【韓ペンオリジナルレポ】~『密輸 1970』公開記念舞台挨拶 ~リュ・スンワン監督&チョ・インソンが緊急来日! SPゲストとして大谷亮平もかけつけ作品について熱く語る!世界初の情報も!?

映画『密輸 1970』 (原題:밀수 英題:SMUGGLERS)が2024年7月12日(金)新宿ピカデリーほかにて全国公開となった。 

本作品は2023年の「第44回青龍映画賞」で最優秀作品賞を含む4冠に輝き、同年サマーシーズンの韓国で500万人以上を動員し年間興収ランキング3位の大ヒットを記録。

稀代のヒットメーカーとして知られる、リュ・スンワン監督が1970年代、韓国の沖合で密輸犯罪が盛んにおこなわれていたという衝撃の実話から着想を得て作り上げた予測不能な海洋クライム・アクション。海底に沈められた密輸品の引き上げビジネスに手を染める海女を演じるキム・ヘスヨム・ジョンア、そして密輸王を演じるチョ・インソンら豪華実力派俳優陣が集結し、この作品をさらに面白く輝かせた。

今回、『密輸 1970』の公開にあわせ リュ・スンワン監督、そして密輸王クォンを演じた チョ・インソンが緊急来日! 公開翌日の7月13日(土)、 新宿ピカデリー スクリーン1にて 映画上映後行われた 「『密輸 1970』公開記念舞台挨拶」 に登壇した。 また、スペシャルゲストとして、韓国で俳優やモデルとしてブレイクした後、逆輸入の形で日本でも活動を始めた俳優 大谷亮平 も登壇し、自身のチョ・インソンにまつわるエピソードなどを披露した。

1970年代を彷彿とさせる『密輸 1970』のOSTをBGMに、 リュ・スンワン監督、チョインソンが会場に姿を見せると大きな拍手と歓声が二人を出迎えた。

リュ・スンワン監督:こんにちは(←日本語) 私は『密輸 1970』 を演出しましたリュ・スンワンです。 蒸し暑い中、映画を観に来て下さりありがとうございます。

リュ・スンワン監督

チョ・インソン:お会い出来て嬉しいです。チョ・インソンです。このように劇場をいっぱいにして下さり本当にありがとうございます。今日は色々なお話が出来れば嬉しいです。素敵な時間を過ごしたいと思います。

チョ・インソン

MCの伊藤さとりが観客に映画はどうだったか問いかけると大きな拍手が沸き起こり、リュ・スンワン監督とチョ・インソンは嬉しそうに客席を見渡した。

リュ・スンワン監督:韓国では昨年、とても暑い夏にこの映画が公開となりましたが、涼しさを届けることが出来たようで、韓国では少し人気のある作品となりました。今年、日本でもこの暑い夏、皆さんに涼しさを届ける映画になれば嬉しいです。

この映画で来日したことについて尋ねられると

チョ・インソン:個人的には旅行などでも頻繁に日本に来ていますし、先日は東京でファンミーティングも行いました。今後、大阪でもファンミーティングが予定されていますが、その合間に 監督と東京の劇場で皆様とご一緒することが出来て、とても嬉しく思います。

リュ・スンワン監督は 日本人俳優 故 千葉真一 や、日本のアクション映画が大好きだそうだ。  どんな作品が好きなのか聞かれると

リュ・スンワン監督:以前、千葉真一先生にお会いできて光栄に思っていたのですが、お亡くなり、とても胸が痛みました。 千葉真一先生の作品はどれも好きですが、中でも「殺人拳シリーズ」 (The Street Fighter series)が気に入っています。 本作『密輸 1970』 に直接的影響を与えたのは日本の70年代の作品なんです。 女性が主人公の復讐劇のスタイルに影響を受けました。 その中でも『修羅雪姫』 『女囚 さそりシリーズ』がとても好きです。 なので本作品の原色的な照明の使い方や、シーンの転換などはそれらの作品からの影響が大きいです。 この作品の中で パク・ジョンミンさんが演じたドリ役のヘアスタイルや衣装は 深作欣二監督の『仁義なき戦い』シリーズに登場するヤクザの姿からかたち作って行きました。

派手に繰り広げられるアクションシーンについて

リュ・スンワン監督:チョ・インソンという傑出した俳優がいたからこそ可能だったと思っています。

(※ この言葉を聞き、照れくさそうに笑うチョ・インソン。 客席からは「お~!」という声と拍手が聞こえて来た)

リュ・スンワン監督:前作『モガティシュ 脱出までの14日間』でチョ・インソンさんが持っている能力を垣間見ることができました。 彼の能力をどこまでこの作品の中で引き出すことが出来るかを絶えず考えながら作っていました。アクションシーンは監督よりも俳優がどう演じるかにかかってくると思うのでチョ・インソンさんに答えていただくのがいいのではと思います。

