
2024年5月31日(金) 映画『アンダー・ユア・ベッド』が公開になり、シネマート新宿にて行われた 初日舞台挨拶に 主演俳優 イ・ジフン、SABU監督、そして通訳として本作品プロデューサー イ・ウンギョンの3名が登壇した。
『呪怨『『殺人鬼を飼う女』など数々の名作を世に送り出した大石圭の角川ホラー文庫処女作 『アンダー・ユア・ベッド』は 前代未聞のハードボイルド系特級ロマンス。
――― 家族や周囲から「存在しない者」として扱われて来た「ジフン」は大学で自分の名前を呼んでくれたイェウンに恋心を抱いたが、実ることは無かった。 9年後、偶然再会したが、イェウンはジフンを覚えていなかった。 彼女への思いが再燃したジフンはその思いが止められず、彼女が夫と暮らす家に盗聴器とカメラを仕掛け24時間彼女を監視するようになる。 異常なまでのストーカー行為はさらに度を超え、彼女の部屋に潜入しベッドの下に潜り、彼女と夫の生活も観察するようになる。しかしそこで彼女が夫・ヒョンオから日々激しい暴力を受け、奴隷のように扱われていることを知り、ジフンの心はどんどん揺れていく ―――
日本では高良健吾主演で2019年実写化された本作品。
今回、新に撮影された韓国版のメガホンをとったのは本作にて監督として韓国初進出したSABU監督。 舞台挨拶では SABU監督とイ・ジフンから映画について様々なエピソードが語られ、作品の世界とは全く異なる雰囲気のとても和やかな時間となった。
大きな拍手に迎えられ壇上に並んだ3名。 イ・ジフンは沢山の観客を確認するとニコっと可愛い笑顔を浮かべ「はじめまして。 私はイ・ジフンです。」と言い、深々と頭を下げた。
まず日本で初日に舞台挨拶に立った今の気持ちを聞かれ、イ・ジフンは満面の笑顔で客席を見渡しながら
「今、ものすごくドキドキしています。 ありがとうございます!! とても嬉しくて、でも、緊張もしています(笑)」 と照れくさそうに語った。 表情は本当に嬉しくて仕方がない素敵な笑顔を浮かべていた。 客席から拍手が送られると、笑顔でジフンも.パチパチと一緒に手を叩く愛らしい姿を見せた。
続いてSABU監督は「今日は過ごしやすい気候の中、来ていただきありがとうございます。」と来場してもらうのに観客の負担にならない良い天候の日に初日を迎えられたことに安堵した様子だった。
客席には 本作品の原作者である大石圭氏も駆けつけ、客席から手を振りエールを送った。 SABU監督は「先日お会いしたんですが、優しくて凄くいい方で。良かったです。」と原作者との交流について語った。
イ・ジフンも「私も先ほど初めてお目にかかってご挨拶したのですが、初対面なのに僕の衣装がこんなで(胸元が大きく開いたシャツ)ちょっと恥ずかしかったですが(笑)楽しかったです。」と語った。
挨拶が終わり、ここからMC伊藤さとり の進行で質疑応答が始まった。

■日本で映画が公開になってどんな気持ちですか?
イ・ジフン: 今日映画館に着いて1階のエレベーター前にポスターが貼ってあるのを見た時、夢のような気持ちになりました。 自分が芝居をしてTVに映っているのは何度も観ることがありましたが、韓国でもない異国の日本で自分の顔がポスターに写っていて、それを見てお客様が来て下さったというのが嬉しくて仕方ないです。

■SABU監督は韓国で撮影して韓国の俳優陣やスタッフと作り上げた作品が日本で公開というのは、今までにない感情があるのでは?
SABU監督: いや~、日本で公開になると思っていなかったので(笑)

