歳(ハタチ)』の時は、ほのぼのとした親密さでしたが、今は本当の友達のように感じられます。

  • 出演する作品を選ぶ基準は?

何でもかんでもやるという感じでは選びません。台本を読んだ時にピンとくるものがあれば選び、選んだ作品に最善を尽くすようにしています。

  • カン・ハヌルさんとの撮影で最も記憶に残っているシーンは何ですか?

私が吐くのを見つめているカン・ハヌルさんの表情が一番印象に残っています。現場でもそのシーンが好きでした。酔っ払って吐くのを見たハヌルさんの表情が、ちょっぴり怒っているシーズーのようでした。その表情がよかったんです。


【カン・ハヌル プロフィール】

1990年2月21日 韓国釜山出身『La vida』や『スリルミー』など数々のミュージカルの公演を経験し、ミュージカルのアイドルと呼ばれ人気を博す。2014年に韓国で社会現象を呼んだドラマ『ミセン-未生-』では、エリート意識の高いチャン・ベッキ役を演じブレイクを果たす。
除隊後の復帰作として、2019年放送のドラマ『椿の花咲く頃』に出演。第56回百想芸術大賞男性最優秀演技賞を受賞した。
2022年11月に日本で初のファンミーティングが開催され、2023年4月には2回目のファンミーティングを行うなど、日本でも多くのファンを魅了している。

【チョン・ソミン プロフィール】

1989年3月16日生まれ。韓国ソウル出身 2010年にドラマ『赤と黒』(原題:『悪い男』)でデビュー後、日本の大人気漫画をドラマ化した『イタズラなKiss』のヒロインに新人でありながらも大抜擢。その後は、『空から降る一億の星』、『ゴールデンスランバー』、『色男ホ・セク』など、数々のドラマ・映画に出演、大手企業の広告モデルを務めたりと、デビューから現在に至るまで変わらない活躍を続けている。

【ナム・テジュン監督 プロフィール】

2016年公開の、筋萎縮性側索硬化症(ALS)を患っている男子高校生の最後の願いを叶えるために親友2人が奮闘する、韓国コメディ映画『偉大な願い』で初の長編映画を演出。
また、2019年公開の人気K-POPグループ“2PM”のイ・ジュノが嬌艶な“男妓生”役を演じたロマンス史劇、「色男ホ・セク」でも監督、脚本を務め話題となった。


【作品概要】『ラブリセット 30日後、離婚します』

知的でイケメンだがどんくさいノ・ジョンヨル(カン・ハヌル)と、誰もが羨む家柄とキャリアはあるが破天荒なホン・ナラ(チョ ン・ソミン)。映画のような大恋愛をして結婚したが、お互いの価値観の違いに耐え切れなくなり、二人は遂に離婚を決意 する。裁判所の調停で熟慮期間を経た30日後に離婚することが決まるが、その帰り道に交通事故に遭い記憶喪失に! 愛した記憶も憎しみ合った記憶も全てがキレイに消え去った二人には、家族や友人を巻き込み記憶を取り戻そうとするが ……。果たしてこの夫婦、一体どうなる?

タイトル:『ラブリセット 30日後、離婚します』
    
公開:2024年3月29日(金)丸の内ピカデリーほかにて全国公開
出演者:カン・ハヌル(「椿の花咲く頃」「イカゲーム2」『ミッドナイト・ランナー』)
チョン・ソミン(『オオカミ狩り』「還魂」)
監督: ナム・デジュン(『偉大な願い』『色男ホ・セク』)
韓国映画/カラー/ヴィスタサイズ/5.1chデジタル/119分 
原題:『30일』 英題:『LOVE RESET』
本国公開日:2023年10月3日
製作プロダクション:CINEMA WOOLLIM
翻訳:福留友子
提供:楽天 
配給:松竹  
コピーライト:©CINEMA WOOLLIM, TH STORY AND MINDMARK
映倫区分:G公式サイト: https://www.rakuten-ipcontent.com/lovereset/
公式 X: https://x.com/Rakuten_Youga (@Rakuten_Youga)