チョ・インソン:映画をご覧いただくとわかるのですが、ホテルの中でのアクションシーンもありますが、一番大変だったのはこれまで誰もチャレンジしたことのない水中、海洋でのアクションシーン です。 浮力と闘いながらアクションをしなくてはいけなかったので、水中でアクションをした俳優さんたちは本当に大変だったと思います。 でも素敵に演じたことで良い結果が得られたと思います。ケガなく無事にこの映画を撮り終えることが出来て良かったと思っています。

と、自身のアクションシーンよりも、まず他キャストの海中アクションのすごさを賞賛する姿にチョ・インソンの人柄を垣間見ることが出来た。

ここで 12年間俳優として活動し、韓国映画にも何本も出演している 俳優・大谷亮平がスペシャルゲストとして 大きな花束を2つ抱えて登場し、リュ・スンワン監督とチョ・インソンに手渡した。 チョ・インソンは照れくさそうにしながらも笑顔を浮かべていた。

本作品についての感想を聞かれ、

大谷亮平:アンニョンハセヨ(笑) 今日はお二人に会えるのをすごく楽しみに来ました。 短い時間ですが、皆さん楽しんで行って下さい。 作品、めちゃめちゃ面白かったです。 水中アクションや監督お得意のアクションシーンがすごく見ごたえがあったんですが、登場人物一人ひとりが結構絶望的で(笑)みんな追い込まれて行って。なのに観終わったあとの爽快感、後味がいいんですよね。 1つ1つのシーンは大変で気分も沈みがちなのに、音楽やファッションや監督の作られる世界観で最後気持ちがスッキリする、すごく素敵な映画だと思いました。

と、映画について熱く感想を語った。

大谷亮平

大谷亮平にとってチョ・インソンは韓国語の先生だった?という質問に対し、

大谷亮平:そうなんです。 韓国に行って、マンツーマンで韓国語を勉強を始めたんですが、面白くなくて(笑)なので、ドラマを題材にしてほしいと頼み、オススメしてもらったのがチョ・インソンさんが20年くらい前に出演した 『春の日』でした。 めちゃめちゃ難しいフレーズもありました。今だに覚えていて、私生活で使ったりしています。

チョ・インソン:『春の日』は日本のドラマ『星の金貨』が原作なのですが、そのようなご縁もあってここでこうして出会えたのではないかと思います。

大谷亮平:先生!

チョ・インソン:あぁ~(笑) いえいえ~~!(笑)

「リュ・スンワン監督に俳優という立場から映画について聞きたいことは?」とMCから問われた大谷亮平。では真ん中で、監督の横で話をしたほうがいいと、立ち位置を交代しましょうと細やかな気遣いを見せるチョ・インソン。

大谷亮平:チョ・インソンさんがアクションシーンをなさる前にキム・ヘスさん(チュンジャ役)を奥にかくまって向かっていくシーンがめちゃくちゃかっこよかったです。 そして、めちゃくちゃやられたインソンさんの狂気に満ちた表情が、最後、和らいでいたような気がしたんです。 あのあとはどうなったのかなぁ?….って(笑) 続きのイメージとか(笑)

リュ・スンワン監督: 大谷さんにそのようにしっかり楽しんでいただけて光栄です。 クォン軍曹(チョ・インソン)がチュンジャ(キム・ヘス)をトイレに隠すシーンは台本には描かれていましたが、あれほど爆発力のあるシーンになるとは思っていませんでした。 あのシーンは監督としては状況を作っただけで、そのシーンを演じたキム・ヘスさん、チョ・インソンさんという優れた俳優の能力があのシーンにあれだけのチカラをもたらせたと、私は自信をもって言うことが出来ます。 韓国でも多くのかたに愛されたシーンですが、日本のアニメ『すずめの戸締り』をもじって『クォン軍曹の戸締り』と呼ばれています(笑) 実は…私たちの内部では80年代背景の続編ストーリーも持っているんです。 ダイヤを映画フィルムに隠して密輸するストーリーですが…  あ! これ、全世界で初めてお話しする話です(笑)皆さんがその映画も御覧になりたいというのであれば、是非この『密輸 1970』もたくさん愛して下さい!! そうすれば続編も作ることが出来るのではないかと思います(笑)

最後に

チョ・インソン:今日はお時間を作って下さりありがとうございました。 映画が好きな皆さんと劇場でお会い出来るのが僕にとって一番嬉しいことなんです。 とても蒸し暑いこの夏にピッタリの映画だと思います。『密輸 1970』で涼しく過ごしていただけたら嬉しいです。次回またご挨拶出来る日まで、皆さんどうぞ元気でいて下さい。

リュ・スンワン監督:今日この劇場をいっぱいにして下さった皆さんと大谷さん、そしてこの花束に魅了されて秘密を漏洩してしまい、今、どうしようかと頭を悩ませています(笑)でも、ここだけの話として、皆さんが責任をとってくだされば問題ないですよね??(笑)ここからは皆さんには『密輸 1970』の営業社員となっていただいて、日本で公開されている間、ありとあらゆる周囲の方たち、家族や親せき、お友達にも宣伝、クチコミしていただいて映画を沢山観ていただけるようにして下されば大丈夫です!(笑)ありがとうございます。

本当に居心地のいい空間に リュ・スンワン監督もチョ・インソンもとても満足感を得た様子だった。 そのため監督も饒舌となり、今後の構想までつい話してしまう、私たちにとっては嬉しいハプニングも!

