韓国大ヒットメーカーのスタッフ&キャストが結集し、本国で大きな話題を呼んだ映画『マイ・スイート・ハニー』(原題:달짝지근해:7510)が、いよいよ5月3日(金)より丸ノ内ピカデリーほかにて全国公開になった。
本作は、仕事中毒の製菓会社研究員チャ・チホ45歳が、何事にもポジティブな41歳のシングルマザーのイ・イルヨンと出会ったことで、初めて恋を知る物語。「タクシー運転手~約束は海を越えて~」「梟‐フクロウ‐」など、様々な人物を演じてきた国民的俳優のユ・ヘジンが、俳優キャリア27年目にして初めて挑んだこのロマンティックコメディーは、韓国で公開初日から19日間で観客動員数100万人超えのヒットとなった。
日本全国公開を記念して、今回 チホ役を演じたユ・ヘジン、そして イルヨン役のキム・ヒソン のオフィシャルインタビューが公開となった。 この作品への思いや魅力を知ることが出来る、読みごたえある内容になっている。 二人のキャストの共演エピソードなど、和やかな現場の雰囲気が伝わってくる。
ユ・ヘジンさん インタビュー
本作出演のオファーを受けた際のお気持ちと、最初に脚本を読んだ際の感想をお願いいたします。
『ワンドゥギ』という作品を見て、イ・ハン監督の作品に関心を持っていましたが、ちょうど『マイ・スイート・ハニー』のシナリオを受け取りました。ファン・スンウォンの小説『ソナギ(にわか雨)』を想起させるような純粋さもありながら、おもしろかった。傷を抱えた男女のロマンスがどう描かれるのか気になり、穏やかな微笑を浮かべるような物語が心に染みたんだと思います。シナリオを興味深く読みました。
本作でラブコメディに初挑戦され、ユ・ヘジンさんの新たな一面を観ることができました。チホという役を演じるにあたって、まずどのように役作りをされたのでしょうか。また、チホさんとご自身との共通点はあると思いますか?
物語に入り込むと、キャラクターが自然とできてくる方です。現実感覚というものがまったくないチホが恋に落ちて、ときめきと痛みを感じるのですが、初めて感じるそういう感情にどう反応するのか考えているうちに、自然とキャラクターができてきたんだと思います。相手と手をつなぎたくてしょうがないのに、つなぐまでものすごくドキドキした記憶や、一緒にいて別れた途端また会いたいような感情を思い起こしながら、チホを作り上げました。
演じるにあたって難しかった点・苦労された点がありましたら、教えてください。
チホは現実感覚がなく、社会性も不足していますが、イルヨンがチホを‘なぜ’好きなのかという疑問を感じさせてはいけないと思いました。ですから、現実感覚はないけども、イルヨンが十分愛するに値するキャラクターにしないといけない。そのバランスを考えました。イルヨンが一目ぼれするような、チホの純粋な魅力をどう表現するか、ずっと考えていました。
チャ・チホを演じる上で、監督から何か注文はありましたか?またアドリブはどの程度入れられましたか?
