舞台『Home2025』スペシャル対談インタビュー
舞台がますます楽しみになる楽しいインタビューをお楽しみください。

――舞台『Home 2025』は、ミュージシャンを夢見て路上で歌う家族想いの長男・祐一(山本裕典)、祐一と路上歌手として活動する車椅子の三男・蒼汰(陣慶昭)、そんな二人の活動に反対する現実的な次男・健次(田中晃平)の三兄弟と、彼らを明るく温かく見守るシングルマザー・充子(山村美智)からなる山郷家の物語。絶対的な味方である家族との絆と、家族だからこその葛藤を描き、涙と笑いに包まれる『Home 2025』で、ご自身が演じられる役柄の印象を教えてください。
山村:私が演じる山郷家のお母さん・充子さんは、天津爛漫な肝っ玉母さん。普段の私の芝居よりは、かなり高いトーンで明るさを表現しています。でも彼女は彼女なりに重いものを抱えているので、明るいだけではないんです。お涙頂戴の芝居ではなく、影と明るさを演じなければいけないので、ハードルの高い役柄かなと思っています。
山本:僕は昔から自分を通して役を演じているから「何を演じても山本裕典」と言われちゃうんだけれど、山郷家の長男・祐一は「まんま、俺」(笑)。けっこう体育会系だし、人のことで熱くなれるタイプです。『Home 2025』はコメディの要素もあるので、身体を使って、突き抜けた感じで演じたいですね。

――母・充子さんから見た三兄弟は、どういう息子でしょうか。
山村:それぞれ個性が違うので、バランスが取れていますよね。長男・祐一(は猪突猛進、次男・健次はクール。三男・蒼汰は可愛い家族のアイドルで。でも長男と次男が反対のタイプだからこそ、充子さんにとっては頼りになる存在になっているんでしょうね。素敵な息子たちに囲まれて、充子さんは幸せです。息子たちを演じる三人の俳優さんたちも、男の子としてイカしてるし(笑)。
山本:「イカしてる」という言葉、久々にきいたな(笑)。先ほど「ハードルの高い役」とおっしゃっていたけれど、俺たち三兄弟から見たみっちゃん(山村)は、けっこう充子さんですよ。
――似ている……ということですね。山郷家はお母さんを中心に回っていますが、お二人のお母さんはどんな方でしたか?
山本:お喋りなのは、みっちゃんと似ていますね(笑)。うちの母親の印象は、働く人……だったな。母親は庭の池にコイが泳いでいるような家で育ったお嬢様だったんだけれど、父親とほぼ駆け落ち状態で結婚。子どもが生まれてからはパート三昧で、夜勤の仕事をして、朝に帰って仮眠を取って子どもたちを学校に送り出すという生活をしていたから。
山村:うちは母一人子一人で、母は働いていました。よく「どうしてそんなにボケっとしてるの!」と怒られたけれど、働いて子供を育ている母はボケっとするヒマもなく、しっかりせざるを得なかったんでしょうね。だからよけいに山郷家のお母さんのおおらかさが、「スゴイ」と思えます。

――歴代の山郷家をご覧になっている木山さんには、3度目となる『Home 2025』の山郷家はどのように見えていますか。
木山:制作発表のときに皆さんに初めてお会いしましたが、もう家族としての関係が出来上がっていましたね。控室でもみっちゃん中心にわいわいがやがやしている。家族をテーマにした舞台ですから、舞台の上だけじゃなく、普段から家族としての関係ができているのはいいなと思いました。
――今回、初参加となる山本さん、山村さんが、『Home 2025』で個人的に楽しみにしていることを教えてください。
山本:僕が演じる長男・祐一は、家族それぞれの気持ちを受け止める役なんですよ。だから稽古をしていても、グッときちゃう。俺、めっちゃくちゃ泣き虫だから、稽古中に泣かないように、けっこう我慢していて(笑)。でも、本番に入ったら関係ない。本番では気持ちを解放して、祐一の気持ちのままに泣きたいと思います。
山村:まず、本番までに山郷家がどう変わっていくのかが楽しみです。個人的には、充子さんという役は私がこれまで演じていたキャラクターとは違うので、普段の私の芝居を見てくださっている方が、どう見てくださるか、すごく楽しみです。