■イ・ジフンさんは何度も日本に来られているようですが、今回の来日で楽しみにしていることは?
イ・ジフン: 楽しみにしているのはもう全てなんですが….。 今朝、ちょっと面白いことがあったのでお話ししますね。 昨日来日したんですが、明日にはもう韓国に帰るので時間が無くて。 でも、昨日午前中に少しだけ時間があったので渋谷のメガ ドン・キホーテに買い物に行ったんです。 1階からずっと歩きまわっていたら、すごく沢山人が集まっているコーナーがあって、何かわからないけれど好奇心から覗いてみたんです。 そうしたら隣に、韓国人がいて僕のことがわかったようで「えっ???」って言われ僕も驚いて「えっ???」って(笑) 「ですよねぇ????」ってことになって(笑)ファンの方だったので一緒に写真を撮りました(笑)

■『アンダー・ユア・ベッド』が韓国で新に作られることになった経緯をお聞かせ下さい。
イ・ウンギョンPD: 日本版が作られる前からこの小説は知っていました。 実は日本のプロデューサーから「この本を韓国で映画化したらどう?」って言われたのが10年前です。 その頃から韓国で映画化したら面白いかもと考えてはいたのですが、日本版が先に出来てしまって。 評判も良かったので、やっと「韓国でも映画化したら?」という話になって。 映画は1人では作れない。 お金も必要だし、 韓国というマーケットの中でこの作品をちゃんとお客さんに届けられるという確信が無いと作れないですが、そういうタイミングが合ったのが一昨年で。 でもこの作品は暴力とかセクハラとか内容的に敏感な素材なので、韓国の監督はちょっと迷う感じだったんです。 じゃあ人間の物語という違う観点から作ったらどうかと思った時、私自身がSABU監督のファンで色々な作品を観たり配給したりしたこともあったので、SABU監督なら文化の違う韓国スタッフともトラブル無く作品作りが出来ると思ってお願いしました。
SABU監督: 感激ですね。 3ケ月のビザで撮影に行きましたが、帰る日の前日、ギリギリクランクアップしました(笑)
イ・ウンギョンPD: 撮影時、ソウルはマイナス18度だったんですよ。 監督は沖縄からいらしたんですが(笑)


■SABU監督が韓国で映画化するのに大事にしたことや意識していたことは?
SABU監督: 俺は基本コメディが多いんですが、 これでDVエロ監督って言われたら どうしようって思いました(笑)
(※ と、ジョークで場を和ませるSABU監督) 今回は余白を大事にしたいという思いで(横縦比)4:3という画角でカメラを固定した映像中心に撮りました。 日本画とか、枯山水などにおける余白とかとても好きで。 あと音も、無音とか…。そういう部分にこだわりました。

■イ・ジフンさんは今回SABU監督とご一緒していかがでしたか?
イ・ジフン:(※にっこり笑顔で監督のほうを向いて)I LOVE YOU~♡ (※と言いつつ、監督にハグ) 「お父さん」って呼んでいます。 一見ちょっと怖い感じですが(笑) すごく温かい方なんです!! 演技に対して僕のことをとても信じてくれているのを感じたので、僕もそれを信じ楽しく撮影することが出来ました。 先ほどのお話にもあったようにすごく寒い中の撮影で建物に雪がとても積っている所でした。 スタッフの皆さんは雪が溶けるようにしていましたが、僕個人としてはある意味ロマンティックな中での撮影ですごく楽しかったです。
■SABU監督から見たイ・ジフンさんは俳優としてどのようにうつりましたか?
SABU監督: 撮影の頃、丁度 舞台出演と被っていた時期があって。コメディだったのでそれを引きずって来たらどうしようって思ったんですけれど(笑)さすがプロだなって感じでした。
(※その言葉を聞き、とても嬉しそうに子供のような表情を浮かべ監督に寄り添うイ・ジフン。本当にSABU監督のことが大好きなのが伝わって来た)

■お二人にとって今回の撮影で思い出に残っているエピソードは?
イ・ジフン: 毎回撮影が終わると裏の方で監督と一服したのが記憶に強く残っています。 ソウルから1時間くらい離れた郊外で、とても綺麗な夜空の星を見ながらお互い何も語らないまま一服しました。でもその雰囲気で監督から一日を労われているのを感じ、今も監督に会う度にあの時の光景が一番に思い出されます。
SABU監督: 撮影初日に手袋をプレゼントしてくれたんです。 大事にしてます。
イ・ジフン: 本当に??ありがとうございます。(※と、ニッコリ) 監督にプレゼントしたのはSABU監督が初めてです。 韓国の監督なら冬の厳しい寒さの中での撮影の大変さがわかっているので、手袋や帽子などでしっかり防寒して撮影に臨むんです。 沖縄からいらしたSABU監督にはすごく寒いんじゃないかなって思って。手も冷たいのではと思いました。 手袋を誰かにプレゼントしたのも初めてですし、監督にプレゼントしたのもSABU監督が初めてです。特別ですね!(笑)

