【韓ペンオリジナルレポ】~ソンモ (元超新星)~「秋の国際短編映画祭 韓国特集プログラム」トークショーにスペシャルゲストとして登壇!映画を愛するソンモらしい視点で熱く映画を語る

【韓ペンオリジナルレポ】

⽶国アカデミー賞公認、アジア最⼤級の国際短編映画祭ショートショートフィルムフェスティバル & アジア(SSFF & ASIA)が開催している「秋の国際短編映画祭」に於いて、10月20日(金)・21日(土)東京都写真美術館ホールにて「韓国特集プログラム」作品5本が披露された。 10月20日(金)にはトークショーも行われスペシャルゲストとして、元超新星のユン・ソンモが登場。 かなりの映画好きでも知られるソンモとMCによる熱い映画談議が繰り広げられた。

■上映作品

・『秘密にしよう』『マルソック』『カット』『TRAP by SEO IN GUK』 

詳細⇒ https://kanpen.asia/archives/69577

・東方神起ユンホ ミュージックショートフィルム『NEXUS』

詳細⇒ https://kanpen.asia/archives/70031

まず上映された韓国ショートフィルム5本を観て印象に残った作品を聞かれ

「作品には僕の友達や先輩も出ていたりしましたが、内容としては『カット』という作品が印象に残りました」

(※『カット』:さびれた工場で狂気的殺人が行われている。突然「カット!」と叫ぶ映画監督の声が飛ぶと同時に雨音が響き渡る。 そこから妄想か?現実なのか?という不思議な世界が始まる。ホラー作品)

「僕は映画を観ながら、主人公の男性が外でタバコを吸おうと、扉を開けると雨が降っているのに閉めたら雨が止んでいる。 そっちの世界とこっちの世界が違う。扉を閉めた瞬間、その世界と完全に分かれてしまう。そして男が中に戻る時また雨が止んでいる…. そういうのを見て、演出が凄く細かいと思いました」

しっかり観ていないと扉と雨音の関係性がこの話の中で大きな意味を持つことを見落としてしまう。そんな大事なヒントを理解し見抜いたソンモに、客席からは感心する声が聞こえて来た。

途中のシーンで、金槌で人を殴り殺す音の不気味さに

「音がめっちゃやばかったですよね。 お金をかけなくても、そういうものでそこまで表現出来るのは凄いと思いました」

その言葉を受けMCが「ショートフィルムは時間もお金もあまり無いのでワンシチュエーションで撮影する、演劇と似たような部分がありますよね」と同意すると、

「ショートフィルムはスタッフが出演したり、まだ人気や認知度のない俳優さんがスタッフとして参加して監督たちと仲良くなって次の作品でも呼んでほしいと言うこともよくあります」

と、ショートフィルムの裏事情も語った。

MCより2本目に上映された『マルソック』のようなドタバタコメディー作品は好きか尋ねられると

「僕の好みではないです」

とハッキリ答えるソンモ。 常に自分の心に正直で、信念を持っているソンモらしい一面を見せた。 自分なりの映画に対する考えがしっかりして、決してブレることが無い。

今回のショートショートフィルムフェスティバルには、韓国の作品もとても多くエントリーがあったそうだ。 『カット』のような怖い作品、『マルソック』のようなドタバタコメディー作品も多く見られ、バラエティーに富んだラインナップだったが、日本からのエントリー作品にはあまりドタバタコメディーなどは無かったそうだ。 MC的にはコメディー作品『マルソック』が面白かったという言葉を受け

「正直、衝撃的じゃない映画はあまりチケットが売れないんですよね….。 韓国ではコメディーやメロが観客100万人を超えたら大成功です。 でもアクションやスリラーはその基準が1000万人です。 製作費も売れるチケットも違うし、僕みたいに “あまり好みではない”という人も多いので仕方ないと思います。でも、そういうジャンルもこれからもっと売れて頑張ってもらいたいですね」

と、韓国映画界のリアルな部分を語った。

この日は、日本でロケが行われたソ・イングクの監督・主演作品『TRAP by SEO IN GUK』や 東方神起・ユンホのミュージックショートフィルム『NEXUS』も上映された。 シチュエーションこそ違うがいずれも夢と現実が交差したような作品だったことについて