作品の準備をしながら、演出するイ・ハン監督の実際の姿をいろいろ参考にしました。監督は本当に純粋で、まるでチホのような感じなんです。だからこの映画が人間味の感じられる映画になったんだと思います。
キム・ヒソンさんとの初共演は、いかがでしたか。
愛の物語なので、相手方の俳優との相性がとっても重要な作品なんです。キム・ヒソンさんの性格の良さはよく聞いていましたが、現場で会ってみると、びっくりするぐらい、相手の俳優を居心地よくしてくれます。スタッフたちも、ミーアキャットみたいにいつもキム・ヒソンさんを待っていました(笑)。キム・ヒソンさんの明るいエネルギーのおかげで、私もいい影響をたくさん受けた気がします。
キム・ヒソンさんとのシーンでもっとも印象的だったシーンと、その理由を教えてください。
映画の中で、イルヨンとチホが別れる場面があります。イルヨンが別れようと言って人波の中に入っていくシーンの撮影で、私が大泣きしました。モニターを見ながら、私も監督もヒソンさんも涙を流したのを覚えています。シナリオには「人波の中に消えていくイルヨンを見る」と書かれていたのですが、私がチホになって考えてみると、その感情はただ眺めているのでは収まらず、座り込みました。純粋な愛を感じた場面でした。
その他のキャストの方々や監督との現場でのエピソードで、印象に残っているものを教えてください。
ドライブインシアターでの撮影場面は、NGが何度も出たんですが、笑いながら楽しく撮影した記憶があります。露出は避けたい方なのですが、この場面では私がちょっと積極的にアイディアを出しました。チホのような純粋な人が慌てふためく姿を見せるとおもしろいだろうと思ったんです。ズボンが脱げて慌てるチホの姿がうまく撮れたと思います(笑)。
本作ならではの魅力は何だと思われますか?
『マイ・スイート・ハニー』は刺激的でない、本当に純粋な愛の物語を描いた映画です。日本の観客の皆さんも見て共感できる、温かく純粋な物語という点が、この作品の最大の魅力だと思います。
キム・ヒソンさん インタビュー
本作出演のオファーを受けた際のお気持ちと、最初に脚本を読んだ際の感想をお願いいたします。
最初に脚本を受け取って読みながら、キャラクターの魅力にはまりました。イルヨンは愛らしくて魅力的なキャラクターです。しかも、憧れのユ・ヘジンさんと共演できるということにワクワクしました。ただ、映画に対する不安もあって、長く悩んだ末にお断りしました。
ところが、イ・ハン監督が心のこもった手書きのお手紙をくださって、心の扉が開きました。手紙には私がイルヨンを演じなければならない理由がびっしり書いてありました。特に「食堂の扉を開けて入って来るキム・ヒソンさんの姿がイルヨンそのものだった」という文章が記憶に残っています。イ・ハン監督は自分の手書きの文字が読みにくいかもしれないと、その内容をタイピングしてプリントアウトしたものも送ってくださいました。本当にかわいい方ですよね。心の準備ができていない気はしましたが、ここまで私を必要としてくださる監督がいるのに、私ごときが断るなんてと思って、すぐに電話をかけました。
イルヨンは辛い過去があっても前向きで、明るさをもらえるような人柄だと感じました。役作りはどのように取り組まれましたか。また、イルヨンとご自身との共通点はあると思いますか?
基本的に前向きなところが似ています。自分がはまったもの、チホのこともそうですが、はまったら突き進む性格も私と似ています。好奇心を感じる男性がいたら、何としてでも機会を作って会おうとする積極的なところも似ています。イルヨンが500ウォンを握りしめてチホを追いますが、「あの人のことをもっと知りたい」と思えば私もそうすると思います。
私自身、イルヨンの娘と同じような歳の子どもを育てている立場で、いろいろ悩みながら演じました。一人で子どもを育てている状況であれば、どうするのか。「娘が私が好きな男性を嫌ったらどうするかな?」などイルヨンの立場に立って考えてみると、キャラクターにアプローチできました。
ユ・ヘジンさんとの初共演は、いかがでしたか。
ユ・ヘジンさんとの映画出演を断る人はいないですよね。誰もが共演したいと思います。実際にも、まるで何作も共演してきた人のように息がぴったり合いました。性格も似ていてすぐに仲良くなりました。難しいのは嫌いで、明るい性格なのが私とよく合って、撮影も楽でした。撮影後はビールを一杯飲みながら、楽しく撮影しました。本当にいい現場でした。