■感情面など大変な部分も多かったと思いますが、イ・ジフンさんはどのように「ジフン」という役を演じようと思いましたか?
イ・ジフン: 役の名前が「キム・ジフン」で、僕の名前は「イ・ジフン」なんですが、撮影の前に脚本を受け取り読んだ時、いい意味の衝撃を受けましたが 頑張りたいと思い、撮影に入る前、自分のからだのコンディションを整えるように努めました。 でも少し憂鬱や不安を感じる部分もありました。 でも撮影に入ってみたら監督からの注文や指示にとても信頼感を感じ、安心して監督に委ね撮影出来ました。

■またご一緒したいですか?
イ・ジフン: はい!! また是非監督の作品に出たくて「次の作品はあるんですか?」「準備している作品は?」とかすごく聞いていて(笑)その様子を監督がすごくいい表情で聞いてくれていたので、僕のこの気持ちを覚えていてくれたらいいなぁって思っています。 小さい役でもいいので、SABU監督の作品だったら是非出たいです!! (※と、かなり訴えるような目で監督を見つめるイ・ジフン。 監督も笑顔を浮かべる)

■では日本の俳優さんでは誰と共演したいかも合わせて言っておいたほうがいいのでは?
イ・ジフン: この作品の日本版の主役、高良健吾さんです。 深い目に惹かれたので是非共演してみたいです。 あとは、ドラマ『ごくせん』に出ていた松本潤さん。 昔から『ごくせん』の大ファンで、徹夜でドラマを観ていたこともあるぐらいなので、松本潤さんに会いたいです。 それからオダギリ・ジョーさんも子供の頃から大ファンだったので。 『ごくせん』は日本でも有名なドラマですか? (※客席中が大きく頷くのを見て) 僕は子供の時、意味もよくわからないのに『ごくせん』を真似て「何だよ!!」とか「何??」とか言っていた記憶があります(笑) 最初に覚えた日本語がこれですね(笑) あの、これって悪い言葉ですか?(※再び、大きく頷く客席を見て) あっ! 愛してるぅう♡ (※と、知らずに威嚇してしまったことを即反省し、フォローする誠実で可愛いイ・ジフンに客席は大爆笑)

■SABU監督はイ・ジフンさんとまた映画を撮るとしたらどんな作品を作りたいですか?
SABU監督: 『アンダー・ユア・ベッド 2』ですね(笑) 「ジフン」がベッドの下に潜りたい病になって、それを克服するために精神科医(※イェウンにDVを行う夫ヒョンオは精神科医)に行ってそこでヒョンオとダンスバトル(※映画の中でヒョンオがダンスを踊るシーンがある)。 ユニット結成(笑) 大石圭さんに書いてもらいましょう(笑) あ、『アンダー・マイ・ベッド』かも(笑) (※と、即、絶妙なジョークを飛ばす流石のSABU監督)