――作中で山本さんが「home」を歌うのも楽しみな場面ですよね。
山村:まだ聴いてないんだけれど!
山本:人前で披露するのは照れくさくて……。まだ練習中です。ギターも弾かなきゃならないし。
木山:それは難しいね。ギターは自前?
山本:はい。2本持っているので、それを使います。昔『パッチギ!』という舞台で弾いたのである程度分かってはいるけれど、「home」はコードが難しくて。渡辺役のkanjuくんやギターができるスタッフさんに、稽古の隙間に教えてもらっています。

――改めて、木山さんの楽曲「home」から舞台『Home』が誕生した経緯をうかがわせてください。
木山:僕は2008年にこの「home」でデビューして、ずっと会社員をしながら「2足の草鞋」で歌手活動をしていたんです。2019年に準備万端で独立したら、コロナですべての仕事がキャンセルになってしまって……。世の中、どんどんライブも舞台もできなくなってきたときに、「木山さんの「home」を題材に、家族を描いた舞台をやりませんか?」という連絡がきたんです。そんな時勢だったから、最初は「怪しいな」と思いました(笑)。でもコロナで何もかもがリセットされた中、実際に僕は家族の絆にすごく助けられた。36歳でガンになったときに助けられたのも、人と人との関係だった。それで舞台化を決意したんです。でも僕自身の人生が題材になるのはイヤだったので、「home」の世界観で物語を作ってほしいとお願いしてでき上ったのが、お父さんが出てこない『Home』だったんです。父親目線の「home」を題材に、お母さんの物語を描いてきた。それがよかった。そんな感じで始まったのが、4年前です。

――「home」では<帰ろうか>と歌われていますが、皆さんが家に帰りたくなるときとは?
山本:俺、1人暮らしだからなぁ(笑)。でも、好きな女の子を実家に連れていきたくなりますね。家族と一緒に焼肉を食べて、その後に、星がすごくキレイに見える場所でデートするのが定番。「家族が温かすぎて、サザエさんの家みたい」と言われたこともありました。元々、家族とは仲が良くて、今でも実家にはけっこう帰っています。姪っ子甥っ子に会うのが目的です。会うとついつい何でも買ってあげたくなっちゃう。もう、お財布ですね(笑)。
山村:私はワンちゃんが待っているから、仕事が終わったらすぐに家に帰りたくなりますね。でも誰かが家にいれば、帰りたくなりますよね。寂しくなったら会いたくなるし、嬉しくても早く帰って報告したいし、悲しくても慰めてもらいたいし。家族がいるからこそ、自分の戻れる場所になるのかもしれないですね。
木山:そう、特に辛いときに、わかってもらえる人がいるって大事ですよね。自分が悪かったとしても、ちょっと慰めてほしいときって、おじさんにもありますよ(笑)。強がって生きてるけれど、ちょっと傷ついたとか、失敗したとか、家で話すと落ち着きます。大概軽くあしらわれるけれど、最後は「いいんじゃない」と肯定してくれる。その一言が欲しいんですよ。味方になってくれるのが、家族です。