特に私の最初の撮影の時に自転車で現場に来てくれたのがとてもありがたかったです。みんながバタバタしていて「何?」と思ったら、ヘジンさんが撮影もないのに私の最初の撮影だからと来てくれたんです。入れずに「ヒソンさん撮影中?」とスタッフにこっそり聞いたそうです。モニタリングの時も遠くに立っていました。なんで来たのかなと思ったら、本当に私が来たのか気になったんだそうです。自転車で来たので汗びっしょりでした。私の撮影がローン会社の撮影で、3日間だったんですが、次の日もまた来ました。3日目が初対面の撮影なのですが、2日目は終わって一緒にご飯に誘ってくれました。自分の撮影がないのに負担ですよね。2日も来てくれて、撮影後に監督とスタッフと一杯飲みながら、だいぶ親しくなれました。
ユ・ヘジンさんとのシーンでもっとも印象的だったシーンと、その理由を教えてください。
すべての場面がおもしろいので、どれを選べばいいのか悩みます。レストランで「おすすめは?」と聞いたら店長が「全部おいしいです」と答えるみたいに、どの場面もヘジンさんと演じたすべての場面がおもしろい。おもしろおかしいところもあるし、胸がジーンとくるような感動もある。
でも、一つだけ選ぶとすれば、ドライブインシアターの場面? 男優がリードする場面はたくさんやってきましたが、私の方が積極的に過激なスキンシップをしないといけなかった。すごく悩みましたが、顔が近づくたびにヘジンさんが噴き出して何度もNGになりました。キスの最中にヘジンさんが「やめてください」というセリフをむにゃむにゃ言わないといけないんですが、おかしくて本当に奥歯をぐっと噛んで笑いをこらえて撮影しました。
本作ならではの魅力は何だと思われますか?
『マイ・スイート・ハニー』は‘アン・ブロックバスター’(注:大作ではないという意味)です。VIP試写会を終えて、「今の時代に必要な映画」という声をたくさん聞きました。娘の友達のお母さんたちも「刃物や血、爆弾が出てこなくて良かった」と言っていました。映画のおもしろさだけでなく、子どもと一緒に見られる映画を作ってくれてありがとうと言われました。
子どもと見られるヒーリング映画にできるだけ出たいと思いました。イ・ハン監督が演出したからか、ロマンティックコメディーが温かく包まれている感じ。これが『マイ・スイート・ハニー』ならではの魅力ポイントです。
『マイ・スイート・ハニー』
あらすじ
天才的な味覚を持ち、数々のヒット商品を手掛ける45歳の製菓会社の研究員チホは、家と会社を往復するだけの味気ない生活を送っている。ある日、チホは底抜けに明るくエネルギッシュなシングルマザーのイルヨンと出会う。不器用で不愛想なチホだが、彼の優しさを目にしたイルヨンは、彼に興味を持つ。半ば強引にチホを食事に誘ったり、家で料理をふるまったりしていくうちに、誠実でユーモア溢れる純粋なチホにますます惹かれていくイルヨン。しかし、チホには恋愛経験が全くなく、恋という感情すら分からずにいる。未だ経験したことのない感情に戸惑いながらも、イルヨンと過ごす日々が徐々に特別なものに変わっていき、人生がバラエティー豊かに色づき始めることに幸せを感じるチホ。そんな時にある事件が起こり…。
【作品概要】
■邦題: 『マイ・スイート・ハニー』
■公開:5 月3日 (金) 丸の内ピカデリー他にて全国公開
■監督:イ・ハン (「無垢なる証人」「ワンドゥギ」)
■脚本:イ・ビョンホン (「エクストリーム・ジョブ」(監督)、 「サニー 永遠の仲間たち」(脚色))
■出演者:ユ・ヘジン (「タクシー運転手~約束は海を越えて~」「コンフィデンシャル」シリーズ、「梟ーフクロウー」)
キム・ヒソン (「再婚ゲーム」)、チャ・インピョ、チン・ソンギュ、ハン・ソナ
■原題:『달짝지근해: 7510』 英題:『HONEYSWEET』 韓国映画/カラー/シネマスコープ/5.1ch デジタル/118 分
■製作プロダクション:MOVIEROCK
■翻訳:本田恵子
■提供:楽天 ■配給:松竹
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