ここで マスコミ向けフォトセッション、そして特別に来場者にもフォトタイムが設けられた。


■最後に皆さんにメッセージをお願いします。
SABU監督: 決して孤独ではない、「ジフン」のとった行動は良くないことではありますが、どこかで誰かが見てくれている、決して独りではない。「助けて」 って言える優しい世の中になればいいなという願いを込めて作った作品です。 皆さん、宣伝よろしくお願いします。
イ・ジフン:僕もSABU監督がおっしゃったように 独りではないというメッセージにチカラを受けました。 僕も色々悩みながらも俳優として頑張っていたら今日こんな風に良い場で皆さんにお目にかかることが出来ました。 すごく嬉しいです。 先ほどから色々な質問に答えなくてはならなかったですが、それに答るよりもここに来て下さった皆さんおひとりおひとりの顔を自分の目に焼き付けて帰りたいという思いが強く、皆さんをずっと見ていました。 『アンダー・ユア・ベッド』、是非たくさん宣伝していただければ嬉しいです。 監督や私のことも応援して下さい。 また、会いましょう!ありがとうございます。
このあと、イ・ジフン及び SABU監督は、急遽 来場者全員にサイン会及び握手を行い来場への感謝を直接伝え、映画の感想を観客一人ひとりから聞く貴重な時間を過ごした。
イ・ジフンは登壇中ずっと、客席の右端から左端まで、前から後まで、 隅々まで余すことなく見渡しながら 笑顔で話す様子がとても印象的だった。 舞台挨拶に立てたことを心から嬉しく思っているのが強く伝わって来た。 作品中の役柄では心の中の情熱や行動力に反して、外見は全く生気を感じない無表情で寡黙、誰からも愛されることのない青年「ジフン」だが、俳優イ・ジフンは とても人懐っこく愛嬌のある誰からも愛される温和な人柄を感じさせた。 また、フォトセッションではちょっと不器用にかたい表情のままのSABU監督のことが気になり何度も顔を見るが、ずっと変わらぬ表情、ポーズなのがちょっと面白くなってしまい、監督の前にさりげなく指ハートを置いてみたりする茶目っ気と気遣いを見せた。



映画『アンダー・ユア・ベッド』は、『愛』というものの大きさ、いかに人間にとって必要なものなのかが描かれている。是非劇場に足を運び、この作品と向き合ってほしい。
text & photo : Chizuru Otsuka
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映画『アンダー・ユア・ベッド』作品情報

原作は、「呪怨」「殺人鬼を飼う女」など数々の名作を世に送り出した大石圭の角川ホラー文庫処女作「アンダー・ユア・ベッド」。2019年には高良健吾主演で実写化され、今までにない役どころで注目を集め話題をかっさらった。そんな衝撃作が海を超え、韓国でついに再映画化されることになった。
メガホンをとった監督は『蟹工船』(09)や『うさぎドロップ』(11)、『砕け散るところを見せてあげる』(20)など日本でも評価の高いSABU。

孤独な人生を送る男・ジフン役には、「新米史官ク・ヘリョン」や「青い海の伝説」など様々なジャンルのドラマや映画で活躍中の期待の若手俳優イ・ジフン。ジフンが長い間一途に思い続ける女性・イェウン役には、期待の新人女優イ・ユヌを抜擢。夫から激しいDVを受ける難役を体当たりで演じる。さらに暴力を振るうイェウンの夫役を舞台や映画を中心に活躍する実力派俳優シン・スハンが演じ、SABU監督韓国デビュー作にふさわしい面々が勢揃いした。
原作:⼤⽯圭『アンダー・ユア・ベッド』(⾓川ホラー⽂庫/KADOKAWA 刊)
監督・脚本:SABU
出演:イ・ジフン、イ・ユヌ、シン・スハン
配給:KADOKAWA
2023 年/韓国/韓国語/99 分/カラー/スタンダード/5.1ch/原題:언더 유어 베드/字幕:北村裕美

予告編
STORY
学⽣時代から誰からも名前すら覚えてもらえなかった孤独な男・ジフン(イ・ジフン)には忘れられない⼥性がいた。 それは、初めて⼤学の講義中に名前を呼んでくれたイェウン(イ・ユヌ)だった。 数年経っても忘れられないジフンは彼⼥を探し出し再会を果たすも、彼⼥は覚えていなかった。 再び彼⼥に強烈に惹かれてイェウンを 24 時間監視するようになったジフンは彼⼥が夫であるヒョンオ(シン・スハン)から激しい DV を受けていることを知ってしまうがー

◆クレジット◆
タイトル表記:『アンダー・ユア・ベッド』
公開:5 ⽉ 31 ⽇(⾦)より全国公開中!
映倫区分:R18+
画像クレジット:©2023, Mystery Pictures, ALL RIGHTS RESERVED
関連SNS
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2024年 5 ⽉ 31 ⽇(⾦)より全国公開中!