舞台挨拶最後にはリュ・スンワン監督、チョ・インソン、大谷亮平の3名で マスコミ向けフォトセッションを行った。 SPゲストの大谷亮平に真ん中に立つように勧めるチョ・インソンに、「いやいや…とんでもない」 とばかりに大きく手を横に振る大谷とのやりとりにとても和まされた。最終的に真ん中でフォトセッションに臨むことになった大谷亮平のちょっと申し訳なさそうな笑顔が可愛らしかった。

のどかな漁村に突如もちかけられた「密輸ほう助」の誘いをきっかけに、それぞれの人生が狂っていく。 70年代を意識したレトロなファッションや音楽が、この狂気の世界の強い空気を和らげてくれる。 登場人物それぞれが恐怖と闘いながらも、生きていくために誤った道を選択し、必死に進んでいく愚かな姿には哀愁が漂っている。 人間のズルさ、賢さ、愚かさ、強さ、弱さ….。 この作品は人間のありとあらゆる姿を見せてくれる。お色気シーンは一切無いのに何故か不思議とエロディズムを感じる。 リュ・スンワン監督がこの作品を作る際に影響を受けたのが梶芽衣子など日本の女優が出演した70年代の作品軍だったという話を聞き納得することが出来た。 70年代の話だが、何故か古臭さは感じず、ただただ物凄いエネルギーのかたまりを感じた。70年代パワー、おそるべし! チョ・インソン演じる密輸王のアクションシーンや、 海女たちの海中アクションシーンはとにかく圧巻!!  最後に予想外の展開も!思わず「え???」っと言ってしまうだろう。

是非劇場の大きなスクリーンで、大海を感じながらこの作品の魅力に浸ってほしい。とにかく面白い!!

text & photo : Chizuru Otsuka

『密輸 1970』公開記念舞台挨拶 概要

[日程]7 月 13 日(土)

[会場]新宿ピカデリー

[時間]9 時 30 分の回(上映終了後舞台挨拶)

[登壇]チョ・インソン、リュ・スンワン監督

[スペシャルゲスト]大谷亮平

『密輸 1970』

© 2023 NEXT ENTERTAINMENT WORLD & FILMMAKERS R&K. All Rights Reserved.

【STORY】

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1970 年代半ば、韓国の漁村クンチョン。海が化学工場の廃棄物で汚され、地元の海女さんチームが失職の危機に直面する。リーダーのジンスクは仲間の生活を守るため、海底から密輸品を引き上げる仕事を請け負うことに。ところが作業中に税関の摘発に遭い、ジンスクは刑務所送りとなり、彼女の親友チュンジャだけが現場から逃亡した。

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その2年後、ソウルからクンチョンに舞い戻ってきたチュンジャは、出所したジンスクに新たな密輸のもうけ話を持ちかけるが、ジンスクはチュンジャへの不信感を拭えない。密輸王クォン、チンピラのドリ、税関のジャンチュンの思惑が絡むなか、苦境に陥った海女さんチームは人生の再起を懸けた大勝負に身を投じていくのだった……

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監督:リュ・スンワン 『モガディシュ 脱出までの 14 日間』『ベテラン』

出演:

キム・ヘス 『国家が破産する日』

ヨム・ジョンア 「SKY キャッスル~上流階級の妻たち~」

チョ・インソン 『モガディシュ 脱出までの 14 日間』「ムービング」

パク・ジョンミン 『ただ悪より救いたまえ』

キム・ジョンス 『工作 黒金星と呼ばれた男』

コ・ミンシ 『The Witch 魔女』


脚本:リュ・スンワン、キム・ジョンヨン、チェ・チャウォン

製作:外柔内剛

提供:KADOKAWA Kプラス、MOVIEWALKER PRESS KOREA 配給:KADOKAWA、KADOKAWA Kプラス

【原題:밀수/英題:SMUGGLERS/2023 年/韓国/韓国語/129 分/カラー/シネマスコープ/5.1ch/字幕翻訳:根本理恵】
http://mitsuyu1970.jp

公式 SNS(X)@mitsuyu1970 https://x.com/mitsuyu1970

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