「僕は超新星というグループでデビューして、色んな衣装を着ることで色んな人になれる、でも何が本当の自分かなって思うこともありました 。イングクさんの作品を5分観たところで イングクさんはこの作品で “自分”を表現したいのかなって思ったんです。 最後に「I am Seo Inguk」っていうのが出て、やっぱりそうだったんだ、それが映画からちゃんと伝わったねって思いました。 ユノさんのムービーは、相変わらずかっこいいし、元々ダンスがとても上手なんですが、表情も自由に使えるようになったのが凄いな、今も努力しているんだなって思いました。 船の上で、演技しながら振り付けにも感情をずっと続けていけるのが凄いな、こういう人はあまり居ないって思いました。 魅力がある作品だったと思います」

と、長く歌手として俳優として色々感じ、経験して来たソンモだからこそ理解・共感出来る部分をこの2つの作品から見出した様子だった。

MCから『NEXUS』は13分位の作品だが、セットなどお金のかけ方が凄い。日本ならば長編映画でも撮れそうな額のように感じたという言葉に

「さっきのコメディージャンル『マルソック』と、ユノさんの『NEXUS』は製作費が相当違うと思いますね。 エンドクレジットの流れる時間でかなりかかってる金額の違いがわかりますね」

と的確な意見を述べた。

上映されたショートフィルム5作品と韓国映画の通じる部分を聞かれ

「韓国映画は俳優の演技が上手いと思ったし、カット数が多いですね。 僕は結構ショートフィルムも観たし、自分も韓国や日本で俳優活動をしていますが、日本と韓国映画の一番の違いはカット数だと思います。 それがいいこともあれば、良くないこともあるかもですが(笑)」

(※その辺の核心部分は後ほどソンモが語っている)

韓国でのショートフィルムの位置づけ、人気度を尋ねられ

「正直に言うと、無い…ですね。 一般のかたにショートフィルムを観た事があるか聞いたら、ほぼ…90%以上は無いって言うと思います。 だからユノさんのような認知度のある方がこういう作品を撮ったら、みんな興味を持つんじゃないかなって思います。 自分も含め、頑張ってほしいなって思います」

映画好きのソンモは韓国でのショートフィルムの認知の低さが少し残念そうだった。

韓国と日本の撮影現場の雰囲気や、プロモーション方法やスタッフとのコミュニケーション、労働時間などの違いについての質問に

「一番大事なことですが、撮影時間が違います。 韓国は週に50時間以上は撮影出来ません。 法律で決まってます。 何故かというと、例えば映画を撮るのに、朝6時から頑張って夜10時まで撮影して、そのあと家に帰るため車を運転しなくちゃいけません。 撮影現場は自分の家から遠いことも多いです。 車の事故とか、病気になる人もいて、毎年死んでしまう人が出てしまったんです。なので今はもし今日の10時で今週の50時間だったとしたら、10時を2分でも過ぎてしまうと、電話したら監督とかプロデューサーとか捕まります。そこまで厳しくなりました。  でも日本の現場は…その日6時に呼ばれて次の日は5時に呼ばれて…(笑) この間、撮影が1日休みの日があったんですが、僕はソロスケジュールがあって東京に戻って、翌日はまた 朝5時から東京から離れた場所で撮影とか….。 いい作品を撮るのは重要なんですが、人の命が大事じゃないかなって思います。 それは世界的に変えていってほしいことですね。 でも、僕、今年日本の作品(ドラマや映画)に何本か出演させていただいたんですが、現場の雰囲気がめっちゃいいなって思って。 作品によってスタッフさんや俳優さんの人柄とかによっても違うと思うんですが、日本の皆さんは親切で優しくてすごく作品を撮る期間が楽しかったし、思い出になりました。 韓国での撮影は終ったあと“大変だったなぁ”って思うこともありましたが、日本の現場は撮影が始まった時に戻りたいって思った記憶しかないです。 僕の運が良くて、いい方たちとやることが出来たのかもですが、僕が感じた日本の現場の雰囲気はそういう感じでした。韓国もそうなってほしいなって思いますね」