――やはり「家」は、家族の象徴ですね。悩んだときは、やはり家族に相談するんですか?
山本:僕は芸歴、19年。高校3年生のときから『仮面ライダーカブト』に出ていた。だから実家に帰ると、なぜかカッコつけなきゃいけないという意識があって。30歳目前で芸能界を辞めたときも、弱い姿を見せたくなくて相談はしなかったな。
山村:誰にだったら、弱い姿を見せられたの?
山本:僕がダメな時に支えてくれてたり、一緒に頑張ってくれた仲間たち……ですね。
山村:そういう人がいるって、ありがたいことだよね。
山本:はい。でも僕も37歳だから、そろそろ自分の家族がほしい。だから『Home 2025』も、自分が親になったときのことを想像しながら演じちゃう。もっと女の子と真摯に対峙しないと……と思いますね(笑)。
木山:でも、こういうタイプが結婚するとマイホームパパになるんだよね(笑)。
山本:子供、大好きなんですよ。だから『Home 2025』のラストシーンは、ぐっときます。
山村:私も主人が亡くなる前は、舞台で大変なことがあったら主人に相談していました。プロデューサーだったから、俯瞰でしっかり物事を見てもらえたのは良かったですね。でも今は、弱音を吐ける人もいない。家族に弱音を吐けるって大きいですよ。家族は友だちや仲間とは違うんですよね。天災が起きた時に1番に電話するのは家族だし、何があっても心配して信じてくれるのも家族だし。山本さんは、弱音を吐ける人と結婚すればいいんじゃないかな。
――では最後に、2月21日(金)より浅草花劇場で上演される『Home 2025』への意気込みをお願いします。
木山:毎回、いっぱい笑うし、いっぱい泣きます。家族ってそうやって笑って泣いて、一緒に時を過ごしていくものだと思うので、今回も「家族っていいな」と思える舞台に仕上げてくれるはず。それが一人でも多くの方に、届くとうれしいです。僕も千秋楽、2月24日2部公演で「home」を歌って応援させていただきます。ぜひ見に来てください。
山村:見終わった後、気持ちがスッとして、帰り道にスキップしちゃうくらいの作品にしたいと思います。本番にむけていい作品に仕上げていきますので、劇場に足を運んでいただけるとうれしいです。
山本:笑って泣ける、とても温かい作品をスタッフ、キャスト一同で皆さんにお届けします。ぜひ劇場にお越しください!
すでに楽しい家族となっているキャストと何度聞いても心が温かくなる楽曲『home』。舞台を観た後には、家族に会いたくなる作品です。
公演オリジナルグッズや、観劇スタンプラリーなども用意され、楽しくてワクワクする舞台を是非ご期待ください。
■舞台『Home2025』公演概要

【公演日】 2025年2月21日(金)~2月24日(月・祝)
【会場】 浅草花劇場
【開場/開演時間】
2月21日(金) 【1部】開場 14:15/開演 15:00 【2部】開場 18:15/開演 19:00
2月22日(土)・23日(日)
【1部】開場 12:45/開演 13:30 【2部】開場 16:45/開演 17:30
2月24日(月・祝) 【1部】開場 11:45/開演 12:30 【2部】開場 15:45/開演 16:30
【出演】 長男・山郷 祐一 : 山本 裕典
次男・山郷 健次 : 田中 晃平
三男・山郷 蒼太 : 陣 慶昭
ウジン : ウォンシク(TMC)
テオ : スンヒョク(TMC)
ナミ : 水原 ゆき
渡辺 : kanju
中島 : 長田健一
梶本 : 長瀬将暉
母・山郷 充子 : 山村美智
【脚本・演出】 安藤亮司(劇団ウルトラマンション)
【チケット】 ◆S指定席 ¥8,500(税込) ※特典付(ランダムキャスト生写真)
◆A指定席 \6,500(税込)
※ドリンク代別途 \500 ※4歳以上有料,3歳以下入場不可
【主催】 ライズコミュニケーション
【企画協力】 木山裕策音楽事務所
【お問い合わせ】 stage@risecom.jp
【協力】 untitled/イトーカンパニー/えりオフィス/ジェイズプロデュース/
立花プロダクション/Playmaker E&M/Recreation Links/ワイツー
―舞台「Home 2025」観劇スタンプラリー特典―
ご観劇回数に応じて豪華特典をプレゼントいたします!
◆3回観劇 / お好きなキャストの生写真1枚プレゼント(非売品))
◆5回観劇 / お好きなキャストのサイン入り生写真1枚プレゼント(非売品)
◆6回観劇 / お好きなキャストのサイン入りキービジュアル生写真1枚プレゼント
◆8回観劇 / 大千穐楽前リハーサル見学(10分予定)
★さらに、8回全公演S席にてご観劇の方には、出演者全員とステージ上での
グループショット
~舞台【Home】あらすじ~
山郷家の長男でフリーターの祐一と不慮の事故で車イスの生活をおくる弟の蒼太は、いつか売れる日を夢見て、この街の路上で歌っているストリートミュージシャン。
次男の健次は、ろくに稼ぎもしない兄のこの活動に反対している銀行員。
彼ら3人は、幼い頃に父を亡くし、母に女手一つで育てられた「兄弟」である。
ある日、祐一と蒼太に転機が訪れる。しかしそこには、辛い現実があり、落とし穴があり、壁があった。
大人になるってどういうことなんだろう?
どの道を選択すれば、彼らは大人になれるんだろう?
家族にはそれぞれの形があり、いろいろな表情がある。
これは家族にまつわる「愛」の物語。