と、韓国と日本の現場 両方を経験したソンモならではの視点で考えを述べた。 

MCから韓国映画やK-POPなど、韓国のコンテンツが世界を制覇している秘訣はどこにあると思うか聞かれると

「韓国の財産は “アーティスト” だと思います。みんな頑張っていますが、特に韓国は歌手も俳優も、上手い人が多いなって思います。 成功するためには寝なくてもいい、他のことは諦めてもいいと強い情熱を持っている、だから努力するし、努力するから実力が付いて来るんです」

と、自身も絶えず努力をすることで厳しい世界を生き抜いてきたソンモだからこそ言える言葉だった。

韓国の俳優はもちろん、監督や脚本家にも優れた人が多く見られるのは韓国映画界を支援する国営の<韓国アカデミー>の存在も大きいのではないかというMCの意見に

「逆に韓国人は、日本の監督や脚本家は天才だと思っている人が多いです。 アニメもそうだし。 岩井俊二監督の『ラブレター』とか….、あと『東京タワー』『今、会いにゆきます』『君の膵臓を食べたい』とか。 日本の監督や脚本家は上手い、天才だって思っています。 今は韓国もとても有名になった監督や脚本家が増えて来たと思います。 天才はどこでもいるにはいると思うです。 韓国はカット数が多いですが、日本はカット数はあまり多くない。 カット数が多くないから(ワンシーンを)長く撮れる。 だから撮影期間が短くなる。 でも韓国は“36シーン”を撮るだけでも5時間かかる。 1日これしか撮れない。カット数が多いから。 1つのシーンを前から撮って、後ろから撮って、横からも撮って…みたいに5回撮ったら5倍かかりますよね。そういうところが韓国映画はお金も時間もかかる。でも、だから面白い。 つまんないと思う瞬間、シーンや角度が変わるんですね。 これはすごくいいことだと思います。 日本は(ワンテイクで)出来るだけ長く撮ります。今の表情だけ撮って…っていうことが多いので、韓国の作品に比べてつまらない時があるかもしれないです。 でも日本の俳優さんが上手いし、脚本がいいから面白く観れるんです。集中して観ることが出来ます。(日本の作品の)角度が変わらなくても楽しめる理由はそういうことだと思うんです」

ソンモの好きな韓国の俳優や映画作品を聞かれると即答で

「イ・ビョンホンさんです! 韓国で一番の天才だと思います。 色んな役を見たいと思うのはビョンホンさんですね。 ビョンホンさんの最近の作品で『それだけが、僕の世界』っていうボクシング選手を演じている映画では、トップスターではなく本当に普通のとなりのおじさんみたいに感じる、リアルな演技で。 イ・ビョンホンさんみたいな人はいない。 天才だと思います。一番尊敬する俳優さんです」

最後に ソンモの好きな日本の俳優や作品などを尋ねられると

「自分が好きなのは北野武監督の『アウトレイジ』ですね。 是非、北野監督作品に出演したい。 昔からの夢です。バイオレンスが凄くリアルなので怖いから女性にはあまりオススメは出来ないかもですが(笑) 最近日本の映画やドラマもよく観ています。 でも、今日は映画祭だから映画の話をしないとね(笑) 有村架純さんの『ちひろさん』を観ました。 有村さんの声と表情が凄いって前に見て思っていたんですが、韓国のNetflixで『ちひろさん』が1位になっていて、観てみたんです。 やっぱり日本の映画は日本の色があるなって思いました。 風景、演出、光景が全て日本らしいなって思いました」

と、日本の作品へ思いが強いことを語った。

このあと、まずメディア向け、その後、来場者も撮影可能なフォトセッションが行われた。

「今日は俳優として皆さんにお話をしたんですが、11月にはミュージカル『リフレインする君の声〜encore 2023〜』や映画『ランサム』のシアターギルドでのイベント、12月24日にはクリスマスファンミライブもあります。 これから色んなところで演技・歌の分野で広げていきたいと思っています。皆さん温かい応援を沢山お願いします」

流暢な日本語で、自分の心に正直にしっかりと考えを語ったソンモ。映画を心から愛するソンモは 来場者によく伝わる例えや説明をしながら映画への思い・映画の魅力を丁寧に伝え、イベントは終了した。

text & photo :Chizuru Otsuka


【映画イベント】ユン・ソンモ × シアターギルド コラボ企画 第一弾

■2023年11月4日

会場:代官山 シアターギルドにて ソンモ主演映画『ランサム』企画上映

詳細⇒ https://kanpen.asia/archives/69648

※後日、YouTube「奥⼭映画学校」https://www.youtube.com/@user-or6ox2xw9k にて配信予定


■ミュージカル『リフレインする君の声〜encore 2023〜』

日程:2023.11/14(tue)~11/19(sun)

会場:六行会ホール(東京都品川区北品川2丁目32−3) 

【出演】
志音 / ソンモ(ex 超新星)
結弦 / 永島龍之介
MAKOTO / 杉本新
黒澤強志 / 松浦司

【公式サイト・SNS】
https://musical-encore2023.amebaownd.com/
https://twitter.com/BigupStage (@BigupStage)

【原案・演出】中野智行(PaniCrew)

詳細↓

https://sungmo-official.jp/contents/671911


■2024年1月6日 映画『ランサム』DVD発売

詳細⇒ https://kanpen.asia/archives/69891


ソンモ公式HP

https://sungmo-official.jp

ソンモ公式X(旧Twitter)

https://twitter.com/sungmo_jp ( @sungmo_jp )

SUNGMO LINEスタンプ販売中

https://line.me/S/sticker/23349964


本記事掲載イベント概要

「秋の国際短編映画祭」韓国ショートフィルム特集プログラム

⽇時︓

2023年10⽉20⽇(⾦)18:40〜20:40(上映+トーク)※スペシャルゲスト ユン・ソンモ
2023年10⽉21⽇(⼟)14:40〜16:10← 上映のみ
会場: 東京都写真美術館ホール

SSFF & ASIA 2023 秋の国際短編映画祭 概要

◆期⽇および会場︓


<オンライン会場>
オンライン・グランドシアター 2023年9⽉28⽇(⽊)〜10⽉27⽇(⾦)
オンラインサテライト会場︓①「DOOR」 シアター 期間同上
②ブリリア ショートショートシアター オンライン
10⽉4⽇(⽔)〜4週に渡りハロウィン特集

<リアル会場>
⾚坂インターシティ コンファレンス 10⽉17⽇(⽕)
東京都写真美術館ホール 2023年10⽉19⽇(⽊)〜22⽇(⽇)

サテライト会場 :

①東京ミッドタウン⽇⽐⾕ ⽇⽐⾕ステップ広場
(HIBIYA CINEMA FESTIVAL 2023内上映)
2023年10⽉13⽇(⾦)〜22⽇(⽇)
②シアターギルド代官⼭ 2023年10⽉16⽇(⽉)〜18⽇(⽔)
※プログラムにより上映開始時間が異なります。ウェブサイトにてご確認ください。

◆内容︓SSFF & ASIA 2023受賞作品の上映・配信のほか、韓国ショートフィルム特集上映、ゲストを迎えてのトークイベントやクリエイター向けのオンラインセミナー、BRANDED SHORTSのセミナー開催も予定。
オンラインサテライト会場ではハロウィンをテーマにしたショートフィルムプログラムを配信。
※イベント・ゲスト情報は9⽉28⽇のオフィシャルサイトにて公開

◆料⾦︓

【無料】
・東京都写真美術館ホール
・東京ミッドタウン⽇⽐⾕ ⽇⽐⾕ステップ広場(HIBIYA CINEMA FESTIVAL 2023内上映)
・ブリリアショートショートシアターオンライン
・クリエイター向けオンラインセミナー
【有料】
シアターギルド代官⼭
オンライングランドシアター
※オンライン会場の作品が30作品以上⾒放題となる鑑賞パスポート 1,000円(税込)9⽉28⽇(⽊)より発売
◆申し込み︓東京都写真美術館での上映の席予約はウェブサイトにて受付中
※サテライト会場の予約、チケット購⼊はウェブサイトに掲載の各リンク先より
ウェブサイト︓https://shortshorts.org/2023autumn/

主催︓ショートショートアジア実⾏委員会

共催︓東京都

後援︓J-WAVE 東京国際映画祭提携企画